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翔³(ショウソラカケル)ユーレイ探偵団外伝  作者: みや凜
第二部 第1章 翔³の目覚めの裏側で
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西海村へ



【ラピスリ、今いいか?】


【診察中なのだが?】時間を考えろオニキス。


【休憩、いつだ?】


【急ぎならば青生に診察を頼むが?】


【急ぎってワケじゃ――ええっ!?】


(うるさ)い】


【いや、だって! 交差点のヤツ!

 居なくなってるんだよ!】


【トリノクス様が入られている青年か?】


【だよっ!】


【無事に目覚めたと彩桜から聞いた。

 今どうしているのかは神眼で確かめてくれ】


【ん~~~~見つけた!

 女の子が運転してる車に乗ってるな。

 あの男の子……ソラ?

 オフォクス様のダチんトコの子も一緒だ】


【車か……街から出たのか?】


【出てる。海沿いを西に走ってる】


【上空から護衛してくれるか?】


【しゃあねぇな。行くよ。

 んじゃあ後でな】


【ふむ。午後は青生が診察だ。

 私は入院室の方に居る】


【ん。行くかどうかは あの車次第だけどな】


【確かにな】


【あ、彩桜 連れてっていいか?】


【何故?】


【ソラと仲いいからだよ】


【ならば呼んでやれ】


【おう♪】



―◦―



 彩桜を乗せたオニキスは赤い車を追って飛んでいた。


【さっき力丸の おやつ持ってって、お稲荷様から聞いたんだけどね♪

 ソラってね、天海(あまみ) (そら)なんだって♪

 でね、お兄さんが優生(ゆうき) (かける)

 ショウも(ショウ)なんだって♪

 おんなじ字なの♪ ビックリだよね~♪

 ね、オニキス師匠?

 ずっと追っかけるの?】


【街の結界から出てるからな。

 死神にトリノクス様 奪われるワケにはいかねーだろ】


【でも~、御札お姉ちゃんの車、結界だよ?

 街の結界も御札お姉ちゃんがしたんだよ♪

 だから街のと同じ~♪】


【へ?】


【そっか。車から出ちゃったら危ないよね。

 だから行くんだね♪】


【そそそーだよっ!】


【あ……】


【どーした?】


(にお)い……】見上げた。【やっぱり……】


【ゲ……アイツ……。

 トリノクス様はモグラにまで狙われちまってるのか?

 あ、消えやがった】


【警告だけ。俺とソラは襲われないと思う。

 指示されてるから動いてるけど……ナンか、モグラさんが残ってる気がするんだ】


【そっか。ダチだもんな】オレもなんだが?


【うん】


【大丈夫だよ。

 支配さえ解けばオレ達のダチのモグラに戻るんだからよ】


【うんっ】


【あ、狭い道に入ったぞ?】


【漁港? ちょい待ってね~】スマホ♪

【見~つけた♪ 西海(にしみ)村漁港♪】


【降りたな。ソラ飛んでったぞ!】


【ここからが護衛本番だねっ】【おう!】


上空から不穏な気が迫る。


【死神さん来たよ!】【輝天包囲!!】


結界が拡がり、村を覆う。


【さっすが師匠♪ 強破邪!!】


結界が光輝く。


【彩桜スッゲー】【えへっ♪】


〖彩桜、少し替わるよ〗【はい♪】


オニキスの背から桜鱗の龍神が飛んだ。


〖破邪浄滅輝!! 光輝龍神雷!!〗


光を浴びた死神達が意識を失って漂った。



 そうして何度か輝いたドラグーナが振り返って微笑んだ。


〖オニキス、回収はお願いね。

 俺は その結界に破邪を込めたら下で待つからね〗


【父様……】


〖俺は短時間しか保てない。頼んだよ〗

結界に触れて輝くと、力が抜けたようにスッと降下した。



 オニキスは父を見ている場合ではないと、辺りを見渡した。


【やっぱ父様って……マジでスッゲー……】


力なく漂う死神が四方八方、遥か彼方まで無数と思える程に居た。


【回収頼むって……どんだけだよぉ。

 お~いフェネギ~、リグーリ~。手伝ってくれ~】



 フェネギは梅華(メイファ)と手を繋いで現れ、リグーリは蛇で現れた後、兄夫婦を見て狐になった。


【これは一体……】【何事なんだよ?】


【トリノクス様を狙って来たヤツラを父様(ドラグーナ)が気絶させたんだよっ】


兄弟、顔を見合わす。

【【それで父様(トリノクス)は?】】


【向こう行ったよ。

 結界の中だし、父様が近くに居るから問題ない。

 問題は散らかってる死神達の方だよ】


【此奴ら、どうしたいんだ?】


【支配は解けなくても浄化くらいしねぇと見境ねぇからなぁ……けど多いよなぁ】


【オフォクス様にお願いするしかなさそうだが、フェネギは如何に考える?】


【他になんて……なさそうですよね】溜め息。


【そんじゃ片っ端 集め――ラピスリ!?】

【【あ……】】


【父様を感じたのでな。彩桜なのだろう?】


【感じるモンかよ? こんな離れてるのに】


【正確には青生が感じ取った】


【なら納得だ♪】


【死司神達を集めればよいのか?】


【しかねぇだろ?

