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翔³(ショウソラカケル)ユーレイ探偵団1.5  外伝その1 ~探偵団の裏側で~  作者: みや凜
第三部 第34章 落書き消しと月の女神探し
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勝手に出るな!



 ソラと響を祝った後片付けをした彩桜が部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、階段下でキョロキョロしていた頭に馬ぬいな男と目が合った。

「あれれ? 谷辺(やべ)さん?」


「その声! 桜マーズ!♪」


「あ~~~」風呂場に入って瞬移(逃げる)



――自室。

「どぉしよ……困ったにゃ~ん」


『マーズだよなっ!♪』リーロンさんじゃなく!

『ナンでお前が居るんだよ!

 てか男風呂なんか覗くシュミあったのか!?』


「あ~あ~あ、今度は黒瑯兄が捕まってるぅ」

【兄貴達~、どしたらいいのぉ?】


皆、廊下の騒ぎを聞いていたらしく唸っている。


【下手に騒がれるよりは揃って話そう】


『コッチ来い!』『わわわわわ――』

金錦の声が聞こえていた黒瑯が谷辺を居間に引っ張って行く。

その後ろに瞬移して揃い、一緒に居間へ。


「あっ!」シマッタ顔の若威。


リーロンも来た。

「お前、部屋から出るなつったろーが!」


もうすぐ落書き消しに行くのでサーロンも来た。

「え?」ぱちくり。「この人……」


「え? 同じ顔9人? うわ10人!?」


「何事だ?」

10人目な瑠璃之助が睨む。


「ナンでウチに居て、廊下でナニしてたのか答えろよな」

まだ首根っこを掴んでいる黒瑯も睨む。


「すんませんスンマセンすんません!!」


「は?」「イキナリかよ」「だからナンだって」

「ねぇねぇ悪いの感じにゃいよ?」「そうだね」

10マーズ揃って若干の戸惑い含む怪訝顔。

なかなかの迫力だ。


〈えっとね、俺、案内しちゃったのぉ〉

ふよよよよ~と谷辺の頭から彩桜にピト。


「そっか。俺の部屋 行こぉとしてた?」


〈うん。アタルん、謝りたいって~〉


「そっか~♪ だからマーズ探してたんだ~♪」


〈そぉなの~。あとね、お礼も~〉


「そっか~♪」「先ずは座ろう」「ん♪」



「えっと、あの事件の! ごめんなさい!」

テーブルに額を着けて向かい合うマーズに謝罪した。

「せっかく来れたし、先輩 助けてもらったし、高級旅館バリおもてなし待遇だし!

 なんかイロイロでっ、ちゃんと謝りたくて!」


「ふむ。解ったから顔を上げてもらいたい」


「はいっ!♪ それにしても圧巻だ~♪

 やっぱマジイケで同じ顔だ~♪」


「顔を含め我々の素性に関しては――」

「絶っっっ対! 言いませんのでっ!」


「――ふむ。確かに改心したのだな」


「はい! 今はタレント動物の調教師を目指してます♪

 その先輩が消えて、馬ぬいに ここに連れて来てもらったんです。

 山辺先輩を助けてくれて ありがとうございます!


 それと犬いっぱいなの見ました。

 大型犬だけじゃなくいっぱい!♪

 庭で話しました!

 たくさん保護も嬉しくて!

