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今、生きているあなたへ  作者: ひびき
雷鳴の如く
90/92

第85話 本人が不快になるドッキリはただの嫌がらせだから見極めが大切

/639年11月2日/

朝のやや冷たい空気が一日の始まりを告げる

AM9:30


パ「なーんか良い任務ないかなー?」

タ「この、【鉱石採取】てのはどう?」

シ「おー、雪山か〜。まぁ、良さそうだね」

タ「3部隊で共同で任務を受けるやつみたいで、あと1枠だから受けるなら今すぐ受領しに行きたいんだけど、」

コ「へー、こーれ帰ってくるのに5日はかかるねー」

リ「なんかキャンプみたいで心躍るな」

レ「雪山か、」

シ「事前準備は十二分にして行かないとだね」

パ「よし、これを受けようぜ!」

タ「わかった!これ受領してくるねー!」


 タイトが他の人には取られまいと、すぐさま受付へと小走りで近寄った。

 タイトが受付人の目の前に辿り着いた。ところで、全く知らん初めましての男が目の前に割り込んできた。しかもタイトの方を向いて。


タ(あーもう、絶対めんどくさいって、

決闘しようとか言ってくるんだろーなー)


男「おい!その任務を賭けて!俺たちと勝負だ!」

タ「断るッ!」

男「いーや!ダメだね!」

タ「じゃあ、この任務譲ります!」

男「なら次に選ぶ任務を賭けて勝負だ!」

タ「それなら素直に戦いたいですて、言えよォ!」


 タイトがキレた!


男「俺と戦え!」

タ「嫌だっ!」

男「いいと言うまで!俺はここをどかない!」

タ「よしわかった表出ろ!お前に仮想空間は甘えだ!現実で拳振るってやるよ」

シ「タッ、タタ、タイト?!どうしたのさっきから!?」

リ「ナンダナンダ」

パ「ドシタドシタ」

タ「うわっ、2人は来るな」


 タイトがなにかとてつもない危険な予感を察知し、2人をこの場から遠ざけようとするも、時すでにお寿司。レ「今日の昼は魚にしよう」コ「どこから思いついたの今?」


リ「ハハーン!さては決闘を申し込まれたのだな!」

パ「昨日あれだけ目立っちゃったからなー!全くしょーがないやつらだー」

タ「もういいって、昨日でお腹いっぱいだってば」

シ「まぁまぁ、一旦落ち着いて冷静になって。散開しないで、広がりすぎないで」

タ「俺は1人だけだよ?」


男「あれ?お前もしかしてシキか?!」


 と、ここでさっきまでタイトにしつこく決闘を申し込んでいた男がシキを見て声を上げた。


シ「あ!もしかして、モージャー?!」

モ「おう!久しいなぁ〜!」

コ「わたしも居るよ!」

女「わー!2人ともー久しぶりー!かんどーって感じー!」


 シキ達の会話に混ざるように、モージャーと呼ばれる男の仲間と思しき女性が近寄って来た。


リ「キャー!久しぶりー!」

女「久しぶりー!!」

パ「私たちのこと覚えてるー?!」

女「うん!もちろん!全然覚えてなーい!!」

リ「わーー!さすがに厳しかったか、、、」

ロ「何がしてぇんだよお前らは」


 ここぞとばかりに、ふざけ倒しに来たアホ2人。


タ「シキ、知り合い?」

シ「うん、前にこの隊に入って一緒に任務を受けてたんだよ〜」

レ「2人の昔の仲間シリーズね」

コ「勝手にシリーズ化されてる!?」



モ「シキー!コクウー!この隊にお前らがいたのかー!」

シ「そうそう、4ヶ月前にね、タイト達と出会ってね」

モ「なるほどなー」

女「元気してた〜?」

コ「うん!ちょー元気だよー!」


 久々の再会に喜ぶコクウ達。


モ「なぁなぁ、俺お前の今の強さ気になるし、俺たちと決闘しねぇか?」

タ「理由を変えて正当性を増そうとするな」

シ「まぁ、いいんじゃない?

たまにはさ、理由もなく戦ってみても」

タ「、、、」


 タイトが訝しげな目でシキを見つめる。シキが一瞬笑ったように見えたのは、ただの気のせいだろう。


タ「まぁ、いいや...戦うかー。」

モ「しゃぁ!