 父様は気絶だけさせて時間ギレだからな】


【ふむ】

気を高め、半龍半狐になり闇を纏った。

【吸引!】


遥か彼方の小さな黒点までがズイッと寄り集まった。


【捕縛!】


上に現れた巨大な光の網がラピスリごと包んだが、引かれたように上がるとラピスリが上に居り、死司神の大きな塊をぶら下げていた。


【これでよいか?】


【ラピスリ全開だなっ♪】


【どういう意味だ?】


【元気になって良かったって意味だよ♪】


【長らく迷惑を掛けた。申し訳ない】


【ん。ま、オレの扱いなんてソレだよな】


【ん?】


【青生とは大違い――いや! ナンでもっ!】


【何が言いたい?

 青生と同じに扱える筈が無かろう?】

          【リグーリ、妻を紹介します】

【だよなっ!】

              【此奴らを運ばねば】

【話は扱いに対する苦情か?】

                 【そうですね】

【違ぇよ!】


頷き合った狐達が塊に手を当てて消えた。


【リグーリ逃げるなっ!】

【見たのはオニキスだけだろ!】

【戻れ! コノッ!!】【知らぬ!!】


【オニキス……何を見たのだ?】


【ゲ……な、何も……あ! それよか父様!】


【ふむ】瞬移。【眠っているだけだ】


【そっか……】


【来たついでだ。話とは?】


【あ、ソッチ行くよ】


【そのまま上空からトリノクス様を見ていてくれ】


【ラピスリ何してるんだ?】


【治癒を当てている】


【そっか。

 あのな、オレ、黒瑯の弟子になろうと思ってるんだよ。

 昼間は人、夜は犬で くっついとくつもりなんだ。

 最近、半日は家に居るだろ?

 ずっと料理してるんだけどな。

 だから犬だと近寄れねぇんだよなぁ】


【ふむ。良いと思うが?】


【そっか♪

 で、人ってナンかヤヤコシイだろ?

 素性とか名前とか。

 どーやって弟子入りすりゃいいんだ?】


【確かにな】


【ラピスリは梅華チャンを輝竜家で どう紹介したんだ?】


【双方共、両親も祖父母も他界している為、経緯など詳細は全く不明だがDNAが一致したので双子だと話した。

 父様が目覚めている兄弟には内の神が双子だと付け加えておいた】


【同じ顔だもんなぁ。信じるよなぁ。

 で、リグーリは使徒神の誰かの従兄弟とか、どーだって言うんだよ。

 ラピスリの従弟にしてくれねぇか?】


【私の両親は共に一人っ子だ。

 故に従弟にはなれぬ。

 が、メイの弟でどうだ?

 姉が此方で結婚すると聞いて来たと言えば輝竜家で歓迎してくれるだろう。

 その料理に感動して弟子入り、という流れでどうだ?】


【ソレだっ♪

 けどオレ、大陸の言葉なんか知らねぇぞ?】


【この国の言葉が覚えられたのだから容易いだろう? メイに習えばよい】


【しかねぇよなぁ。で、名前は?】


龍龍(ロンロン)?】【パンダかよっ!】


驪龍(リーロン)


【ん? 響きはいいけど、どーゆー意味だ?】


【黒い龍だ】


【ソレでっ♪ あ、姓ってヤツは?】


【メイのか? (シィァン)だ】


【また その字か!?】


【私も かなりな珍しい姓だったが、メイも珍しい姓だな。

 オフォクス父様の趣味なのかもな】


【ふぅん】


【トリノクス様が近付いておられる。

 彩桜も気付いた。後は頼む】


【あ、おう♪】







時は、とある年のお盆。

女子大生1人と、少年と青年の2ユーレイが少年ユーレイの生家に行ってユーレイ探偵団を結成した時の裏側です。


つまり、やっと本編の冒頭部です。



人として生まれ育った瑠璃も梅華も生みの両親は既に想いの欠片になっています。

どちらも育ての親は健在です。


全く登場しませんけどね。



黒鱗の龍神オニキスは、犬のオニキスと漢中国人で梅華の弟な驪龍(リーロン)として、輝竜家に居られる間中ずっと黒瑯の近くに居て黒瑯の中のドラグーナを目覚めさせようとしています。


オニキスは父様大好きっ子ですので。



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