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翔³(ショウソラカケル)ユーレイ探偵団1.5  外伝その1 ~探偵団の裏側で~  作者: みや凜
第三部 第31章 フリューゲル&マーズ初ライブ
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浪花でオーロ捕物帖



【あ♪ 兄貴達~♪】

彩桜は白蛇な理俱と一緒にナニワ報道の屋上に居た。


【理俱殿、申し訳ない】

兄達+瑠璃、一斉に頭を下げた。


【いや大丈夫、つーか大したもんですよ。

 身体が消せないのに尾行は完璧だし、拾知ってので奴らの素性は すっかり判明ですよ】

【えへへ~♪ 流すから輪になって~♪】



 情報を流し終えたところに狐儀が来た。

【居残っていた不穏は、もう1人を待っていただけでした】


【さっきの車だねぇ】もやもやで真っ黒~。

【不穏だらけの会議室に向かっていますね】


【集結したトコを一網打尽だなっ♪】

【うんうん♪】


【数が多いから楽観視は出来ないよ。

 長くオーロザウラと一緒だった魂だから脆くなっている。

 摘出は無理だから吸着しかない。

 でも同時に発動しないといけない破邪どころか浄化でも強過ぎるかもね】


【どーすりゃいいってんだよ】【うんうん】

【ふむ。こういう時にこそ藤慈なのだな?】


【はい。藤慈は優しい薬を作るのが得意ですから。

 藤慈、量が多くなるけど、霧状にして会議室に充満させたいんだ。

 出来るかな?】


【はい♪ 準備します♪】瞬移。


【それと、同時に試したいのが黒瑯の供与なんです。

 神力を込めた薬品なら効果があると思うんですよね。

 耐えられる限界まで徐々に上げられたらベストですね】


【ふむ。試すべきだな】

【おう♪ やってやる♪】

【俺は? 黒瑯を双璧かぁ?】


【白久兄さんは彩桜を双璧してください。

 オーロザウラを取り出せるのは彩桜だけなんですから】


【そっか。了解だ♪】【俺ガンバル~♪】


【紅火と瑠璃殿は既に敵を閉じ込めているのだな】


【そうですね。あの浄化を込めた堅固壁なら近寄れもしませんよ】


【私は領域昇華か?】


【昇華ターゲットを白久兄さんと彩桜に絞ってもらえますか?】


【やってみよう】


【それを保ちながら俺の浄化光を雷光で拡散させてもらいたいんです】


【ふむ。直接 当てない為なのだな?】


【はい。続けて、魂を補填するのに治癒を放ちますので――】


【ふむ。私の雷光にではなく青生に昇華しよう】


【ありがとうございます。

 勝手に色々と すみません】


【何を言う。青生は最も戦歴を積んでいる。

 学ばせてもらう。指揮を頼む】


【頑張ります】

【あれれ? 理俱師匠は?】


【神世に。補填用の素材新魂を貰いに行くと】


【そっか~♪】【只今 戻りました♪】

【藤慈兄かっくいい~♪】スナイパーだ~♪


【紅火兄様に作って頂きました。

 私の武器です♪】


【大っきな水鉄砲?】


【はい♪ 強力放水でも散霧でも、強さも範囲も私の意思で決められるのです♪

 それに少量の薬剤を増幅するのですよ♪】


【俺も欲しい~♪ 紅火兄~♪】【後でだ】

【ん♪ た~の~し~み~♪】


【藤慈、天井のエアコンを空洞にした。

 其処から散霧すればよい】

太い管と機械をポンポン。


【ありがとうございます紅火兄様】瞬移。


【では会議室前の廊下に】【はい!】一斉瞬移。



――5階、特別会議室前。


 そうそう人が来るような場所ではないらしく、廊下は非常灯のみで薄暗かった。

それでも、人が立っていれば見えるので、忍者達は天井に張り付いた。

【マジ忍者~♪ 背中、天井ペッタン♪】

【この衣装、オモシロ機能付きだなっ♪】