行くぞー!お前らー!」

男「りょーかい!」


タ「ほらー、今日の戦闘だよー。」

リ「キャッキャッ!戦いうれしい!」

パ「タオス。アイツラゼンインタオス」

レ「叩いたら、正常に戻ったりしないかな?」

ロ「1発いってみてもいいかもしれない」


 そんなこんな言いながら、ローネを置いて仮想空間の準備室へと入って行った。


       *視点 戦闘時*

〜帰ってきた!仮想空間〜

天候:晴れ

場所:山岳地帯

時間:昼間


タ「さーて、ボコボコにしますかぁ〜」

パ「いつもより殺意マシマシだな」

タ「いやぁ〜、しつこすぎてねぇ〜。

久々にキレちまったよ」

シ「・・・」


 表情は笑っているのに、額には血管が浮き出ているのが見えるタイト。

 横目でシキが地べたにしゃがんで何かの準備?をしているのが見えたが、タイトは特に気にもとめず、


タ(まぁーシキだし。なんかやってくれてるんだろーなー)


 程度にタイトは考えていた。


リ「てか、なかなかに珍しい場所が選ばれたな。俺らいつも森の中で固定なのにな」

コ「そうだね〜」

レ「木も、岩も、池もある」

タ「少し間違えたら崖から落ちちゃいそう」


 そこまで多いほどではないが、所々が崖となっているのを見てタイトが落下を危惧する。


ガサッ!

 その時、木と草の生い茂る方からモージャーがタイト目掛けて飛び出してきた!


 タイトは一瞬呆気にとられたものの、すぐに怒りを思い出して、刀を取り出した。飛び出してきただけで、剣を手に持っただけで隙だらけのモージャーに向けて、走り出して刀を振りぬいた。


ザシュッ!

 相手を斬り裂いた時の、明らかな手応えを感じたタイト。首と胴を泣き別れとは行かないが、背骨の手前まで首を掻っ切ることが出来た。


タ(あれ?あそこまで戦いたがってたのに、そんなに強くない???)


 タイトが不思議に思いながらも、他の敵を警戒して前を向き続けた。


タ(ッ!)


 その時、仲間だらけのはずの、すぐ後ろから刺すような敵意をタイトは感じ取った。タイトはすぐさま後ろへと刀を構えて振り向いた。


モ「あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛あ゛ー」

タ「うわぁぁぁ!!」


 タイトの視線の先には、先程たしかに首元を斬り裂いたはずのモージャーが鼓膜を震わせるほどの低い唸り声をあげながら飛びかかってきていた。よく見ると、さっきまで普通だったはずの腕や顔が所々腐敗して変色している。


 タイトは殺したはずの相手が生きていたという、この現状に耐え難い恐怖と、腐敗し、爛れた体から見える筋肉の断面と骨に奇怪、異様、不気味な見た目に激しい拒絶感を覚える。


リ「SANチェック」

パ「致命的失敗」

リ「不定。狂気の内容はてきとーに暴力衝動でいいか。どうせこの後暴力だし」


タ「うわぁぁぁ!」


 タイトは叫びながら、右手に魔力を流して風魔法を思いっきりモージャー目掛けて放った。

 モージャーは風魔法を全身で受けて後方へと吹き飛んだ。


 力なく地面に叩きつけられたモージャーは、ぐったりと動かなくなった。

 恐る恐る、産まれたての子鹿のような足取りでモージャーに近づくタイト。


タ(え?なに?今度こそ死んだ?)

