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黄土での救出劇



 3台の高級車を浪花府に運んだ輝竜兄弟は青生の部屋で待機していた。


【此方も暗くなった。

 親玉の近くに かなりの数を集めている。

 そろそろ頼む】

大陸の瑠璃から連絡が入った。


【白久兄さん抜きで大丈夫かな?】


【仕方無かろう】【運転、代わるわね♪】


【みかん姉ちゃんが!?】


【ちゃんと免許は取ってるわよぉ】失礼ねっ。

【でしたら私も交替要員として♪】

【若菜ちゃん助かるわ~♪】


【それじゃあ、お任せして俺達は行こう】


頷き合った兄弟は円陣を組んで瞬移した。



――【瑠璃姉と理俱師匠~♪】おんぶハグ♪


【俺にかよ! 子泣きジジイかっ】


【だってぇ、瑠璃姉にハグなんてしたら青生兄に怒られちゃう~】


【緊張感ブッ壊しだろ!】


【緊張感ダメでしょ~♪】


【あ~確かになっ】ったく~。


【終わったら沙織さんトコ行ってあげてね♪】


【どうかしたのか?】


【今日お店お休みだったの。

 来てたみたいなの~】残り気あったの~♪


【で?】


【会いに来たんだと思うの~】


【……終わったら行くよ】


【うんっ♪】


【で、背中のはユキだろ?】


【うん♪ 一緒にボンボとミソ助けるの~♪】


【そっか。彩桜、しっかり護れよ】【うん♪】



―・―*―・―



 みかん(マンダリーヌ)若菜(フレシャリス)はバスの上空から白久に話し掛けた。

【白久さん、次のサービスエリアに寄ってもらえる?】


【おう♪ どうかしたのかぁ?】


【運転、交代するわね♪

 皆さん大陸だから】


【俺なんか必要なのかぁ?】


双璧(そうへき)は とても強い神力なの。

 白久さん抜きの戦いなんて考えられない。

 連れてくから思いっきり戦ってね♪】


【おう♪】サービスエリアへの道に入った。



 休憩だと皆が降りたが、最後列の端に1人だけ爆睡して残っていた。

【この人……】若菜が寄って手を翳した。

【なんだか不穏ね】みかんも寄った。


【ソイツはミツケン横の来光商事の御曹司なんだがな、どうやら長~~~~く禍を浴びてたらしいんだ。

 青生と彩桜が口を揃えて禍チョイ手前の不穏禍(ふおんか)だと言ったんだよ。

 ただし浴びてたと言っても日々で言うと僅からしくてな、大元が持つ悪神の欠片も小さなモンだろうと言うんだよ。

 俺も不穏の違和感くらいは感じてたんだが、欠片を抜いた後の残気だと思ってたんだ。

 アイツらマジでスゲーよ】


【確かに魂片はありませんね】神眼で確認。

【なんだか……可哀想ね】


【あとは育てられ方がなぁ。

 ま、そう考えりゃ可哀想か。確かになぁ】


【うん……】【そうですね……】


【大陸のが終わったら青生に もっと詳しく調べてもらう。

 明日は来光寺会長とも話すしな。

 解決するつもりだから不安がるなよな】


【うん】【だから治癒眠なんですね】


【【ん?】】


【ただ眠っているのではないんです。

 青生さんが眠らせてるんですよ。

 彩桜君の浄破邪も感じます】


【若菜ちゃんも凄いわね♪】【だよな♪】



―・―*―・―



 白久は兄弟と合流してすぐに、青生と彩桜に その話をした。


【暴れていましたから眠らせましたよ】

【禍の気、漏れてたから浄破邪した~】


【やっぱ そっかぁ。スッゲーなぁ】


【白久兄さんの双璧は使いようで最強になれるんですよ】

【うんうん♪ すっごいの~♪】


【スッゲーお前らに言われてもなぁ。

 けど俺は修行しまくるからなっ♪】【来る!】


サッと臨戦態勢に!