【気を抜くと落ちる。解錠完了】

紅火だけはドア前に居たが瞬移した。


【何処だぁ?】


【神眼を使え。藤慈の所だ。

 拡散に結界を利用する】

紅火はエアコンが稼働しているかのような対流を起こして浄化薬剤を降らせていった。


【領域供与! 上げてくからなっ】


 矢緒(やお)飛田(とんだ)を責め立てていた者達が苦しみ始め、逃げようと立ち上がっては倒れていった。

 倒れた者達の肌に(うごめ)く黒い染みが現れ、逃げ場を求めてか、煙のように外に出ては引っ込むのを繰り返していた。


【白久兄さん、彩桜、構えて。

 行くよ!】連れて瞬移。


【昇華煌輝、白久と彩桜に領域昇華!】

【昇華闇障暗黒、激天大闇呼吸着!!】

【いくぜバリッと双璧の極みだっ!!】


 必死で器に しがみ着いているらしい黒い染み達が引き出され、剥がされて、彩桜と白久が掲げている闇呼玉に向かって一斉に飛んだ。


【不通防壁】

【昇華光明煌輝、滅禍浄破邪雷!】

【煌輝雷擊破!!】


 紅火の防壁は倒れている者達の魂のみを護る。

それでも青生の浄化光は強いので若干は通過してしまうのを雷光がピシパシと走って体表に留めた。

そんな工夫を凝らして身体に纏わり付く悪気(あっき)を浄滅した。


【青生にも領域昇華】

【【回復治癒】♪】【双璧♪】


オーラマスクス(オーロザウラ)の魂片は全て闇呼玉の中。

なので黒煙のような不穏は もう発生しない。


 浄化薬剤で清々しくなり、明るさが増したように思える会議室には倒れている者達と、隅で縮こまって震えている矢緒と飛田。

「「ままままマーズ?」」ガクブルガクブル。


テーンと寄った白狐が白儀に。

「「化けよった!?」」


「稲荷神を知らないのですか?

 相変わらず失礼な方々ですね。

 折角 助かった命が惜しいのでしたら、この事は記事にしないでくださいね。

 忍は影。

 世の陰で動かねばならないのですから」


「もう終わったのか。

 兄様、補填するぞ」「「ヒイィィイ!!」」

唐突に現れた、どう見ても死神が寄って来た。

「ん?」


「理俱、死神にしか見えないからですよ」


「仕方ないだろ。

 上に行くには死神するしかないんだから」

三日月鎌を頭上でブンブン回す。


「誓って書かしまへんさかいに!」

「どーかお助けくださいっ!!」拝む!×2。


「神に誓った事を(たが)えたなら、ソッコー連れてくからな」三日月鎌ギラン☆


「「ハイハイハイッ!!」」拝みペコペコ×2。


【補填、完了しましたよ】

【退却しよう】【はい!】一斉返事で瞬移。


「空調が故障して急に暑くなって倒れた。

 ってシナリオでヨロシクな♪

 これからは真面目に生きろよ」

複数の足音が迫っている。

ボワッと炎を放った理俱はニヤリとして消えた。


「ゲ……マジでアツ……」「ホンマやな……」


バンッ! ドアが勢いよく開いた。

「熱っ」「副社長!?」「専務!?」

「救急車!」「とりあえず廊下へ!」


どうにか立ち上がった矢緒は窓を開けた。

「こんな寒いのになぁ……」「せやなぁ……」


「飛田達は大丈夫なんか?」


「まぁ、はい。けどナンで来てん?」


「火災報知器が鳴ったんや。

 警備員が5階や言うたから来てん。

 この部屋しか明るなかったしな」


「確かになぁ。火事か思うたわ」


「社長と副社長と専務の他は?」視線は矢緒に。


「西邦新聞の矢緒です。

 ウチの副社長と編集長、それと後輩記者の平方(ひらかた)片野(かたの)ですわ」


「天罰か……」ボソッ。


「確かに……」「せやな……」こっちもボソッ。



―・―*―・―



「やっと帰ってきた~」


着替えて居間に行くと心太が居た。


「後片付けやら反省会やらあったからな」

白久が向かいに座る。


「けどフリューゲルは帰ってたぞ?

