第80話 嫌な事があっても、確率収束論で言えば明日はいい日になる!
/639年10月31日/
日に照らされる時間が少なくなってくる時期
AM10:00
タ「はぁぁーー、、、日が出てもあんまり気温が上がらなくなってきたね」
コ「そうだね〜。でもまだ白い息はでないと思うよ?」
タ「・・・次からは無視してくださると助かります」
子どもっぽい所を見られてしまったタイト。気温はそこまで高くないのに、タイトの頬は赤くなり、少し俯く。
ロ「今回は結構順調だな、」
シ「いつも邪魔してくるカス野郎共が、今回は出しゃばってこなかったからね〜」
リ「その笑顔でその言葉はむしろ狂気なんよ」
パ「まぁ、普通は選ばない森の中を突っ切ったからな。迷ったんじゃね?」
レ「・・・有り得る。かも?」
何はともあれ、これといった事件もなく今日の夕方頃には街に到着しそうなタイト達。
一同「ッ!、」
ここで突然、タイトに向けて飛んでくる魔法の気配。
ギンッ!
飛んできた氷魔法をリューソーが斬り伏せる。他も、自分の武器を取り出して構えて周囲を見渡し始める。
周囲には居ないことを確認してから、タイト達は戦闘態勢を解いた。
ロ「おぉ〜、ちゃんと気を抜いてねーのな、
いい感じだぞー」
リ「まぁ、前にさすがにあそこまで言われちゃァなぁ」
コ「正論だし、」
シ「実際襲われちゃったしね」
旅の途中、ローネがタイト達に向けて、ちゃんと警戒を怠っていないかを、突拍子もなく魔法やらなんやらで確認することがある。
タ「これが実践で出来ればいいんだけどね、」
パ「まぁ、何とかなんだろ」
レ「慢心は危険」
それでも完全無警戒の時よりかは、遥かにマシになったはず。これもローネの優しさなのだろう。タイト達はこの後も、色々と話したり遊んだりしながらも、心の片隅で警戒を解くことなく、次なる街へ向けて旅を続けた。
途中、平原の向こうから大型犬程度の大きさのエリマキトカゲが大群で押し寄せてきたりもしたが、シキが<エクスプロージョン>で吹き飛ばした。
事故で爆発にタイトとリューソーが巻き込まれて彼方へと飛ばされたが、何とかほぼ無傷で帰ってきた。
シ「2人ともごめん!」
タ「サイ難な目にあった」
パ「お前らなんで無傷なん??」
リ「超能力者だ」
エリマキトカゲの素材として売り払えそうな部分を剥ぎ取り、その他は焼き払った後、旅を再開。
の前にシキが、
シ「ごめん、ちょっと…漏れちゃいそうだから…少し待っててくれない?」
リ「あぁ〜、あれね。そんな、生理現象なんだから恥ずかしがらなくても、」
パ「そーそー、仕方ねーのに。」
ロ「お前らはもうちょい羞恥心を覚えろ」
シ「だから…ちょっと杖、持っててくれる?」
リ「おー、シキがいいと言うのなら、任せろ」
コ「じゃあちょっと行ってくるね」
シ「さりげなく着いてこないでね」
タ「はーい、コクウはこっちで待機してましょーねー」
コ「あり???」
コクウを羽交い締めにして動きを封じたタイト。この間に、杖をリューソーに預けたシキは早々に離れた。
リ「おー、これが魔法の杖というものか〜!」
物珍しそうに目を輝かせながら杖を見るリューソー。が、急に杖を構えて空へと向ける。
一度、深呼吸をしてから口をゆっくりと開いた。
リ「雄大なる水の精霊にして、天にあがりし雷帝の王子/パ「ライトニング」ボコォ!