〈ボンボ!?〉ユキが身を乗り出した。

〈うん。ボンボは潜入して連れて来てくれてるんだ。だから敵なフリ。

 乱闘なったら連れて離れるからね♪〉

〈うん♪〉



 先頭のボンボが達し、次々と堕神獣vs獣神の戦いが始まった。

彩桜はボンボの前に行き、浄破邪で包んで

【昇華闇障、激天闇呼吸着!】

支配コミコミ闇の神力を闇呼玉に吸着した。


〈ボンボ!〉〈ユキボンボ♪〉ヒシッ♪


〈ボンボ、スパイお疲れ♪

 あの結界の中で待っててね♪

 仲間どんどん増えるから♪〉


〈サクラ、スパイ、なに?〉


〈カッコいいの~♪

 ボンボ、カッコいい~♪〉

話しながら保護結界の方へ。


〈オイシイ?〉


〈うんうんオイシイ♪〉

入ってもらった。

〈ミソ助ける~んるん♪〉



 全ては紅火の堅固の内。

金錦の領域昇華と黒瑯の領域供与に包まれて、兄弟各々色の術破邪と浄破邪が輝き煌めく中、青生 瑠璃 彩桜が光明と闇障を駆使して魂片を抜き、支配を解いていく。


 白久は色々と試した末、彩桜と組んでの青生と瑠璃が協力し合っている真似事に落ち着いた。

【白久兄、大技トキだけだよ?