 で、青生兄さんと彩桜は?」


「鳥忍は片付ける物が多いんだよ」


「あの羽、欲しいな~」


「マジで忍者修行して上忍になれたらな」


「ケチ」


「あのなぁ、着けたら飛べるってモンじゃねぇんだよ。

 シッカリ訓練しねぇと命が幾つあっても足りゃしねぇんだ」


「やっぱ そーゆーもんか。

 そっか。マジ忍者かぁ。

 あ♪ 分身の術が見たい♪」


「分身の術ってのはアレだ♪」


白久が指差した方を見ると、食事を運んで来た黒瑯とリーロンが居た。

「「ん?」」


「うわ……マジ分身の術だ……」「だろ♪」


〈〈白久兄ナニ言ったんだよ?〉〉

〈ま、気にすんなって♪〉


「俺もご飯~♪」「わわわわっ」

嬉しさ爆発状態でサーロンを引っ張って来た。


「彩桜も分身の術!?」


「うんっ♪」〈彩桜っ!?〉「ご~飯~♪」


「それぞれが動くんだな。うわ、超絶美人!」


「ん?」「は?」

戸口で青生と瑠璃が立ち止まった。


「青生兄 瑠璃姉コッチ~♪」


「彩桜! お姉さんも居たのか!?」


「瑠璃姉、青生兄の奥さ~ん♪」


「……勝ち目ナシかぁ……」ガクッ。

「それにしても……」

キョロキョロした後、白久をジッと見る。


「ど~したぁ?」


「やっと顔が見れたんだよ。

 ずっと隠してたろ」


「そりゃあ忍者だからな♪

 それにソックリ過ぎで珍獣扱いされるのが常だからなっ♪」


「そっか♪」あははは♪


「下手したら地星外生物扱いだからな。

 隠しとくのがイチバンなんだよ♪」


「確かになっ♪」「お兄ちゃん!」

「心愛どーした?」


「皆さん疲れてるのにワガママしないの!」


「心愛こそ、いつもワガママだろ。

 ぬいぐるみだって俺に買わせたろ」


「他の予約したもん。自分で買うもん。

 それよりジャマだからアッチ行くよ」


「引っ張るなって。行くから」


「うん♪」「はい♪ あげる~♪」

「え? あ♪」


「競走馬バージョン試作品~♪」「ありがと♪」


「心愛こそ迷惑だろ」「そんなことないもん!」

「あ~、はいはい。ったく~。

 彩桜、悪いな。ありがとな」


「試作品だからいいの~♪

 お話、明日ねっ♪」


「おう♪ そんじゃ、おやすみなさい!」

サッと礼をして、大喜びな妹を連れて居間を出た。



「お兄ちゃん、甲斐で見なかったの?

 運営事務所に揃ってたじゃない」


「あ~、あン時かぁ。

 オッサン達 睨むので忙しかったんだよなぁ」


「でも青生さんと彩桜くんは見たよね?」


「大小同じだとは思ったけどな。

 その後ずっとゴーグルだったし、競技に必死だったから飛んじまってたよ。

 それに兄弟全部同じだなんて思うか?」


「そう言われるとね~。

 だから私、運営事務所でファンになったのよね♪」


「そんな早くから!?」


「うん♪ これからも追っかけるもんね♪」







捕物帖って程の大騒ぎにはなりませんでしたが、知恵と工夫でササッとオーロザウラを捕獲しました。

鳥忍達が居間に行くのが遅れたのはカリーナ火山に行っていたからです。



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