 猫も いっぱいだし♪

 だからイロイロありがとうございます!」


「その山辺が、昨日マーズが連れて来た男です」

若威が補足した。


「山辺殿は?」


「馬ぬい達が瞑想 教えてます♪

 先輩にも馬ぬいの声が聞こえてるんで♪」


「ふむ」

【二人を下忍(スタッフ)登録したいと思う。

 どうだろうか?】


【うん♪】口々の同意が返る。


「若威殿、山辺殿を連れて来てもらえるか?」

「はい!」



 山辺も迫力に()されて戸口で立ち(すく)む。


「山辺殿、体調は?」手で『ソファにどうぞ』。


「も、もう、すっかり……」

若威と谷辺に手を引かれて座った。


「マーズに関しては?」


「動画とか報道とか見せてもらいました」


「ふむ。ではマーズの活動については理解していると判断する。

 山辺殿、谷辺殿には下忍(マーズスタッフ)に加わってもらいたい」


「え……?」「俺なんか、いいんですか?」


「馬ぬいは我々の分身だ。

 その馬ぬい達が喜んでいる」

〈「だから合格なの~♪」〉馬ぬい達と大合唱~♪


〈アタル~ん♪〉〈ワタル~ん♪〉

馬ぬい達がピトピトくっつく♪


「では我々は落書き消し行脚に向かう。

 若威殿、後は頼む」「はい♪」


立ち上がったマーズは忍者装束になっており、残り5人も加わって一斉に瞬移した。


「スッゲー!♪」「消えた……」


「忍者移動しただけ。

 登録書の記入と誓約書へのサインを――」

「けど何するんだ!?」


「下忍に難しい事は要求しない。

 日々の修行とイベントでの会場整理くらい。

 中忍になれば動物を扱うのも期待するけどね」


「よーし! 修行するぞ!♪」


「山辺は? 嫌だった?」


「いえ、嬉しくて……それよりも驚いてて。

 でも頑張りますよ。

 俺、動物しか友達いなくて。

 だから仲間って初めてで……」


「先輩、俺は? 後輩は友達ダメですか?」


「そんなことないよ。俺の方が歳下だし」


「そーだったんですか!?」


「中途(採用)なんだからアリアリだよ」


「じゃあバディしましょ♪」


「そうだな。ありがとう」


「で、書くの?」「「書きます!」」



―・―*―・―



 もう1箇所、部屋から出るなと言われていた者が出ていて騒ぎになっているのが廃教会だった。

〈どーして出てるのよ!!〉

【エィム!! リグ兄ちゃま来て!!】


〈ウンディ知らねぇか?〉


〈ウンディはアンタでしょっ!!〉


〈前にも言ったよなぁ。ほら雪の日。

 アイドル響チャンが来てた日な。

 で、ウンディも そーゆーんだけどな。

 アイツ消えちまったんだよ。

 すぐ戻るかと思って待ってたんだが戻らねぇんだよ〉


 利幸を指導していたウンディの意思塊は、年末のキャンプー騒ぎでラピスリが抜き出し、魂尾(たまのお)アーマルの保護水晶に入ったまま、一緒に楽しく修行している。


〈アンタがウンディなんだから戻らないわよ!〉


〈いや、だから違うんだってぇ。

 ずっと喋ってたんだからな〉

〈また出とるのか〉ちょっと抜けて来た爺様リグーリ。


〈ウンディが消えたとかワケわかんないこと言うの!!

 何度も!! なんとかして!!〉


〈困った奴じゃな〉〈また出たのか……〉

ソラの両親の想いの欠片をソラの実家に届け、返却期限を延長しに職域に行っていたエィムも戻った。


〈もう追い出しちゃってよ!!〉


〈ふぅむ……〉


【いいんじゃないですか?

 もう易々と回収もされないでしょうから、祓い屋ユーレイに頼みませんか?

 しょっちゅう勝手に出てますので、僕達が留守の間に外に出てしまうより ずっといいと思うんです】


【確かにな。しかしサイ様は忙しいぞ】

多重事故の命日以降、弟子だらけになっている。


【東は? トウゴウジも強いと思いますよ】


【霊道は此処から東の街まで通していたな?】


【はい。よく此処に来ますので】


【ならば此奴の家に運んでおく。

 3日の内に自力でトウゴウジの所に着いたならば弟子としてもらいたいと連絡してくれるか?】


【はい!】行った。


〈さて利幸〉


〈おう♪ ウンディ探してくれるのか?〉


〈そのウンディはアーマルの所じゃよ〉


〈アーマル、アーマル、アーマル……そうか!

 飛翔(たかし)の指導しに行ったのか!♪〉


〈ふむ。そこが繋がったのならば此処での最終試験を行う。

 合格すれば初級は卒業じゃ。

 次の師には頼んでおる。

 3日の内に、その師の元に着け。

 それが最終試験じゃ〉


〈おう♪ けど飛翔とウンディは?

 ソッチに行けるのか?〉


〈それは上級を卒業してからじゃよ。

 飛翔も修行中じゃからの〉


〈そっか。飛翔が無事ならいい♪

 で、どっち行きゃいいんだ?〉


〈東じゃ。中級の師は東合の中央公園に()る。

 利幸の家までは連れて行くからの、その先は自力でな〉


〈行くだけか? それでいいのか?〉


〈歩いたり飛んだりしておったら死神に捕まるからの。

 工夫して行くがよい〉


〈工夫なあ……けど行くぞ♪

 早く飛翔に近づかねぇとな♪〉


〈ならば此方じゃ〉〈おう♪〉外へ。


【リグ兄ちゃま? 瞬移しないの?】


【霊道を教えんといかんからな】


【でも大丈夫? 途中で倒れない?】


【倒れたならば家に転がしておくよ】


【それがいいわね♪】



―・―*―・―



 トウゴウジへと手紙が降ってきた。


〈霊紙?〉〈神様からね♪〉

寿(よし)も来ていて一緒に読む。

〈〈利幸?〉〉中級指導はいいけど誰?


【無自覚堕神でユーレイ。

 輝竜家、戌井家、ソラと響の知り合いで、彩桜とショウとは友達。

 何故か敵神に狙われているので指導をお願いしたい】


【死神様のお知り合いですか?】


【……兄です】認めたくはないが。


【でしたら喜んで♪】【私も♪】


【ではヨシ殿は上級修行の師となって頂けますか?】


【それ、いいわね♪ 喜んで♪♪♪】


【では、お願いします】



―・―*―・―



 案の定、霊道の中程でブッ倒れた利幸はリグーリに運ばれて帰宅した。

〈困った奴じゃな。

 残りは自力で3日以内じゃぞ〉


〈ぉ……ぅ……〉


〈この家と霊道の外に出たら死神に捕まってしまうからの〉


〈……ぉぅょ……〉


 やれやれとリグーリは肩を竦めたが、(まか)り間違っても利幸が回収されないように家の結界を強化してから落書き消しに戻った。



 30分程後、利幸はムクリと起き上がった。

〈あんなの通って東の街?

 さっき通って来たのの倍近くあるだろ。

 ってコトは、誰か連れてってくれるんだな♪

 さっきも途中から運んでくれたもんな♪〉


 無自覚でも流石は力の神、復活も早いようだ。

既に(てる)が買っていてリフォーム済みだが、利幸の目には勝手知ったる我が家のままなので、先ずは風呂だとスキップして行った。







霊道の消耗の激しさは、普通霊や怨霊が入らないようにしている工夫なんです。

修行を積んで神力を高めた高位ユーレイのみが通れる道なんですよ。


さて、廃教会から追い出された利幸は無事に東の街に着けるのか?

――は、本編の通りです。



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