 チョコマカ真似てたら倒れちゃうからぁ】


【任せとけって♪ ゲキアマん時だけだろ♪】


【うん♪ いっくよ~激天(げきあま)闇呼(あんこ)吸着!】

彩桜の闇呼玉を一緒に掴む。【双璧!】


【一気に入る~んるん♪】【だなっ♪】


【彩桜、こっちに向けて!】【うん♪】


【面白ぇなっ♪】【うんうん♪ ぎゅい~ん♪】


【【夢幻爆眠!!】】

堕神獣達は全て丸まって眠った。



 兄弟がボンボとユキが居る結界に獣達を運んでいると人らしい気に囲まれた。

夜空に浮かぶ真上の男(黒いシルエット)が鈍く光る赤い瞳で兄弟を睨む。

〈おのれ儂の可愛い子供達をよくも――〉


〈ぶつぶつ言ってにゃいで入ればぁ?〉


〈なっ――生意気な小童(こわっぱ)めが!!〉



〈って、なんにもしにゃいのぉ?〉


〈術の邪魔をするなっ!!〉


〈話しかけられただけでダメなんだ~♪〉


五月蝿(うるさ)いわ!!〉


〈面白いから待ってあげる~んるん♪〉

【周り12人だねぇ】【上のが親玉かぁ?】

【そぉみたい】【ん? 青生 紅火、何して――?】


白久が言い掛けた時、堅固がグッと拡がって支配されている人達を取り込んだ。

【白久兄いっくよ~♪】【おう!】


【【昇華光明煌輝、滅禍浄破邪輝雷!!】】

 【昇華闇障暗黒、激天大闇呼吸着!!】

 【ラスト1発♪ 喰らえ双璧だっ!!】


絶叫、響き渡る――

【【魂核摘出完了! 昇華夢幻治癒眠!】】

【昇華光明煌輝、滅禍浄破邪大っ輝雷!♪】

――静かになった。


【浄滅しに行きますので器とされた方々をお願い致します。

 青生、行こう】【うん】手繋ぎ術移。



「っ……」くらり――

「ほえっ、白久兄!?」支えた。


「あ~~使い過ぎた~」あははは。


〈彩桜、連れ帰ってもらえるか?〉〈うん〉

〈後は運ぶだけだ。回復治癒を頼む〉〈ん〉

〈リーロンが帰ってるから食えよ〉〈ん♪〉

〈もう彩桜も休んでくださいね〉〈うん♪〉

人も獣も運び終え、保護結界を球状にした紅火が手を当てると、他の兄達も獣神達も手を当ててキツネの社へと瞬移した。


〈彩桜……すまねぇな〉〈言わにゃいのぉ〉

見届けた彩桜は白久を背負って家に瞬移した。



―・―*―・―



【兄貴達だ~い好きっ!!♪】



【こんな所まで届くなんて……】くすっ♪


【青生だからこそ、なのだろう】ふふっ♪


青生と瑠璃(ラピスリ)は間も無くアミュラの結界だった。



―・―*―・―



「白久兄お疲れ~お休みね~♪」回復治癒~♪

〈あのお兄さんの治癒眠も足しとくね〉


〈ああ。アレコレすまねぇが頼む〉


〈いいからぁ。もぉ寝て~〉回復強め治癒眠~。


白久が眠ったのを確かめて、彩桜は秀が寝ている部屋に行った。



―・―*―・―



〖またワンサカ運んで来おったな〗

ビシュヌに続いてブラフマーとシヴァも現れた。

〖治癒のお手伝いをしましょう〗〖だな〗


 キツネの社は、また満員御礼状態。

保護結界から出した大小の獣達と13人を横たえて獣神達は一斉に治癒を当て、重ねていった。


【金錦、そろそろ休め。

 弟達も連れ帰り、休ませよ。

 皆は人なのだからな。

 主要な者か、オーラタム様が目覚められたなら知らせる(ゆえ)


【はい、ありがとうございます。

 お稲荷様もご無理をなさいませぬよう】

微笑んで、治癒術を唱えている弟達に声を掛けると、一緒に瞬移(きたく)した。



―・―*―・―



【オニキス師匠、にゃ~にしてるのぉ?】


【ん? 夜食か?

 黒瑯が帰っただろ】


【じゃにゃくてぇ、お兄さんの中に居たら危ないでしょ】


【あのなぁ、神ナメんな。

 オレはシッカリ防護してるよ。

 この浸透具合は内からも浄化するしかねぇんだよ。

 彩桜は外から頼む】


【瑠璃姉に頼まれたの?】


【だよ。だから先に戻ったんだ】


【瑠璃姉が言ったんなら俺ガンバル~♪】


【おい】


【光明煌輝、滅禍浄破邪の人用♪】【うわあ!】


【どしたのぉ?】【イキナリだろっ!】

【オニキス師匠が外からも言ったよ?】

【っせーよ!】【外から終わったよ?】

【1発でかっ!?】【確かめてよぉ~】

【・・・マジか。マジだな。うん……】

【オニキス師匠、終わらにゃいのぉ?】

【ウッセー!!】


【彩桜、俺達と交代だよ。休んでね】【あ♪】

【オニキス、彩桜に夜食を頼む】【お、おう】


【青生兄 瑠璃姉おっ帰りなさ~い♪】


【彩桜、行くぞ】出してもらった。


【そっか~♪ 出られなかったんだ~♪】

【ッセーよ!】【リーロン早く夜食~♪】

彩桜が引っ張って台所へ。



【私が内から浄化しつつ外にも押し出す。

 情報も拾ってくれ】


【うん、任せて♪】


瑠璃はフッと笑って秀の魂内に入った。


【瑠璃?】


【楽しそうにしていると彩桜と同じだと思ったまでだ】


【魂が双子だからね♪】


【そうか】ふふっ♪

【ところで彩桜の光明を引き上げたのか?】


【うん。ガネーシャ様から習ってね。

 ハーフパイプの練習をしながら上げ合ってみたんだ。どうかな?】


【完璧だ。流石 双子だな】


【ありがと♪

 瑠璃も彩桜と闇障を引き上げ合ってね。

 アミュラ様がドラグーナ様譲りだとハッキリ仰ったんだから】


【そうだな。私も使えるようにならねばな】


【気負わず、楽しくね?】


【そうだな。闇系神力の中でも闇障は特に明るさが必要だと仰ったな】


【うん。彩桜にピッタリだよね♪】


【そうだな】ふふふっ♪







スノーボード競技会は終わりましたが、開会式で現れたユキからの依頼でもありますので、この章のラストに加えました。


ボンボ達は無事に連れて帰れましたが、問題は秀坊っちゃんです。

どうやら誰かからの禍(不穏禍)をずっと浴びていたようですね。


次章は、その解決に向けて、白久を中心に輝竜兄弟が動きます。



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