他作品の詠唱を始めたリューソーを、パルスがぶん殴って止めた。
リ「イッタイ!ホオガァー!」
パ「なーに、当然のように他作品の詠唱始めてんだよ!バカなのか?バカなのかお前は?!」
リ「いやぁー、杖持ったらやりたくなっちゃって、つい…」
止めてくれて良かった。このままだと、クリームシチューの具材にされるところだった。
リ「てか、シキの杖、思ったより重いな」
パ「そうなん?杖って軽そうな印象あるけど、」
リ「これ、剣とおんなじくらいの重さしてるわ」
パ「杖ってそんなに重いもんだっけ?」
リ「知らん」
パ「私も」
リ&パ「「だと思った」」
シキがさっき見せたように、杖をくるくると回して確かめるリューソー。
パ「ちょっと私に見して貸して触らしてくれよ!」
リ「ちょっと待ってなー」
パ「いーや限界だッ!待たねぇ!」
リ「おい!ちょ!無理やりすんなって!」
パ「お前が離しやがれ」
回していた杖を掴み、強引に奪い取ろうとするパルスと、頑なに離そうとしないリューソー。
お互いに譲ろうとせず、杖を引っ張り合う2人。すると、突然と言うべきか必然と言うべきか、
ポロッ、
シキの杖が半分よりも上のところで、真っ二つに折れた。
リ「あっ…」
パ「おん…?」
一気に血の気が引くリューソーと脳みその回路が短絡して理解を拒んでいるパルス。
リ「やばいやばいやばいやばい!シキの杖折れぢゃっだ!!!」
パ「お、おちおち落ち、オロチンユー」
リ「ど、ど、ど…どうする?」
パ「・・・死んだフリしよう…!」
リ「落ち着けパルス。まだそこまでするには早計だ」
パ「ででもででででもでもでもデデデ大王」
リ「環境破壊は楽しいZOY!」
突然意味のわからない声と動きを始めた2人を眺める他4人。
タ「ん?、またなにかやらかしたね、絶対」
レ「・・・ッ!
あれ、!?シキの杖、折れてない?」
ロ「あいつら死んだな。お前ら、合掌」
ご愁傷さまと言わんばかりに合掌を始める3人。
コ「あーーー。まぁ…大丈夫だよ、安心して」
タ「え?そうなの?」
コ「うん。でも、いい機会だし、ちょっと2人を怖がらせてくるね」
レ「何するつもりなの?」
コ「罪悪感で胸をいーっぱいにしてやるのさ」
ロ「こいつ、私より魔族適正あるぞ」
悪魔的な笑顔を浮かべて2人に歩み寄り始めたコクウ。会話の射程範囲に入ったコクウは、初手大声で話し出した。
コ「あー!!シキの杖折れてるー!!」
リ「あっ、!コ、コクウ!こ、これは!!!」
パ「えっと、、違くて、いやいや違わないけど!わざとではなくて、!」
コ「あーぁ、その杖、シキが10歳くらいの時から大切にしてる奴なのになー。しかも、結構珍しい素材でできてるから、変えなんてないのになー。もう2度と手に入ることはない代物なのになー!壊しちゃったんだー!」
リ「・・・」
パ「ーーーーー」
顔からサァー…と血の気が引いていく2人。コクウを派遣してからみるみる表情に陰りというか、絶望したような表情になっていく超面白い
ここで、何かを悟ったリューソーとパルスは気をつけと敬礼の体勢を取った。そして、
リ「我々は、此度損傷させてしまいました、この杖を弁償すべく、地下労働施設に行ってまいります」
パ「キンキンに冷えたビールを飲みに行ってくるのであります」ざわ・・・ざわ・・・
レ「鉄骨渡りで落ちたらいいのに」
タ「寄せてくな寄せてくな」
シ「ごめん待った?…て、どうしたのそんな、
エナドリ飲んだというのに普通に寝落ちして投稿が遅れたみたいな顔して」
((!?))