パ「タイトー!それフラグだぞー!」

タ「人の心を読むな!あとそういうことも言うな!」


 パルスの言った通り、タイトの発言のせいでモージャーは息を吹き返したように飛び起きた。

 そして、モージャーらしきそれは、タイトに向けて再び飛びかかった。


タ「なんで死なねぇんだよぉ!!」


 タイトが咄嗟の出来事で攻撃の体勢に移行できずに、防御するように腕を差し出したところで、


シ「てっててーん!」

コ「ドッキリーー!」

モ「だーいせいこーー!」


 そう叫びながら、どこからともなく『ドッキリ』『大成功』と書かれた看板を持ち出してきたシキとコクウ。そんで、腐敗してるけど結構元気そうなモージャーにタイトは


タ「刺身醤油」


 脳みそが処理落ちした。


レ「あ、固まっちゃった」

リ「おーい、大丈夫かー?」


 ベシベシとタイトを叩いて脳みそを覚醒させようと試みるリューソー。やがてタイトの意識がお空から戻ってきた。


タ「・・・。」

シ「」

コ「」

モ「」


 何故か満面の笑みを浮かべる3人。タイトが3人を横に並べて詰問する。


タ「・・・なに、してるの...?」

コ「えへへ、びっくりした?」

タ「うん。びっくりはしたね。

・・・で?何してるの?」


モ「俺の神技が、一度死んでも容姿が少し変化するだけでまだ動ける、ていう神技でこいつを使って脅かしてやろうかと思ってな!」

タ「・・・シキはこれを知ってたの?」

シ「そりゃもちろん」

タ「さっきからゴソゴソ作ってたのは、その木くず?」


 タイトはそう言いながら、シキとコクウが手にしている看板に視線をやる。


シ「木くずとは酷い!僕が丹精込めて作成した看板だぞ!」

タ「何してんだァ!?

真面目に戦えよォ!」


 タイトが叫ぶ。


リ「氷菓したな」

レ「限りなく伝わりづらい言い回し」

パ「知ってる人でも分からなさそ」


モ「ちなみにこの状態の俺は、感覚が麻痺して痛みも感じないし、怪我しても自然治癒しないし、お前の罵倒もあの子も冷たい視線も、俺には...効かないん、だから、、な、、、」


そう言いながらわざとらしく、顔を俯きながら胸を抑えるモージャー。


タ「なんだお前、めんどくせぇやつだな」

モ「・・・痛くないもん!」

シ「」ニコニコ、

タ「シキ、次のお小遣い4分の1ね」

シ「そ、そんな!」

タ「自業自得だ」


 弱みを握られて分かりやすく狼狽えるシキ。


シ「異議あり!!それを言うなら、いつものリューソーとパルスのは許してることになるよ!?」

リ「おっとぉ、こっちに飛び火してきた。嫌な予感がするぞぉ、」

パ「私たちを巻き込むな〜!」

タ「レイ以外適用で」


 タイトの言葉に怒りの声が飛び交う。


コ「横暴だ!」

リ「今こそ!邪智暴虐な長に反乱の時!」

パ「馬鹿どもの力!集結だぁ!」

タ「5分の1」

シ「さらに減った!?」


モ「マジかよ、このなりで空気とか初めてなんですが?」

レ「怖くなった?」

モ「ドン引いた」


 完全空気の置いてけぼりの2人。正直、ここまで無視されるとは思っていなかったモージャーの背中がどことなく寂しそう草


モ「ちなみに、この状態で致死的な攻撃を受けると普通に死にます」

レ「へー」ザシュッ、

モ「ドン引いた、その2」


 モージャーの神技の説明を聞いて、即断即決、見ることなく、首を切り落としたレイン。


女1「ありゃ?ちょっと遊んでくるとは言ってたけど、死んだなあいつ。何してんだ?」


 木の影から夕日のような橙色の髪の女1がやれやれといった態度で出てきた。他の仲間も女1に続くように3人出てきた。


男1「ほんじゃま、戦いますかぁ」


 茶髪の男がそう言うと、周囲の木が、岩が、地面が、水が、音を立てて、揺れ、犇めき、擦れ、波立て始めた。


タ「なんだ?」


 おふざけから一転、それぞれが武器を手に取り、構え始めた。


 突然、男1の周辺の木の枝と根が、タイトたち目掛けて突き刺すように伸ばし始めた。


シ「危ない」


 シキは咄嗟に、木の枝と根を切断するような風魔法の刃を自分たちの目の前を横断するように放った。


 シキの魔法のおかげで、タイト達へ伸びていた木は全て切断され、木の先はタイト達に届くことはなかった。


 続けて、タイト達の周囲にあった巨大岩が持ち上がり、タイト達を襲う。


タ(草木を成長させるとかじゃなく、岩までもか、)


 タイトはさほど速くはない巨大な岩を避けながら、相手の能力を考察し始めた。

 と、タイト達が岩を避けるためにその場を離れたところに、女1が駆け寄ってきた。誰かの近くではなく、()()()()()()()()


