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身の程知らず



「なっ――」「害壁がっ!」「この光は!?」


思わず後退したナターダグラル達は、何事なのか確かめようと神眼を巡らせた。


「堕神かっ!?」「猫の女神かっ!?」

ルロザムールが確かめろと言わんばかりに配下の背を押した。


「むむむむ無理で御座いますっ!

 それよりも最高司様の御身こそ大事!

 一時退避 致しましょう!」


「確かに、な」視線を彷徨わせ「向こうに!」

ルロザムールはナターダグラルの手を取って一目散!


「お、お待ちくださいっ!」追う!!



―・―*―・―



〈クサイの動いたよ~♪

 まだトシ兄お店だけど~〉


〈あ……オレ達 見つかっちまったか?〉

〈真っ直ぐ此方ですね……私が見つかってしまったのでしょうか?〉


《そうではなさそうだ。勢いが落ちぬ。

 ……ふむ、通り過ぎたな》


〈僕達の街?〉〈かも知れんが……〉


《止まったな》〈トシ兄のお家?〉〈だな〉


《待ち伏せか……》


〈アッチにリグーリとディルムが居るから挟み撃ちだなっ♪〉


【おいオニキス! 名を出すなって!】

【俺達は名を変えずに職神してるんだぞ!】


〈え? その話し方って――〉


【禁忌じゃねぇよ! 今日 何回目だっ!】


【オレは初めてだっ!】


【あ、そっか。ま、これからはコレでなっ♪】


【だな。うん。

 ま、オレは禁忌だろーが、もう使っていいと思うんだよな。

 使わなくても追っかけられるんだから】


【確かにな。だが俺達は職神だからな。

 獣神だとバレるワケにはいかねぇんだよ。

 堂々と龍してるお前らは使えよ】


【だなっ♪ よーし解禁だ♪】

【では私も遠慮なく♪】


【あ? えっと……犬だった兄様か?】


【だよ♪ ウィスタリア兄様だ♪】


【心強い味方が増えたな♪

 この調子で もっと増やそうぜ♪】


【だなっ♪】【はい♪】



―・―*―・―



〈バステート様ぁ~〉


山を下りようとしていたバステートが振り返った。


〈どうして来たの!?

 社から出ないよう言った筈よ!?〉


〈キツネ様も お師匠様も留守だし……〉


〈確かに。護る者は居りません。

 ですが社に護られている方が安全なのです。

 帰りなさい〉


〈バステート様は?〉


〈オニキスが慌てて飛んだので確かめに行くだけです。

 力丸を護る余裕なんてありません。

 ですから帰りなさい〉


〈一緒に帰りましょ~よぉ〉


〈力丸は まだ足手纏いなだけ。

 帰って修行なさい〉


〈でも――〉〈帰りなさい!〉〈はい……〉


バステートはトボトボ戻る力丸に心の内で謝った。


 オニキスが行った先にはショウも居る筈。

 まだ会わせられない。

 だから……ごめんなさいね。


山の結界を確かめ直し、再び街に身体を向け、振り切るように下って行った。



―・―*―・―



【あ、そっか。さっき飛んだのって――】

【ウィスタリア兄様は此方の街にお住まいなのですか?

 あ、僕は末代のエィムです】


【はい♪ 宜しくお願いします、エィム♪

 父様のお家で飼って頂いております♪

 青生父様に拾って頂いたのです♪】


【龍に戻った これからは?】


【力を抜けば犬に戻ってしまいますので、まだ修行しなければなりません。

 その間はお世話になるつもりです。

 藤慈父様にもお目覚め頂かなければなりませんし】


【実はオレも犬に化けて黒瑯父様と会ってるんだ♪

 彩桜父様は山の社に通ってくれてるが、他はまだ来れねぇみたいだからな】


【ソッチはソッチで頑張ってるんだな♪】


【はい♪】【モッチロンだろ♪】

〈トシ兄お店から出たよ~♪〉


《ショウ、ウンディ達が車に乗る迄に もう1つ教える。獣神秘話法だ》


〈うんっ♪ お願いしま~す♪〉


【トリノクス様?

 人神にも出来るんですか?】


〖アーマルが重なっておるのだから出来る〗


【そっか♪ オレからも お願いします!】



―・―*―・―



 利幸と勝利は買い物を終えて通りを歩いていた。


「で、これから瑠璃に渡すのかぁ?」


「だよ。トーゼンだろ。

 明日は俺もトシも仕事だろーがよ」


「だな。じゃあ頑張れよ♪」バシッ。


「ってーなっ!

