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翔³(ショウソラカケル)ユーレイ探偵団外伝  作者: みや凜
第二部 第1章 翔³の目覚めの裏側で
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オニキス=リーロン



 再び背に彩桜を乗せたオニキスが空に戻って下を見ると、青年と少年のユーレイが楽し気に喋りながら飛びつつ駆けて来た。


【女の子は?】


【後ろ~♪】


【あ、居た。ナンで苦笑?】


【カケルさんがコドモみたいだから?

 ほら、ソラの方がオトナっぽくない?】


【言われると……そ~見えちまうなっ♪

 ユーレイとして先輩だからかな?】


【そぉかも~♪

 車 乗ったね♪ 帰るのかな?】


【また護衛だな】


【頑張ろ~ねっ♪ あっ】


【落ちたな……】トリノクス様の器なのに。

【背中から埋もれちゃったね~】にゃはっ。


【確かに苦笑モノなヤツだな】【何コレ!?】


【【あ……】】あ♪ 視点合わせしちゃお♪


【ん~~~~~!? ど~して真っ暗!?

 タカシどこっ!? アーマルどこっ!?】

真っ暗なままだがキョロキョロしているらしい。


【ショウ♪ おはよ♪】


【サクラ~♪ ね、ど~なってるのぉ?】


【み~んな、カケルってユーレイお兄さんの中に居るの。

 でね、カケルさんが埋もれちゃったの~♪】


【ユーレイ? 埋もれちゃった?

 あ♪ 見えた~♪ けど誰? 男の子?】

ソラに引っ張り出してもらっている。


【ショウ……事故、覚えてる?】


【ジコ?】


【いっぱい車が ぶつかって……】


【あ……ぱっか~ん……でも……コレ……】


【うん――】【スズちゃんは!?】


【大丈夫。ショウが護ったから】


【そっか~♪ だったらいい♪

 僕も大丈夫だし~♪】


【大丈夫じゃなくてユーレイなっちゃったんだよ? ……ショウ、死んだんだよ】


【そっか~。でもサクラとお話しできるから僕は大丈夫♪

 タカシは? アーマルは? トリノクス様は?】


【うん。みんな一緒だよ。

 でも眠ってると思う。

 トリノクス様が みんな目覚めさせるって言ってたから、そのうち話せるよ】


【ん♪ だったらいい♪

 ね♪ このヒト、祓い屋さんでしょ♪

 御札ヒュン! ってカッコイイの♪】

運転している響を見ている。


【うん。御札お姉ちゃんは祓い屋さんだよ。

 シッカリ覚えてるんだね~♪】


【なんかね~、いっぱい い~っぱい、ぱっか~んしてるの~】


【そっか。慌てないで開けてってね?】


【うんっ♪ このコは?】視線はソラに。


【ソラ。ソラは、もっと前の事故でユーレイなったんだ。

 バスが燃えて――】


【ボワボワの! コドモユーレイ!】


【あ、うん】


【サクラ、ソラと友達?】


【……ううん。これからなるよ♪】


【じゃあ僕も~♪ あれれ?】


【ど~したの?】


【このお歌……知らない……?

 まだ思い出せてないだけ?】


【ううん。新曲だから。

 ショウ達、半年くらい眠ってたんだよ。

 事故は冬だったけど、今は夏なんだ】


【あ~♪ モクモク入道雲♪ ホントに夏~♪

 ん? おっきな水たまり~♪】


【海だよ♪】


【泳ぐ~♪ アッチ行く~♪

 って! 動けな~い!】


【カケルさんが行かないとダメなのかも~】


【お兄! 僕と替わって! 泳ぎたいのっ!】


【お兄?】


【ユーレイ探偵団コードネームお兄だって♪】


【探偵団!?】


【うんっ♪ 僕も入る~♪

 でも探偵団って何?】



―◦―



 カケルには全く気づかれないまま、彩桜とショウは話し続け、ユーレイ2人はサイオンジ公園の前で降ろされた。


【オニキス師匠、これからど~するの?】


【もう街だからな。護衛は終わりだろ。

 オレ、瑠璃んトコ行くよ】


【どして?】


【大陸から来た梅華チャンの弟って設定で黒瑯の弟子になるんだ。

 早く黒瑯の父様を目覚めさせねぇと進まねぇからな】


【白久兄は?】


【ソッチもなんだけどなぁ。

 ま、先に黒瑯だ】【サクラ~、僕 眠~い】


【寝てて♪ でも俺を忘れるのナシだよ?】


【だ~いじょ~ぶ~♪ おやすみ~♪】


【うん♪ おやすみショウ♪】



―・―*―・―



 その夜、青生の声掛けで急遽 開かれた狐儀(こぎ)梅華(メイファ)の結婚祝いの席に、梅華の弟・驪龍(リーロン)として輝竜家を訪れたオニキスは、計画通り黒瑯の弟子になった。


「明日から通わせてもらいます!

 ヨロシクお願いします!」深々っ!


