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翔³(ショウソラカケル)ユーレイ探偵団1.5  外伝その1 ~探偵団の裏側で~  作者: みや凜
第三部 第35章 新年度・新生活・新たな仲間
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部活動紹介とクラス委員決め



 月曜日とは言え、この日は全体集会に続いて部活紹介があり、その後は学級活動になっているので午前中は授業にはならない日だった。


 運動部はユニフォームで前に並び、素振りやらエアーでのパフォーマンスを見せながら、前年度の出場大会の成績を発表していた。


 文化部は音楽系は演奏や合唱、美術部は作品を持ってコンクールなどの成績を発表した。

書道部と華道部もパフォーマンス。

茶道部は大きな茶筅を持って来て、本浄神社で月2回お稽古があると話した。

文芸部は部室は図書室だが個人宅が第二部室で大きな書庫もあると話した。


 最後が歴史研究部。

前に並んだ10人は、去年の文化祭の邦和古代衣装と牧場イベントの欧州中世民族衣装と、今年の文化祭の邦和戦国時代の甲冑などの姿だった。


戦国武将の甲冑な彩桜が一歩前に出た。

『コスプレ部ではありません。歴史研究部です。

 部長の輝竜です。

 この装束は材料、布の織り方、染め方、縫い方などを調べて学んだ成果です。

 真面目に歴史を探究しているんです。

 今年度の文化祭テーマは安土城です。

 完全復元を目指してジオラマを作ります』


城主らしい装飾付きの直垂(ひたたれ)姿の祐斗が彩桜に並ぶ。

『副部長の久世です。

 部室は和室ですが、部長宅のアトリエが第二部室です。

 部活動日は週3日で、部活のない日は勉強会をしています。

 勉強会は部活ではありませんが体験入部的に気軽に参加してもらって構いません』


邦和古代貴族な堅太も前に。

『バスケ部とカケモチしてる鷹前です。

 歴史研究部もカケモチ可だけど、どっちも真剣にヤルって気合い入れてないと、どっちも続かないってだけは覚えといてください。

 あと、学校行事の部対抗スポーツ大会で優勝しましたが、部活動では運動してません。

 いろいろウワサは聞いてるかもですが、真面目な勉強部で、強制じゃない目標は『全員揃って櫻咲高校に行く』なんです』


『以上、『歴史研究部』でした』途中、全員。

礼。退場。



 校長が締めの言葉をつらつら話し始めた。

外に出て教室に戻りたいところだが、1年生達の横を歩いて、後ろの2年1組の列に戻らなければならない。


「ちょっと恥ずかしいね」

城主(ゆうと)が『早く』と前の甲冑(さくら)をつついた。


「そぉなの?」軽やかにカッシャ カッシャ♪


「たぶん凌央が怒ってるよ」


「どぉして?」やっと列に到着。


「だって……」


今日だけは1年生が見易いようにクラス毎に横1列。

普段なら出席番号順だが、出入りでガサガサするので終わった順に詰めている。


彩桜はスルンと甲冑から抜け出て、並んだ。

「サーロンの代わり♪」兜を乗せた。


とうとう祐斗が吹き出した。

「あと少しなんだから笑わさないでよ」

「祐斗、後ろ外して」凌央が来ていた。


「あ、うん。堅太の後ろに居たよね?」


「外してくれなかったんだ」ムッ。


「ジャンケンで負けたんだから仕方ないよね」


「着るのは仕方ないけど」脱いだのを持った。


「凌央、頭の」


「!」サッと取った。「忘れていたよ」


牧場イベントでは馬耳だったが、今回は可愛い帽子だった。

女子が2人だけなので、ジャンケンで負けた凌央が欧州の、恭弥が戦国時代の女性装束を着ていたのだった。


「彩桜、僕のも お願い」

恥ずかしそうに身を屈めて恭弥も来た。


「ほえ? じゃ~ねぇ~♪ こぉして~♪

 はい♪ 傾奇者(かぶきもの)♪」

イイ感じに着崩させた。


「これで出たかったよ」「カッコいいね♪」


夏月は戦国時代の姫装束、沙都莉は古代の皇女装束を着ているので、列に戻った今も多くの視線を浴び続けていた。


「校長先生また長いねぇ」


「そうだね。……何人 来るかな……」


「何人でもいいの~♪」


「そっか。だよね♪」



―・―*―・―



【お~い兄様、やっぱ その不穏か?】空から。


理俱(リグーリ)こそ何をしているのです?】


【見ての通り、死神爺様だよ】


【何故、此処なのです?】北関東とは珍しい。


【不穏が漂ってるから浄化を降らせてたんだ。

 だから兄様も、なのか?】


【話していませんでしたか?】はて。


【何も聞いてないんだが?】


【そう言えば、沙織との事は?】


【何で今それ聞くんだよ?】


【質問の応酬ですね♪】ふふ♪


【お~い】ったく~。


【理俱は沙織と月の女神様の他は見ていなかったのですね。

 落書き消しの最中、各地で不穏を膨らませて襲撃を謀っていた若者達を捕らえ、眠らせているのです。

 この社には千人程。

 輝竜家は現状、限界状態です。

 ですので巡回しているのです】

話しながらリグーリなら見える程度に神眼拒絶の結界を緩めた。


【千人て……1300くらいだろ】社の中に現れた。


【そうですね。

 東京を含む関東地方が最も多いのです。

 他は合わせれば同じくらいになりますね】


【2600もの不穏な若者?

 で、どうする気だよ?

 これから他の国でも行く度に集めるのか?

