表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
翔³(ショウソラカケル)ユーレイ探偵団外伝  作者: みや凜
第三部 第1章 初めての友達
184/870

キツネの社に集まれ



【オニキス師匠~?

 どこ行っちゃったのぉ~?

 お散歩なのぉ~?】


徹とソラが帰った後、夕暮れが迫る庭で彩桜はオニキスと犬達を捜していた。


【彩桜、社に来いつったろーがよ?】


【お稲荷様じゃなくてオニキス師匠が呼んでたのぉ?】


【だよ。早く来いよ】【ん♪】


【あ、まだ家ならシャイ――じゃなくて姫も連れて来てくれ】


【は~い♪】



―◦―



「み~んな集まってどぉしたのぉ?

 お稲荷様は?」


「出掛けたらしいんだよ。

 でな、騒ぎは山から始まったらしいんだ。

 庭の奴らもソレ聞いて騒いでたんだ」


「ソレで俺待ちしてたの? ナンで?」


「彩桜、つーか父様と話したかったんだと。

 最初にモグラを正気にしたのが彩桜の中の父様だからな」


「モグラさん絡みなの?」


「ああ。

 モグラ、死神に連れてかれたろ?」


「うん。成仏するんだよねぇ?」


「どーだかなぁ。

 だから死神してる仲間も待ってるんだ」


「どーだかって……地獄とか?」


「かもなぁ……」


「ソレ知って みんな騒いでたの?

 でもナンで?」


「モグラ、最近だけじゃなく過去にも時々マトモだったらしくてな、けっこう世話になった奴らが居るんだと。

 で、人で言うなら署名活動的な? ナンかそんなコトして助けたいんだと」


「俺もモグラさん助けたい!

 ドラグーナ様、起こしてみる!」

座って目を閉じた。



「して、ワラワには何用じゃ?

 ワラワはモグラとやらとは関わっておらぬぞ?」


「ああ、シャイフレラに会いたいって――」

〖姉のサリーフレラじゃ♪

 オニキスを婿とするのじゃ♪〗

「ソレはいわなくていいっ!」


「姉上じゃと!?」


〖然様。離されて育ったが、父上はシルバーンとコバルディ。

 正真正銘シャイフレラの姉じゃ♪〗


「然様か♪

 して、姉上は何処(いずこ)に?」キョロキョロ。


「ああ、此処だ」水晶玉を出して渡した。

「捕まって保魂域に居たらしい」


「姉上ぇ~、お痛わしや……」撫で撫で。


〖身体を取り戻すまでの辛抱じゃ♪

 オニキスも協力してくれるからのぅ♪〗


「然様か♪ オニキス、姉上をお頼み申す」


「ま、頑張るけどな、黒瑯の父様も目覚めさせねぇといけねぇからな」

〖ワラワも共に力を尽くそぅぞ♪〗

「姫は自分のに集中してくれよなぁ」


「仲良さそぅじゃの♪」〖当然じゃ♪〗


「オニキスもとうとう結婚するのですね」

梅華(メイファ)と寄り添っている狐儀(フェネギ)が笑っていた。


「フェネギなぁ――あ、それよか、山の皆は落ち着いたのか?」


一先(ひとま)ずは、といったところですが」

【今、行っていいですか?】


【エィムか?】


【はい。チャムも一緒です。

 リグーリ様とハーリィ様は、夜遅くにロークス様とラナクス様をお連れくださるそうです】


【すまなかったな。とにかく来てくれ】


【はい】チャムと手を繋いで現れた。


オニキスは もう一度 説明し始めた。



―・―*―・―



 ミュムはリリムと永遠の樹で会っていた。


【まだプラムと会えていなかったの?】


【昨日、夜に部屋に行ったら留守だったの。

 今日は ちょっと仕事が……ミュムは?】


【昨夜 会えたよ。その頃に行ったのだね?

 それなら今から行けない?】


【そうね……仕事は明日にするわ♪】


【行こう】【ええ♪】



―◦―



 一旦は保魂域に行ったが、永遠の樹の方が良いとプラムが言ったので、集まり直した。


【プラム!】リリムが抱きしめる。


【心配かけてしまって、ごめんなさい。

 でも、もう本当に大丈夫なの。

 昨日エィムとチャムさんにも会って、おめでとうって言えたわ】


【大丈夫って……無理していない?】


【私ね、ミュムとリリムより先に結婚するかも……】頬を染めた。


【えっ? どういうこと?

