ギャングvsマーズ
北西のギャング団に突入した3マーズは、緑&藤の息ピッタリな連携術攻撃を銀が双輪双璧して、半ば寝込みを襲った形になったのもあり、あっという間に100人程のギャングをまるっと封珠の中へ。
【このまま弱禍を浄滅します。
ケイロン様 オーディン様 シヴァ様に組み合わせて頂いた術を使います。
藤慈君】緑が手を差し出し、握手。
【双璧してもいいのか?】
【お願いしますね】【おう♪】
―◦―
金 黒 赤マーズはイタリーマフィアと戦闘中。
堅固壁は後方のみにして金と赤は具現化した和刀で、黒は両手に具現化柳刃包丁で銃弾を斬って落としながら進んでいた。
しばしば背後にも現れるが撃つ前に掌握に掴まれてマーズの背後の堅固壁に囚われるので、進むうちに透明な壁は動きを封じられたマフィアだらけになっていった。
唐突に静寂。
【油断禁物だ】【大勢が潜んでいる】
3人には丸見えなのだが、探っているかのように ゆっくり進む。
【まだ向こうからは来ねぇよ。
それよかツッコミが無ぇと寂しいんだが?】
【ん?】【む?】
【オレだけ包丁なんだからツッコんでくれぇ!】
【そうか。言ってはならぬのかと思っていた】
【む】
【うわぁ。ナンでオレ、此処なんだよぉ】
【【最善】だと考えたのだが?】
【真面目に答えられちまったぁ!】【【待て】】
【はいはい。ワン】ストップ。
【次の1歩で来る】【む】【ワンワン】
【拗ねないでもらいたい】【む】
【お♪ マシンガンだ♪ オレにくれ♪】
【【好きに】】【ありがとなっ♪】超ゴキゲン♪
黒のみ前進。と同時に連射された弾が迫る!
【もらった!♪】
もう全員 起きている筈と、笑い声を響かせて手が見えない速さで斬っている。
【後ろからも来たな】【む】
後方では2人がバズーカを構えている。
堅固壁に捕まっている者達は当然だが、下手をすれば前の者達までも巻き添えだ。
【捕らえられた仲間を見捨てるのだな】
【赦さぬ】赤が堅固壁を抜けて出た。
「撃て!」【堅固】
大きな弾は簡単に新たな堅固壁に捕らえられた。
【反転、解還】
向きを変え、堅固を解いたので撃った者達の方へ飛ぶ。
マフィア達は散り散りになったので、ずっと向こうの壁が木っ端微塵になった。
【千手掌握、堅固、術破邪】後方終了。
【コッチも弾切れだ♪】【幹部は確保した】
【金錦兄イイトコ取りだぁ】
【黒瑯がマシンガンを選んだのだろう?】
【そのとーりですよっ! 失敗したぁ】
【暴れ足りないのだな?
青生の方に行ってもらえるか?】【おう♪】
【術破邪を足して運ぼう】【白久兄の所だな】
―◦―
【煌輝! 領域供与!
んでもってオレも参戦だ♪】
【黒瑯兄あっりがと~♪
あ♪ 両手に包丁だ~♪】きゃはは♪
【ツッコミありがとなっ♪
で、ナンで防戦してるんだ?】
【誘き出し中なの~♪】
【何を?】
【オーロ持ちオジサ~ン♪】
【ゲ。だから この3人なのかぁ】
【うんっ♪ あと楽し~から~♪】
【だよなっ♪ お? 動き出したぞ♪】
【じゃあ闇呼玉~♪】
【ナニしてるんだ?】
【弾集め~♪
禍気絡んでるから くっつくの~♪】
【で?】バンッ!【お♪】
勢いよく開いたドアからノッシノッシがピッタリな歩調で現れた男が壁を背に忍者達の方を向いた。
相手は少数、武器は古典的な刀だと聞いての余裕なのだろう。
【光放発射♪】ズパンッ!
【闇呼吸着の逆なの~♪】
「オ……」ググ……ガッバーーーン!
一瞬にしてボスの周り数cmに弾痕が出来、支えきれずに壁が後ろに倒れてしまった。
【闇呼吸着♪】
ボスが飛んで来る。融合が進んでいるのだろう。
【青生兄 瑠璃姉お願~い】
ボスを吸着した闇呼玉を置いて逃げた。
黒瑯が爆笑。
【黒瑯兄てばぁ~。
気絶オジサン達 集めてよぉ】【おう♪】
まずは室内に落ちている者達を1箇所に。
【ん? 餡こ吸着しねぇのか?】
【ちっちゃ過ぎなのぉ。
完全浄化しにゃいと出せなくなっちゃう~。
だから集めて普通の封珠に入れるの~】
【ふ~ん】
集めていると緑と藤が来た。
【では封珠に集めますね】【ん♪】
【金錦兄と白久兄と紅火は?】
【見張りをしてくださっておりますよ】
【弱禍は浄滅しましたが不穏は根深く、魂内に隠れて残っているのです】
【ふ~ん。
邦和の常識で考えちゃなんねぇんだな?