 邦和は良くも悪くも大人しい。

 他の国で同じ基準で集めてたら、ほぼ全てを眠らせる事になるぞ?】


【ですから困っているのです】


【あの兄弟なら後先考えずに集めちまう。

 ケイロン様には相談したのか?】


【そうしてみます。

 理俱は落ち着きましたね。

 強くなったのでは?】


【ツクヨミ様に仕えると決めたんだ。

 探索神の称号も戴いたんだよ】


【あとは沙織だけですね♪

 進展したのでしょう?】


【ほんの少しだけな。

 近くに居たいとは言ってくれたよ。

 けど、まだ恋愛は分からんだと。

 ま、人としても若いからな。

 ゆっくり待つつもりだ】


【そうですか。

 ああそうそう。

 本浄神社から稲荷堂に、小さな社の注文が入っておりましたよ。

 確かめなさいな♪】


【うわ。そこまで言って内緒かよ。

 とりあえず先に浄破邪だよな】

人用の強さだがガツンと浄破邪。

【そんじゃあ頑張ってくれ♪】瞬移♪



――稲荷堂。なので慎也になる。

【紅火~、作業部屋か~?】【む】


歩いて作業部屋へ。

「本浄神社の発注書は?」


「ふむ」渡す。「任せる」作業続行。


「へ? 蛇神を祀る稲荷神社?」


【理俱の社】フ。


「おお~い」


今日は『お~い』ばかりな理俱だった。



―・―*―・―



 部活紹介の後、各部が着替えて片付けて教室に揃ったのは3時間目が終わる頃だった。

「4時間目にクラス委員を決めます。

 午後は授業があります。

 今は休み時間にしますがチャイムが鳴る迄は静かに待ってくださいね」

そう言って狐松は前の隅にパイプ椅子を置いて座り、何やら書き物を始めた。



 狐儀師匠、分身先生にして

 にゃ~にしてるのかにゃ~ん。

 ……見~つけた♪

 隠し社でお話し中だねぇ。

 昼休みに行ってみよ~♪


 えっと~、5時間目は体育だ~♪

 6時間目が邦和史ね♪


 チャイムが鳴って休み時間。

ソッコー彩桜は囲まれる。

賑やかな休み時間は、あっという間で4時間目。

「ではクラス委員を決めますね。

 学級委員から決めましょう。

 立候補や推薦はありますか?」


「輝竜君♪」歓声が上がる。


「俺、月曜の午前中 居ないからダメ~」


『あ、そっか』という声と『ええっ!?』が重なって大騒ぎ。


「輝竜君は毎週月曜日に東京に通いますので全体集会で先頭に立てません。

 輝竜君、代わりの推薦はありますか?」


「学級委員は久世君と河相さん。

 風紀委員は波希君。

 保体委員は鷹前君と篠宮さんがいいと思います。

 俺、歴史研究部で一緒してて、よく知ってるから推薦します♪」


賛成だと拍手が楽しそうだ。


「彩桜ってばぁ」後ろから。


「祐斗だから♪ 信頼♪」


「久世君、河相さん、波希君、鷹前君、篠宮さん。如何ですか?」


「凌央はピッタリだよな♪ 俺はOKだ♪

 他のにされるよか保体がいい♪」

言って隣の沙都莉と笑顔で頷き合う。


「河相さん、祐斗と一緒ならいいよね♪」

今年度もまた夏月と祐斗に挟まれている彩桜。


夏月は前を向いたまま恥ずかしそうに頷いた。


「ね♪ 祐斗♪」振り返ってニッコリ♪


「彩桜ってば。解ったよ」苦笑。


「波希君、学級委員を希望しますか?」

1年1組の学級委員だったので尋ねた。


「いえ。風紀委員、やります」


「そうですか。

 風紀委員は2人ですが他には?」


「美雪輝しかいないっしょ♪」「愛綺羅!?」


「僕がフォローする。やれば?」顔は外方(そっぽ)

席は偶然なのだが隣だ。


「じゃあ波希センセーと♪ ヨロシク~♪」


「では波希君と山勢さんですね。

 次は部活扱いとなる図書委員と放送委員を決めましょう」


「放送委員はDJコトハちゃんでしょ♪」

尚樹と星琉を含め1年3組だった生徒達が拍手♪


植咲(うえさき)さん、如何ですか?」


「します♪

 今年もお昼休みは私におまかせねっ♪」


拍手~♪


「昨年度の図書委員の皆さん、今年度は?

 河相さんは学級委員に決まりましたが、聖良(せら)さん、兎尾(うお)さん。如何ですか?」


銀河が手を挙げた。

「私、陸上部のマネージャーしますので、図書委員はできません」


「そうですか。兎尾さんは?」


「……図書委員したいです」


「では決まりですね。

 文化委員からは、学級委員が前に出て決めてくださいね」


「夏月、行こ」「うん」


「これまでに決まった分は書きましたが、続きはお願いしますね」


「「はい」」


「祐斗♪ 俺、飼育委員がいい♪」

教室の後ろ。ロッカー上の水槽を指した。


「この教室、水槽なんてあったんだ」


「メダカと金魚とアカヒレいるよ♪」


「え? 春休みは?」


「餌あげに来てた~♪」


「いつの間に!?」一斉。


「内緒~♪」


「みんな、飼育委員は輝竜君でいい?」


賛同~♪


「それじゃあ次、文化委員ね」


こんな具合に、2年1組は順調にクラス委員が決まっていった。







彩桜にとっては貴重な日常が続いていて嬉しくて仕方ありません。


2年1組にだけ置いている水槽。

白儀に聞いてみると、10年前に転校した生徒が引っ越し先に連れて行けなくて、クラスメイトが教室で飼うと決めたそうです。

以降、魚は変わっていきましたが大切に世話をしているそうです。



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