 その女は、何も誰もいない空間に向けて、自身の持つ剣を素振りかのような要領で、その場で剣を縦に振るった次の瞬間、


リ「は?あ?」


 リューソーの間抜けな声が聞こえたため、そちらを振り向くと、何故か、リューソーのやや左の胸からお腹に目掛けて、浅めの切り傷が浮き出て血が滲み出した。


パ「おいおい、いくらなんでもリストカットを肥大化しすぎだろ、そんなに死にたかったのか?」

リ「だとしたら、時も規模も履き違えすぎだろ」


 女は1度剣を振るったあと、すぐに仲間の方へと戻って行った。


タ(あいつだ。あいつが何かしたんだ。

・・・やべぇ、全くわかんねぇ)


 そんなことを考えていたタイトは、池の水が自分目掛けて飛んできていることに気づかず、顔面にもろに被ってしまった。


タ「わっぷ!」

レ「タイト!?」


 目元を拭こうとするタイトに隆起した、先端の尖った地面が勢いよく近づく。


パ「危ねぇぞい」パシっ、

タ「ん?」


 パルスが咄嗟にタイトに触れて、タイトを<瞬間移動>させて回避させた。


男1(今、地面が1部動かんかった...調子悪い?)

パ「危なかったな。今お前に地面の棘が刺さるとこだったぜ」

タ「考え事してたら水被っちゃった。助かったよ」

レ「あの男の神技、周囲の物体、固体と液体を自在に動かす能力だと思う。」

タ「うん、俺もそう思う。気体は無理そうなのは解釈一致だね」

コ「私の下位互換」

シ「こら、はっきり言わないの。」


 敵のうちの1人の能力が判明したところで、相手の1人、黒髪の女2が少し前に出て来て、なにか喋り始めた。


女2「全部...全部、みんなの、せい」

コ「あ、やばい、」


 黒髪の女2が不吉なことを口にしたかと思えば、その手に持っていた短剣を、自身の右足の太ももに突き刺した。


リ「いてっ、」


 瞬間、相手の仲間も含めた、全員の右足の太ももに激痛が走り、戦場の動きが止まった。痛みを患った右足には血が絶えず溢れ出る。

 

リ「敵味方関係なしの、自傷系全体攻撃かよ」

タ「属性多、」


 タイト、レイン、シキ、コクウ、敵の4人が即座に回復魔法で傷を癒した。


タ「あいつ、回復の時は丁寧に神技切ってやがる」

リ「その手に余裕があるのならば、私の傷を癒していただけないでしょうか?!」

パ「どうかお慈悲をぉ〜!」

タ「・・・へっ、」

リ「鼻で笑われた」

パ「今度からタイトをいじるのは控えめにしよう」

シ「やめようとはならないんだね、」


 タイトとレインが刀を手に、敵に向かって走り出した。

 男の神技による攻撃の数々が2人を襲うも、走り出した2人は、いとも容易くそれらを避け、破壊しながら、距離を詰める。


女1(この女やべぇ。男の分まで攻撃を無効化してる!)


 2人の接近に焦りを感じた女1がレインとの距離を詰めて、足止めに徹し始めた。


ギンッ、!


 激しく火花を散らす2人。この間にタイトは先程自傷していた女2とを射程圏内に捉えた。

 タイトが刀を振り下ろそうと構えたその時、


女3「ねぇ!仲良くしようよ!ほら、ピース!」


 と、横から透き通るような空色の女3が間に入ってきて、意味のわからないことを言い始めた。


タ「何言ってんだ?」


タ「当然だろ!」


 タイトは振りかぶっていた刀を止めて、力なく腕を下ろした。そして、何故か左手で指を2本突き立てて、笑顔で女3と握手を始めた。


タ(え!?あれ??体が、!勝手にっ!)

女3「ほら!争いよりも、平和が1番だよね!」

タ「そうだな!戦いなんて、誰も幸せにならないよな!」

タ(いやちょ、今じゃない!今じゃないんだ!今は戦え!)


 自身の思惑とは裏腹に動く体に、タイトは動揺すらも隠されてしまう。


パ「おう、なんかタイトがやべぇぞ!なんか、やばい宗教に入ったやつみたいな、思考を放棄した廃人になってやがる!」

リ「あれはまじでヤバそう!戻って来れなくなる前に!連れ戻してきてこい!」

パ「ばっちこい行ってくる!」


 パルス、今までで最大の隊長存続の危機に、<瞬間移動>でタイトに近づく。


パ「おい!お前ら!」


パ「私が神だ!!!」ドンッ!


