表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
473/870

スーパーセレブな輝竜家



 翌早朝。


「うわわわっ! 俺 寝坊!?

 サーロン!? もぉ行っちゃった!?

 えええっ!? お社!?」


「落ち着け彩桜」「どして紅火兄!?」


「昨夜の記憶は?」「あ! そっかぁ」


「無事か?」「うん。大丈夫みたい~」


「十分、間に合う。

 説明は青生が目覚めてからだ」


「じゃあ俺、犬のお散歩 行ってくる~」瞬移。



――〈サーロンおはよ♪〉


 彩桜の部屋の共有部分にサーロンは居た。

早朝飯1も運んでくれたらしい。

〈おはよ。どこ行ってたの?〉


〈お稲荷様トコ~♪ いっただっきま~す♪ 

 ドラグーナ様の潜在能力が俺と青生兄に分かれて入ってたの。

 だから発動ムリで~、知恵の大神様達に発動できるよぉにしてもらったの。

 でも俺、寝てたから何したのか知らないのぉ〉


〈昨日ガネーシャ様に連れてかれたのも?〉


〈うん。

 俺の周り飛んでて見つけて~、でも鍵が見えないって青生兄の中 探したの。

 そしたら鍵も見つかったの~♪〉


〈どんな力?〉


〈知らにゃいのぉ〉


〈それも寝てたから?〉


〈えっとね、見つけて自分で開かないと使えないんだって~。

 見つけたら俺も使えるんだって~♪〉


〈青生先生は?〉


〈おんなじ~♪〉


〈って、写しを交換とか?〉


〈そぉかも~♪ ごちそ~さま♪

 お散歩しながら話す~♪〉


〈そうだね。行こう♪〉



―・―*―・―



〈あ……紅火〉起き上がった。


〈青生、記憶は? 大事無いか?〉


〈うん。眠らされるまで途切れていないよ。

 紅火は寝ずに見ていてくれたの?〉

回復治癒で包んだ。


〈彩桜の寝言で楽しんだ。

 だから問題無い〉フフッ。


〈今度は、どんな?〉


〈人が全てヒトデな海底で楽しく普段通りだ〉


〈じゃあ俺達も?〉


〈そうらしい〉


〈海底ね……次は宇宙にでも行くのかな?〉


〈かもな。

 兎に角、無事で何よりだ〉


〈ありがとう。病院に戻るよ〉


〈ふむ。彩桜が行ったなら説明する〉


〈うん。少しでも休んでね〉瞬移。



――〈瑠璃♪〉


〈無事らしいな。お帰り〉


瑠璃へと瞬移すると入院室だった。


〈お稲荷様と仲直りした?〉


〈納得してくれたらしい〉ふっ♪


青ドラグーナが浮かぶ。

〈ラピスリもオフォクスと一緒に中神力を集めてね〉


〈解っております〉ふふっ♪


〈笑っているからいいけど、青生もシッカリ見ていてね?

 俺の子の中で一番の無謀者だから〉


〈はい♪〉〈父様! 青生!〉


ドラグーナと青生が笑う。

話し方や声が似ているのは常日頃 感じているのだが、笑い方までもが区別が難しいと気付き、瑠璃も笑ってしまった。



―・―*―・―



 すっかり陽が高くなった頃――


「ん? 白久、居たのか」

金錦が居間のドアを開けると、炬燵エリアで白久が寝転がっていた。


「坊っちゃんは来週からだと。

 南渡音の病院話も落ち着いたしな。

 兄貴こそ居間に来るなんて珍しいじゃねぇか。

 どーかしたのかぁ?」


「来客を待とうと思ってな」


「ウチに客なんて珍しいな♪」


「最近、来客は多いと思うのだが?」


「あ~、だったな♪ で、誰が?」


紗桜(さくら)家の皆様がいらっしゃる」


「紗桜部長が兄貴に!?」


「白久も居てくれるか?

 昨日の事情聴取に続いて私とだが」


「兄貴と一緒ってのに問題なんかあるかよ。

 兄弟の中で一番 付き合い長いんだからな♪」


「確かにな」フフッ♪


玄関チャイムが鳴り、彩桜が出迎えている声が聞こえる。


「サーロンの声がしねぇな。

 そっか。ソラに戻って離れの響チャン達を迎えに行ったのか」


「神眼も不自由なく使えるようになったのだな?」


「おうよ♪ けど、まだまだ修行中だ♪」


「ど~ぞ入ってく~ださい♪」

「お姉さん、響。入って」

玄関側から紗桜部長(あきふみ)を先頭にぞろぞろ。

北の渡り廊下側からソラと姉妹が入った。


「ご自由に座ってく~ださい♪」

見覚えのある人物とセレブ確定な居間に驚き、入口で立ち(すく)んでいる克典の背を彩桜が押してソファの方へ。


「すっご~い♪」「お金持ち~♪」「もうっ」

大喜びな娘達を母が隅に連れて行って(たしな)めている。


最後に入ったメグルがピシッと礼!

「紗桜 (めぐる)です!