リューソーとパルスは咄嗟に杖を自身の体でシキには見えないように隠した。
シキの問いには誰も何も言わず、ただ時だけが流れる。
シ「まぁ、いいや。リューソー杖、持っててくれてありがとうね」
シキが杖を受け取ろうと、リューソーの方に手を伸ばす。リューソーは何か弁明をしようと思考してからか、表情が険しくなっていく。
シ「リューソー…?」
リ「〜〜っ!ごめん!シキ!」
ついに意を決してリューソーは先っちょが亡き別れになってしまった杖だった木の棒を差し出した。
続けてパルスもソロリソロリと、震える手で先っちょをシキに見せる。
シ「2人ともどうしたの?」
これが怒りを通り越した発言なのか、現状を受け止めきれない言葉なのか分からず、めちゃくちゃ怖い。いつも通りなのが逆に怖い。と思いきや、
シ「2人で持ってたんだね〜、ありがとう」
シキは2人の手からそれらを受け取ると、切断面同士をくっ付けて魔力を込めた。するとあら不思議、なんということでしょう。杖が元通りではありませんか。これにはもったいないばあさんもにっこり。
リ「…↻…」読み込み中、、、
パ「?????????????」
シ「さぁ、行こうか」
パ「えちょ…ん?ぬ…えぱ?」
リ「古池や蛙飛び込む水の音」
コ「あまりの衝撃にリューソーの頭が良くなった!」
ロ「いい事じゃねぇか!これからどんどん衝撃を与えていこう!物理で!」
リ「この俳句からは、静かな水辺を打ち破るような、自然の奥ゆかしさを感じますね。まるで何かを成すかのような力強い勇気が私の心に伸し掛ります。」
タ「ちょっと待って、一旦時間飛ばして!色々起こりすぎて、事態が収まるまで!」
((きんぐくりむぞん))
シ「それ前も使って/
シ「つまり、杖を折ってしまったと、勘違いしていたわけか」
リ「勘違いというか、その通りではあるというか」
パ「てか、なんで戻ってんの?」
シ「これも魔道具の一つだからだね。逆に、魔力込めてないと簡単に折れる仕様」
リ「なるほど!だから俺たちが持ったらすぐ折れたのね」
パ「納得」
リ「・・・なんでそれを俺に持たせたの?」
シ「えへっ!忘れてた!ごめんねっ!」
パ「なんていい笑顔で、こいつッ、!」
壊れたわけではないと、安堵の溜息をする2人。安心からか、足の力が抜けてその場に座り込む。
タ「なんでそんな仕様なの?」
レ「珍しいよね」
タイトがシキに対して疑問を投げかける。
シ「うーん…その方が色々と便利だから?かな。
まぁ、そのうちわかるよ」
理由はあるようだが核心的なことは言わずに、曖昧な返答でお茶を濁すシキ。
シ「そんなことより、今日中に街に着くんでしょ?早く行かないと日が暮れちゃうよ?」
リ「ごめん、ちょっと待って。今、足に力が入らない」
パ「私もあれがこれで歩きたくないから立てない」
シ「おい片方、」
この後、コクウとレイが2人を鞭打って無理やり立たせて再出発したタイト達。リ「痛いっ!た、立ちます!今すぐに立ちます!ってか、あいつ<瞬間移動>で逃げやがった!!」
リ「・・・俺、前回過去明かしたのにこの仕打ち酷くない?もっとこう、優しく扱ってくれても」
シ「楽しいね!」
リ「お前が一番サイコパス」
レ「優しくして欲しいの?このいやしんぼめ」
リ「角砂糖をシュ/シ「食べ物で遊ばないでね」
投げの体勢に入ったリューソーを叩いて止めたシキ。
タ「俺ら旅、8割がおふざけで占められてる件」
コ「どうしてこうなった」
パ「ここから入れる保険とかってあったりすんのかな」
ロ「お前は危険分子の方だぞ」
シ「話変わるってか、無理やり変えるけどさ、」
シ「前会ったスパイルってやつさ、医者の子供で、外に出るのもよく思われてなかったんだよね?」
リ「そうだな」
シ「今冒険に出ているのはどうして?」
リ「ああー、それは俺にもわかんねぇ。この前それ聞こうと思ったけど、避けられちまってなぁ〜。結局聞けなかったんよな」
タ「医者って、結構いい職業だよね?嫌がる程のものじゃない気がするけど…」
リ「あれはスパイルの夢ってより、親の目標みたいなモンだからな〜」
パ「人から強制される夢とか目標って、本人からしてみれば辛いだけなんだぜ」
タ「・・・パルスに諭された…」
レ「大丈夫、タイトの方がいつもはちゃんと考えてるから。落ち込まないで。」
パ「お前ら私をなんだと思ってんだ?」
レ「脳筋」
タ「おふざけ筆頭」
シ「真面目雰囲気ぶち壊し要員」
コ「ボケしか言わない壊れたラジオ」
ロ「人類が生んだ奇跡のアホ」
リ「ダ チ ョ ウ」
パ「よーし!お前ら並べー!1発ぶん殴るからよー」
馬鹿みたいにはしゃぎながら進み続けること、数時間。タイト達は新しい街、<ネバギバ>へと到着した。