パ「よってタイトの入信を却下すると同時に返してもらうぞ!」


 パルス、意味不明、頓珍漢な明後日方向の謎の言い訳を施し、相手がぽかんとしている間に、タイトの救出に成功した。


タ「はぁ...はあ...。」

リ「だ、大丈夫か?」

タ「あ、危なかった...

俺が、俺じゃなくなる感覚がした」


 自分の手の存在、意志の介在、動作の確認を行いながら語るタイト。


タ「あいつ、やばい。近づかない方がいい。」

リ「俺らじゃ無理だな。ってことで、2人ともお願い!」

シ「う〜ん、まぁ、やるだけやってみようか。」

コ「多分撃てないけど、」


 2人はそれぞれ、魔法と弓を構え、あとは放つだけの段階まで準備を済ませたところで、再び女3が女2に向かって話し始めた。


女3「ねぇ?みんなも一緒に話そうよ!

みんなで一緒にピースピース」


リ「そうだな!倒すとか倒さないとか、物騒だもんな」

パ「それなー」

シ「僕たちには会話が、言葉があるんだ。」

コ「争いなんて必要ない」

タ「みんなで一緒にご飯でも食べるとしよう」

リ「さんせーい」


タ(その連携技は反則すぎる!)


 タイトがレインの方を確認するも、敵含めて、全員戦意を喪失しているのが見てわかる。


タ(あいつが厄介すぎる!効果時間はあるんだろうが、次の発動までもそんなに時間かからなさそう!)

タ(どうする?どうやって突破する?神技の間時間でやるしかないのか?)


タ(なにか、なにか...)


 と、ここで相手の神技の効果が途切れたことを感じた。レインと女1は既にやり合い始めた。


・・・


タ「今更、真面目に戦うなよォ!」

パ「うお、びっくりしたぁ、」

タ「ふざけるなら最後までふざけ通せよ!」

リ「初めての説教のされ方で新鮮。」

タ「てことで、、、

レイ!そいつ倒してこっち来て!」


 タイトの招集と指示を聞いて、一瞬体がピクッとしたレインはそのまま目の前の女1を、刀で心臓を剣ごと叩き折って切り捨てた。


レ「どうしたの?」

タ「俺ら、もう戦わないであとは4人に任せよう」

シ「???、

それになんの意味が?」


タ「はい、4人はよく聞けよー。

今からあいつらのうち1人でも倒した人には、次回のお小遣いを通常通り渡します」

リ&パ「「うおぉぉぉ!!」」


 大歓声を2人であげる馬鹿ども。


リ「さすがです!隊長!」

パ「信じてましたぜ!隊長!」


 手のひら返しの鬼。見てるだけで滑稽に思えてくる2人の単純さ。


コ「ちょっと待って!」

ジ「あいつらのうち1人でも、倒したって、とどめを刺すってこと?」

タ「はい」

シ「つまり、1人1人ずつ倒しても、1人はお小遣いは戻らないって、こと?」

タ「はい」


 レインが最後に女1を倒したことで、4人対3人。1人余る。この現状を理解した2人がまたも声を上げ始めた。


パ「鬼!悪魔!仏の面した化け物!」

リ「お願いします!何とかお慈悲を!全員で仲良くの案はないのでしょうか?」


タ「・・・じゃあ、4人が全滅したら次のお小遣いは0ね」

リ「そっちじゃない!そっちじゃないんです!」

タ「ほら、早く戦闘態勢に入らないと、敵を取られるかもだし、最悪負けちゃうよ?」

リ「ッ!」


 リューソーが気づいた時には、ほか3人は事態を仲良く収めることを諦めて、自分一人でもという、紙のようにペラッペラの薄く軽い屑みたいな意志を持って敵に攻撃を仕掛けていた。


シ「<エクスプロージョン>!」

コ(<ベクトル操作>!)