 まさかヤケになってない?】


【エィムよりずっと素敵な方に出会えたの♪】


リリムはプラムの穏やかな笑顔を見て、本当に幸せなのだと感じた。


【そうなのね。良かった……あ、ミュムは何方なのか知っているの?】


【うん。昨夜、一緒だったからね】


【もうっ、教えてよぉ~】


【うん。呼んだから待ってね】【【えっ】?】



 少し待つ。



【エィム、何事――あ……】徐々に真っ赤に。


【ハーリィ様、リリムはずっとプラムを心配していたのですから】

師の背を押してプラムと並べた。


【ふむ……】

言葉を探しつつ、プラムと微笑み合う。


【もう十分なんだけど……】

リリムが苦笑しつつ肩を竦めた。


【そう言わずに聞いて貰いたい。

 私はプラムと共に生きると決めた。

 獣神狩りは終わったが、それは出発点にしか過ぎぬ。

 堕神とされた仲間、封じられている仲間を神に戻し、父達を四獣神に戻すまで、私達の闘いは続く。

 その長い道程(みちのり)を共にと誓い合ったのだ。

 プラムの兄姉として、ふたりも共に。頼む】


【僕は、これまで通り弟子ですので。

 当然、ずっと付いていきますよ。

 お邪魔にならない程度に、ですけど】


【はい♪ 私も共に、お願いいたします♪

 プラム、本当に幸せを掴んだのね♪

 おめでとう♪ ……でも、いつの間に?】


【夜中に中庭で泣いていたら偶然いらしてくださって、思いっきり泣かせてくださったの。

 最果ての向こうの草原で、風を感じて、空を眺めて……陽が沈むまで話したの。

 それで……十分だと思わない?】


【十分過ぎるわね♪

 ハーリィ様、妹をお願いいたします】


ハーリィは言葉より遥かに雄弁な眼差しに強く想いを込めて感慨深()に頷いた。


【では、皆は先にオフォクス様のお社に行って貰いたい。

 私は夜が更け人神達が眠るのを待った後、ラナクスと共に向かう】


【何かあったのですか?】


【集まれと言われた。

 エィムも行っただろう】


【ロークス様は?】


【リグーリが知らせ、待っている筈だ】


【では僕達は先に。リリム、行こう】


【ええ】【私も!】


【プラムはハーリィ様とでは?】


【お邪魔?】


【そうではないけど……】ハーリィを見る。


【昼間、オニキスの声をルロザムール様が拾ったのだが、敵神が近くに来ていた為にオニキスも詳しく話せず去り、ルロザムール様も龍には気付いていない振りをするしかなかったそうだ。


『潜入中の仲間をキツネの社に集めてくれ』ただそれだけだったそうだ。

 呼ばれた目的が分からぬ状況だ。

 敵神に感知されれば危険極まりない。

 故に可能な限り早く行動すべきだ。

 プラムを頼む】


【解りました。行こう】【【ええ】】



―・―*―・―



 くらりとした彩桜が倒れかけて止まり、姿勢を戻した。


〖オニキス、神世の皆が揃う迄は眠らせてもらうからね。

 ラピスリと青生にも伝えたからね〗


そう言って微笑んだドラグーナの気配がスッと消え、彩桜の元気な笑顔になった。


「俺、眠らなかったよ♪」


「そっか♪」


「金錦兄、東京に戻っちゃったと思うけど紅火兄と藤慈兄なら呼べるよ。呼ぶ?」


「ん~、夜中に呼ぶかもって連絡しといてくれるか? 白久と黒瑯の寝待ちだと」


「ん♪

 あれれ? 姫姉ちゃん、水晶とお話し?」


「あ~、うん。彩桜の仲間だ♪」


「そっか~♪ 他の姉ちゃん達は?

 瑠璃姉みたいな感じ?」


「知ってたのか?」


「なんとな~く。

 でも最近なんだけどねっ」


「そっか。皆、神が入ってるよ」


「ん♪ 仲間い~っぱい♪

 神様って集まりたがるの?」


「神もボッチは寂しいんだよ。

 だから引き合うんだ。

 で、惹かれ合うらしい」


「そっか~♪」







徹とソラは帰ってしまいましたがモグラも彩桜の大切な友達ですので、この章として続けます。


堕神達もモグラを助けたい。

視線外しとかを教えてもらった死司神達も、きっと同じ気持ちでしょう。



サリーフレラとシャイフレラ。

ソックリ姉妹は案の定、意気投合しています。

黒瑯とリーロンもソックリ。嫁達もソックリ。

もう区別なんて……どうでもいいです(苦笑)。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