 よろしくお願いします!」


「緊張しなくても大丈夫だ。コッチ来い♪」


「はいっ!」



 挨拶やら自己紹介やらが落ち着いたところに、リーロンが茶と菓子を運んで来たのでソラと彩桜も配るのを手伝った。

 その最中に北東側のドアが開いて『あっ』と小さな声が聞こえた。


「遠慮せず空いてる所で(くつろ)いでくれ♪

 喫茶店と同じだと説明したろ?」

ドア近くに居た白久には誰なのかが見えたらしい。


 再び遠慮がちにドアが開――「徳示(あつし)さん!?」


「やはり紗桜さんでしたか。

 お久しぶ――」「徳示さぁぁぁあん!!」

克典に抱き着かれて徳示は苦笑するばかり。


「ええっと、つまりタキ電機の?」

晃典から白久へ。


「はい。

 暫くウチで暮らして、ミツケンで設計士として働きたいそうです」ニコニコ。


「そうですか。おい克典、今日は別件だろ」


「けど兄さん、とにかく謝らないと!」


「そんな必要は全くありませんよ。

 全て白久さんから伺いました。

 ご兄弟であっても彼女と紗桜さんは別です。

 僕にとって紗桜さんは新人の頃お世話になった先輩です。

 どうか頭を下げないでください」


「ですが――!」

「お父さん、落ち着いてよ」

「「なんだか迷惑ぽいし~」」


「克典。後で、改めて、だ」

兄、『この場で全て話す気か』と視線に込める。


「そ、そう、ですね……」


「ま、逃げやしませんから今は そっとしといてあげてください」

立ち上がった白久が間を割って、徳示には『奥へ』と手で示し、まだ廊下な麗楓(れいか)にも『どうぞ』と示してニッコリ。



「あ……もしかして……」

元の席に戻った時に姿が見え、呟いた克典が視線だけで追う。


白久も席に戻る。

「ええ。引き離されていたお二人は、ようやく幸せを掴み直したところなんです。

 双方、お家の方々にも認めて頂いて、巣立っていらしたんですよ。

 式は先なんですけど、入籍だけは済ませたそうです」


麗楓が向いて優雅に微笑む。

「全て輝竜さんのおかげです。

 私達、龍神様に救っていただきました♪」

「あっ、僕は紗桜さんにもです!」


「ま、そのお話は後程」

白久が双方に微笑む。

「それで、今日は?」


「弟一家は竜ヶ見台に住んでるんですけどね、今6年生の(めぐる)君が――」

「僕、中渡音第二中学校で勉強したいんです!

 歴史研究部に入りたいです!」

立ち上がって宣言!


「彩桜~、新入部員だぞ♪」「うんっ♪」

少し離れていた彩桜が金錦と白久の間に座った。


「我が家は大歓迎ですが、お父様は?」


「見て知ってからと考えていましたが、輝竜さんの素晴らしさ、よ~く分かりました。

 どうか息子を宜しくお願いします」

「「良かったね」~♪」「うん♪」


「彩桜、部屋どーする?」


「今サーロンが居るトコ♪

 俺、寂しくなっちゃうもん」

【一緒に瞑想修行しよ~ねっ♪】【はい♪】


「そっか。そんじゃあ――」玄関チャイム鳴る。


 すぐに玄関側のドアが開いた。

「「ただいま戻りました♪ あっ!♪」」

お嬢様達が麗楓に抱きついた。

「「麗楓お姉様!♪」」


八郎が戸口で苦笑している。

「お騒がせして すみません」


「気にしない気にしない♪」

紗桜兄弟に向き直る。

「ウチ、大所帯なんですよ。

 喜んでいるのが秋小路 清楓さんと松風院 彰子さん。

 と、彰子さんの婚約者の猪瀬 八郎君。

 麗楓さんは清楓さんと彰子さんのご親戚で、つい先日まで春日梅さんだったんですよ」


「「まさか……財閥御三家……?」」

ひきつる紗桜兄弟。


「です♪」ニッコリ。


「確かにセレブだよな……」居間をまじまじ。

「おい、恥ずかしいからキョロキョロするな」

「それならそうと教えといてくれよなぁ」

「輝竜さんなら確かだし立派だと言ったろ」

囁き合う紗桜兄弟。


「古くて大きな家に住んでるってだけで、俺達は一般庶民ですよ」

「誰が庶民だって?」

白久は頭を後ろからツンツンされた。

「んあ? あ~、宮東先輩も家西もテキトーに寛いでくださいよ~」


「「宮東先生♪ ご遠慮なさらないで~♪」」

「家西先生も、こちらにどうぞ♪」


「「先生?」」


「学校の、ではありませんよ。

 お医者様です♪」麗楓にこにこ。


「うわ……」「これはまた凄いな……」

「おや、今日は賑やかですね」


「あ♪ 狐松先生、来年度の新入部員~♪

 メグル君♪ 部活顧問の先生~♪」


「あっ! 紗桜 翔です!

 よろしくお願いします!」


「はい♪ 宜しくお願いしますね」


「後ろが、櫻咲の狐松教頭先生♪

 で、前の顧問で教頭先生だった白儀社長♪」


「櫻咲高校!?」「社長さん!?」


「「ただの居候ですよ」」

狐儀の分身達は炬燵エリアへ。


 昼が近づいたので同居人達が集まっているのだった。

そのまま昼食会になり、最終的には呼び集められた輝竜兄弟が並ぶに至った。


〈響、大丈夫?〉


〈うん……大丈夫みたい。

 あったかい場所だね……〉


〈うん。居心地いい場所だよ。

 ボク……明日おばあちゃん家に行くよ。

 頑張ってみる〉


〈1人で行くとか言わないでね。

 一緒に行きましょ〉


〈ありがと〉







清楓と彰子にとって麗楓は叔母ですが、つい最近まで未婚だったので『お姉様』なんです。


青生も彩桜も、紅火も無事で良かった~です。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