そっか。だから餡こ玉はムリなのか】
【そうですね。
邦和は基本、穏やかな国ですからね。
この状態ですと完全浄化には10日程は掛かりますね】
込め終えた。
【では向こうで弱禍を浄滅します】【オレも!】
一緒に瞬移した。
【彩桜、この人も運ぶよ】摘出完了。
【瑠璃姉また1人で行っちゃうのぉ?】
【邦和は朝だからな】
【帰らないと祐斗君達が心配しているよ】
【そっか~。うん♪ 俺 帰る~♪
あ! 犬のお散歩!】
【ソラ君が彩桜をしてくれたよ】【あらら~】
―・―*―・―
輝竜家のアトリエでは勉強会が始まっており、中学生達が集まりつつあった。
「彩桜、また動物病院かな……?」
堅太に教えていた祐斗が呟いた。
「かもな♪ 心配いらねぇって♪
散歩には来てたんだからなっ♪」
「そうだよね。
世界ツアー、始まったんだよね。
邦和は いつなんだろうね?」『秋なの~♪』
「彩桜!♪」「ほらな♪ 元気だろ♪」
「それでライブの話は?」「だよね♪」
「えっとね、邦和は6ドームツアーなるの♪
10月から12月に掛けてなの~♪
1ドーム、金土日3日間なの♪」
「6ドーム?」
「凌央でも知らねぇコトあるんだな♪」
「プロ野球なんて興味ないから」
「蝦夷、仙台、東京、尾張、浪花、博多の6ドームだ♪」
「大きな所ばかりだね♪」
「だからチケット確保するからねっ♪
みんな来てねっ♪」
―・―*―・―
神世から戻った瑠璃は保護した女性達を奥ノ山の社に連れて行った。
眠らせて保護珠に入れて運んだので、出して横たえていると梅華が来た。
【姉様、この方々は?】
【オーロザウラ持ちのギャングに捕らえられていた。
元の生活に戻れる迄、頼む】
【はい】
【未だ準備中だったのか売られた者は居ないようだ。
だが……】
【そうですね……】「んっ……」【あら】
【自然に目覚めるようにしている】
「ここは……? オルグ様は?」
「居ない。捕まった」仏語か。
「そうなのですね。皆さん、無事なのですね?」
「眠っているだけだ。
此処は邦和。山奥だ。
帰りたければ直ぐに帰す」
「両親には無事だと伝えたいのですが……」
「ふむ。代わりに伝えよう」
「ありがとうございます。
暫くは勝手な噂と好奇な目に晒されそうなので居させてください」
「好きなだけ居ればよい。
落ち着いたならば何があったのかを許せる範囲で話してもらいたい」
情報を得るのは容易いが、事が事だけに勝手にとはいかないと思っている。
碧色の瞳が本当に大丈夫だと微笑む。
「私は酷い事なんてされていませんので話しますね。
オルグは呼び名を付けて個室を与える者、侍女と下女とに分けていました。
私は『ルサンティーナ』と呼ばれていて、オルグに呼ばれたら笑顔で駆け寄って『愛しています』と侍れば、それだけでよかったのです。
もう1人、あの金髪の『サンティーナ』さんも同じでした。
私達がオルグの両側、他に5人が周りに侍り、本人の感情はともかく寵愛を受けていたのです。
可哀想だったのは銀髪の『アミュラ』さんで、部屋に閉じ込められていて、夜な夜な その部屋からは叫び声や呻き声が聞こえていたのです」
「オーロザウラではないのだな?」
「そう名乗る時もありました。
ですが大差ありませんでしたよ。
二重人格なのかしらと思っていましたけど」
「ふむ。オーロザウラは太古の王でオルグの前世だ。
二重人格で正解だろう。
王太子であった兄の妃になる筈であった隣国の姫サンティーナに横恋慕し、兄の命を奪って王と成った。
サンティーナ姫は自国に逃げた。
オーロザウラは我が妃を渡せと その国を攻めた。
サンティーナ姫は国を守る為にオーロザウラが放った矢を自ら受けて亡くなった。
そのずっと後、オーロザウラの息子が王を継ぎ、迎えた妃がルサンティーナ姫だ。
サンティーナ姫に よく似た美姫を奪おうと、今度は息子を追放し、王に返り咲いてルサンティーナ王妃を己が妃とした。
しかしルサンティーナは妃とされても妻とはならなかった。
妃として留まったのも、オーロザウラを倒して夫を迎え入れる為だったからだ。
最終的にオーロザウラはルサンティーナ妃に命を絶たれる事となる」
「だから、お姫様達からの『愛しています』が欲しかったのですね……」
「そうなのだろう。憐れな男だ」
「そうですね。アミュラさんは?」
「少年だったオーロザウラの先生だ。
美しく気高く厳しかったようだな」
「それで……でも、あの人は無関係なのに……」
「そうだな。
では心のケアが必要なのは彼女だけなのか?」
「侍女や下女の皆さんもお願いします。
ギャング団の人達に……ですから」
「ふむ」
男達は楽しく『掃除』したようですが、瑠璃さんは物凄く怒ってますよね。
カリーナ火山で浄滅するのも、もう躊躇わずに投げ込みそうです。