パ「うぉぉぉぉお!!私の金になれぇぇぇぇ!!」<瞬間移動>

リ「で、出遅れたァァァ!!!!」

 

 醜い彼らは、お互いの手足を引っ張り合いながら、戦った。


レ「・・・あれが、仲間かぁ、」

タ「リューソーはみんなで仲良くを貫こうとしてたのに、シキとコクウ、真っ先に敵を討ち取りに行ってたね」

レ「思いの外、あの2人は欲望に忠実」

タ「シキ、既に1人倒してるのに、嬉々としてもう1人倒そうとしてるのほんと外道」

レ「私、あの笑顔が怖くなってきた」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

〜いつから現実だと、錯覚していた〜


 戦闘終了。4人の戦いは最悪の事態である全滅は逃れていた。

 結果は、、、リューソーが1人も倒せずに終わった。


(ちなみに、タイトはほか3人には宣言通り、通常通り渡したが、リューソーのみんな仲良くの精神に感銘を受けて、こっそり通常の倍の金額を渡していたのは内緒。)


受付「はい、それではこちらの任務を受注しますね」

タ「お願いします」

受け「こちらの任務は今回、他の隊と合同での任務となります。こちらの任務は、通常よりも死の危険性が高く、他任務に比べ、長期となることが予想されます。したがって、予め他の隊の方と顔合わせを行おうと思っておりますが、なにか不都合はございますか?」


タ(そんなのもあるんだー)


タ「いえ、特にないです」

受付「かしこまりました。では、他の方にも声掛けを行っておきますので、3日後にこちらの協会に集合をお願いいたします。」

タ「わっかりました」

受付「それでは、よろしくお願いいたします。」


 鉱石採取の任務の受注を完了したタイトはみんなの元へと歩いて戻った。


リ「お前ら、順位8位の《夜型人間》だったんだな」

モ「ふふん!もっと恐れ戦いたまえ!」

パ「案外大したことねーのな」

シ「もー、なんですぐ地雷を踏み抜くのかなー」


タ「任務受領してきたよー」

コ「お疲れ様ー!いつもありがとうねー」

タ「」

コ「タイト?どうしたの?顔になんかついてる?」

タ「あ、いや、!なんでもない。」


タ「なんかね、3日後に他の隊と顔合わせがあるらしいからみんな、、、よ...2人は失礼のないようにね、!」

リ&パ「「言われてんぞお前」」

ロ「こいつらダメだー」

シ「タイトにそっち側として数えられそうになってる、!」

コ「これからは少し抑えないと」


 圧のある物言いで、先に忠告しておくタイト。

 その後は、神技の詳細交換会を行った。


モージャー:<死んでも死なない>

 1度死んでも屍体として生き返ることができる。死んで30分以内であれば、回復魔法で蘇生可能。痛覚を失い、自然治癒もしなくなるが、回復魔法は効果あり。

 1度発動すると、3日間は使用ができなくなる。身体機能に変化はなし


男1:<森羅万象>

 自然界のありとあらゆる物体を思いのままに動かすことができる。気体は対象外。ただ、自然物限定のため、加工されたもの(服や武器)は対象外。範囲はかなり広め。


女1:<古今東西>

 神技発動後、5秒前の過去に影響を与えられるようになる。つまり、5秒前に相手が立っていた場所に剣を振るえば対象に攻撃を与えることが可能。時間制限は3秒。次の発動までには5分必要。


女2:<一切合切>

 神技発動中、自身に何かしらの影響があればそれを周囲全員に反映させる能力。傷も状態異常も回復も全て反映可能。


女3:<この手は君の手を握るため>

 ピースサインを見せて声をかけた相手の戦意を強制的に無くす能力。自分の戦意もなくなる。1度使用したら30秒継続、次に発動するには同じく30秒必要。


以上!


 タイト達はその後、軽めに街の店を見て周り、雪山に必要そうな物資の目星を付けた。今日は購入せず、明日と準備期間で買う予定のようだ。


シ「ところで、物資購入の資金はあるの?」

タ「まいぽけっとまねー」

レ「そこまでしなくても、、」

タ「今回の任務成功したら、余裕でお釣りが来るくらいあるから後で調整するよ」

タ「雪山だからね。ちゃんと準備しないと本当に危ないって、あの人が言ってた」

コ「どの人なんだ一体」


 タイト達は夜を見つけた店で済ませた後、いつも通り宿へと戻った。宿に戻ったあとはとりあえず、みんな各部屋で順番に風呂を済ませた。

 その間に、男三人衆は紙飛行機を折って窓から投げ飛ばした。が、風に煽られてすぐに闇の彼方へと消えて行った。タ「・・・寒いから窓閉めよっか」シ「風も、冷たいしね、」リ「あの風、許せねぇ」


 次の日は任務の予定は無いということで、男部屋の方にみんなで集まって、恒例のゲーム大会が開催された!


 今回の勝者は、全員寝落ちでナシ!


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