「弟までお世話になってしまうなんて……」

「申し訳ありませんが、義弟を宜しくお願いしますね」

梅華と狐儀も苦笑しつつ礼をする。


「オレもまだまだなのに弟子なんて~~~♪

 嬉しいじゃねーかよ!♪ 頑張ろーなっ♪」


「はいっ!」


「では――」

店続きの座敷で挨拶を交わし、狐儀達は押入れに入った。



「彩桜もココから、お稲荷様トコへ?」

黒瑯が押入れの襖をツンツンしてから覗き込んだ。


「うんっ♪ お稲荷様がウチ来るのに作った道なんだよ♪」


「そーいやオレがチビの頃、この座敷にゃ、お稲荷様がデーンと座ってたよなぁ。

 怖かったんだよなぁ。

 で、人な狐儀が店番してたよな。

 んで、いつの間にか紅火が一緒に座ってたんだよ」


「小学校入学と同時に弟子入りした」


「金錦兄と青生も よく居たよな?」


「お稲荷様から歴史のお話を伺っていた」

「うん。俺も一緒に。

 あと俺は物とも話していたんだよ」


「青生、彩桜と同じか?」


「そうだね」くすっ♪

「青生兄と俺、歳の離れた双子~♪」

「うん。そうかもね」


「いやいや、ナイだろ」


「瑠璃姉とメイ姉、場所が離れた双子だよ?

 フツー、ナイでしょ?」


「ソッチは まだ可能性あるだろ」


「ふぅん。でも青生兄と俺、双子~♪」


「いいのか青生?」「いいよ」「ふ~ん」


ワン♪


「あ、オニキス。コッチ来ちまったのか。

 ウィスは?」


ワン♪ 後ろを向いている。


軽い足音が近づいた。 ク~ン?


「あ、居た。藤慈、呼んでるぞ♪」


「そうですね。私の部屋に行きましょう」

「そんじゃオニキスはオレの部屋だ♪」


ワン♪×2。


【オニキス師匠♪ ウィスタリア師匠♪

 頑張って~♪】


【おうよ♪】【はい♪】



―・―*―・―



 深夜の西海村――


〈サイオンジ、どうしたの?

 私の顔に何か付いてる?〉


〈い~や、なぁんもだぁよ。

 ただなぁ、響チャン見てるとナ~ンか思い出しそ~になるんだなぁよ〉


〈知り合いに似てるとか?〉


〈そ~かもなぁ。ま、さておきだ。

 此処にも結界が在るぞぃ?〉


〈そうね……でも誰が? お稲荷様?〉


 カケルをライブハウスに連れて行き、奏と共に帰宅した響は、ソラが生まれ育った村にも結界をしなければと、サイオンジと話して来ていたのだった。


〈龍神様の結界……らしいなぁよ〉


〈分かるの!? 流石サイオンジ♪〉


〈分かる、つーかぁよぉ、内から声が聞こえたんだなぁよ。

 今も近くを龍神様が飛んでるらしいぞぉ〉


〈へぇ~♪

 それじゃ補強だけしときましょ♪

 結界の内側に御札を貼っておくわ♪〉

扇状に少しずらした御札の束を顔の高さにスッと構え、横に薙ぎ払うように投じた。


〈よ~お飛ぶなぁよ♪〉


結界に着くと見えなくなる。


〈まっかせて~♪ 次!〉

90度回転して次を投げ、また回転して次、と四方に投じて満足気に微笑んだ。


〈流石なのは響チャンだなぁよ〉


〈これしかできないからぁ〉


〈今の生き人で、こんだけ強い祓い屋は居ねぇよぉ。

 そんじゃあ此処もオイラが護るだぁよ〉


〈怨霊で大変な時に増やしちゃって ごめんなさい〉


〈ソラはオイラの弟子だぁよ。

 ナ~ンで響チャンが謝ってるだぁよ?〉


〈あ……〉


〈ありゃあ育ったら、い~い男になるぞ~♪

 ちぃと待つだぁよ♪〉


〈サ、サイオンジってばっ!

 何 言ってるのよっ!?〉


〈なぁんも なぁんも♪〉ニヤニヤ♪


〈ソラはユーレイ探偵団の団員なのっ!

 私の助手なんだからっ!〉


〈だったなぁよ♪

 オイラの弟子を頼んだなぁよ〉

優しく包み込むような笑みに変え、頭を下げた。


〈もうっ、そういうのヤメてよね。

 帰りましょ〉

顔を隠すように踵を返し、漁港へと急ぎ足で向かった。



〈でも……ユーレイって育つの?〉


〈さぁなぁ♪〉あっはは♪




 その様子を上空から見ていたジョーヌも微笑んで巡視を再開した。







ショウも無事に目覚めました。

まだカケルには気づかれていませんけどね。

ショウに気づくどころか、まだ服も変えられないカケルですので。




主な登場人物と、その内に居る神です。


      〈内の神〉

カケル   トリノクス(蛇狐)

ショウ   トリノクス

ソラ    ガイアルフ(蛇狐)

響     キャティス(猫)

サイオンジ フィアラグーナ(龍)/マリュース

ナンジョウ ライパンサー(獅子豹)

ホウジョウ ライガース(獅子虎)

トウゴウジ パンマーマ(豹)

キンギョ  ライガース

寿     キャティス

トク    アリティア(兎)

輝竜兄弟  ドラグーナ(龍)

飛翔    アーマル(龍)

利幸    ウンディ(龍)

モグラ   マリュース(獅子虎)



神様のチョコっと説明です。


★ガイアルフ   オフォクス、トリノクスの父

★フィアラグーナ ドラグーナの父

★ライガース   マリュースの父

☆パンマーマ   マリュースの母

★ライパンサー  ライガースの弟



魂内の神は丸ごとだったり、分割されていたり、欠片だったり、と様々です。

欠片でも大小あったりですが、こんな感じです。


利幸の場合は(=ウンディ)なんですけどね。

ショウも(=ショウフルル)なんですが、トリノクスの欠片も入っていたんです(第一部 第1章)。


まだ登場していない神様も書いてしまいましたが、四獣神の親とかですので軽く流してください。

欠片は引き合い集まりたがる、ということで集まった結果です。



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