 トシん家なんかで止まるかよ。

 一緒に頼んだんだから一緒に渡すのが筋ってモンだろーがよ」


「ゲ……」


「んな顔してる場合かよ。

 時間食ったからな、走るぞ」


「だから引っ張るなって!

 行きにノタノタ歩いたからだろっ!」


「トシの足がノロいんだよっ♪」


「言ったなコノッ! バ勝利!」


「バカつったなっ! トシユ菌!」


「バカツトシ~♪ バカツトシ~♪」


「待てコノッ! ウイルス以下!」


「追いついてみろってんだ♪ バカツトシ~♪」



―◦―



〈どっちもコドモね~♪〉


〈おバカなコドモね~♪〉


〈ラピスリへのプレゼントだったのね~♪〉


〈どっちもラピスリに恋してる?♪〉


〈あ~、やっぱり〉〈ウンディって~〉


先回りしてサッと車に乗り込んだ。


〈〈身の程知らず~♪〉〉きゃははっ♪×2。



―◦―



「で、瑠璃サンどこに居るんだ?

 幼なじみなんだから知ってるんだろ?」

道連れを確保した勝利は鼻歌混じりだ。


「きりゅう動物病院に決まってるだろ」

確保された利幸はフテ腐れ気味。


「日曜もか?」


「入院してるヤツら見てるハズだ」


「そっか。大変だな」


「半分以上 趣味だから休みなんて要らねぇらしいぞ」


「趣味ねぇ……ま、瑠璃サンらしいか」


やっと駐車場に到着した。


「ほら早く乗れよ」


「電車で帰ろうかな……」


「そんならトシが買ったキーケースはトシが渡せよな」


「一緒に包んでもらったのにか?」


「俺は包み直せる。

 トシも好きに包んだらいい」


「わぁったよ! 行きゃあいいんだろ!」

乗って乱暴にドアを閉めた。


「お前、力もバカなんだから加減しろよな。

 修理代もらうぞ?」


「ケッ」


「そんじゃあ動物病院だなっ♪」発進♪



―・―*―・―



 動物病院に瑠璃は居ない。


 瑠璃は泣き続ける小夜子を抱き締め、背を(さす)っていた。


「ごめんなさい、瑠璃……戻らないといけないのよね?」


「小夜子が落ち着く迄は此処に居る」


「でも――」「気にするな」


「ありがとう……瑠璃……」



 とは言ったものの……困ったな。

 明日の午前中も、となると――〈瑠璃〉


〈青生、どうかしたのか?〉


〈明日は休みの届けを出して戻ったから病院は俺に任せてね。

 お友達の傍に居てあげてね〉


〈何故?〉


〈なんとなく……瑠璃が困っているかな?

 と思ってね。

 ここのところずっと何か悩んでいたから〉


〈そうか……すまぬな〉


〈謝らないでよ。

 夫婦なんだから持ちつ持たれつだよ〉


〈ありがとう〉


〈その言葉の方が嬉しいかな♪

 それで……どうして治癒を使わないの?

 人にも効果あるよね?〉


〈見えた、のか?〉


〈うん。瑠璃を捜していて……ね〉


〈そうか……〉


〈普通の治療だと手遅れだよね?

 だから悩んでいたんだよね?

 俺なら使うよ。大切な友達なんだから。

 もしも知られて此処に住めなくなったら引っ越せばいいだけだよね?〉


〈青生……〉


〈兄弟揃って東京でも、海外でもいいよね♪

 ねぇ瑠璃、使わないと後悔するよ?

 俺は……瑠璃が泣くのなんか見たくない〉


〈そうだな。

 明日、検査の結果を聞いた小夜子を見て判断する。

 ……私は……きっと使ってしまうのだろうな〉


〈うん。治してあげてね。

 俺達兄弟の事は気にしないでね?

 皆、一度や二度は引っ越しネタを作ってきたから、慣れているからね。

 それに、きっとまたお稲荷様が誤魔化してくださるから大丈夫だよ♪〉


〈ありがとう、青生……〉







ミルキィ&チェリーはサッと車に乗ったとしか書きませんでしたが、当然、ロックされています。

でも神なので鍵ナシでも開けて入れるんです。


もう少し修行すれば開けなくても通り抜けられるようになるんですけどね。



この物語の神は、親子でも兄弟姉妹でもただの個と個です。


四獣神、特にドラグーナの子供達は他の獣神とは接触できず、同代しか知りません。

ですので苦楽を共にした同代間での恋愛・結婚は、どうしても多くなってしまうんです。


そんな訳で、ウンディ(弟)がラピスリ(姉)に恋をしてもミルチェリ(妹達)は すんなり受け入れてしまうんです。



引っ越しネタを作ってきた輝竜兄弟の生活は第三部でお話しします。



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