第68話 僕はこの日、洞窟の中を覗いてしまった
/639年9月18日/
PM18:00
落ちゆく太陽を見ながら、村の近くで無事に着地したタイト達はそのまま歩いて村に到着した。
村に到着し、ババアのとこに完了の報告に渋々行くタイト達。
ババア「たくっ、いつまで待たせる気だい?老い先短い老人の時間は貴重なんだよ、そんなのも分からないのかい、!」
シ「帰ってきて早々またか...
ずっとこの人の番じゃないか、!」
リ「たまにはこっちにも攻撃の番回して欲しいよな」
やっとの思いで戻ってきたというのに、いきなりくどくどと小言を言われてさすがに我慢なら様子のタイト達。卵を渡しても老人は不満を言わないと気が済まないようだ。
ババア「明日は今日終わらなかった事を、色々やってもらうからね!」
コ「へいへい」
タイト達は繰り返し同じようなことを言うばばあの話を、適当に相槌を打ってその場をやり過ごした。
タ「いやぁ〜、長かったね〜」
パ「あいつ老人を敬え的な発言、全部で8回言ってたぞ」
ロ「それ数えてるの、恨みしか篭ってないやん」
リ「お空、きれいだなぁ」
コ「リューソーに至っては幼児退行してまだ戻ってきてない」
シ「リューソー!戻って来い!もう話は終わったぞ!」
リ「ハッ!俺は一体」
タ「とりあえず晩ご飯食べに行こうか」
レ「賛成」
コ「いやー、きょーは一段と疲れたねー」
タイト達は宣言通り晩ご飯を食べに行き、その後は宿に戻り解散。男子組はみんなで紙飛行機を折って飛ばすのがいつの間にか日課になっており、今回はリューソーが1番飛んで行った。
お風呂も順番に入り、明日も体力を使うだろうということで早めに寝ることに決め、消灯の後、就寝。
女子組は普通にトランプしてた。
コ「11を4枚で革命!!!」
パ「うわぁぁぁ!やめてくれぇぇぇ!」
/639年9月19日/
AM10:00
朝ごはんを済ませ、十分に心の準備を整えてから、いざ出陣。
まず、命令されたのは家の庭の草むしりと柴刈り。2班に分かれて作業に取り掛かったタイト達。
草むしり班:パルス、シキ、コクウ
柴刈り:タイト、レイ、リューソー、ローネ
シ「頑張ってね〜!」
リ「そっちもな〜」
パ「うげっ!ミミズ出てきた、!」
雑木林に向けて出発したタイト達。雑木林の中に入ると直ぐに魔獣やら害獣やらに襲われ、柴刈りのほとんどの時間を戦闘にあてることとなった。
タ「まーた出てきたよ、」
レ「なんか多いねここら辺。」
リ「村には被害いってないっぽいし、なんか村には入れないようなお守り的なのがあるんかな〜?」
ロ「あるかもなー」
タ「あ〜、それのせいで魔獣とかも集まってるとかもありそう」
レ「人に被害がないならいいけど、なるべく減らしておきたいね」
幸い、数は多いものの犬型の魔獣、猪などが大半であったため特に苦戦を強いられずに駆除することが出来た。
4人が背中に抱えるほどの薪を集めたところでタイト達は雑木林を後にした。
帰り道、やはりこの林には獣が多く、まだ小さい猪がタイトの足元に走ってきて、それに気づかずタイトは躓き、
タ「あだっ!」
ガラガラ
突然の衝撃に前方に思いきり転けたタイトは、背中の薪を全てこぼしてしまう。
タ「晩飯の鍋にぶち込んでやる!」
リ「早く戻って来いよー」
鬼気迫る表情で追いかけ始めたタイト。3人が薪を拾い集めていると、ものの数秒でタイトが全力疾走で戻ってきた。
タ「ヤバい!母猪に見つかってしまった!!」
ロ「何してんだお前ェ!」
リ「最高ww」
レ「うわぁ、凄い勢いでこっちに来てる」
ブチ切れ状態の母猪が猪突猛進で向かってくるので、レイが華麗にスパッと仕留め、収穫が増えた。
シキ達の元へと帰る途中、不自然な洞穴のようなものを見つけた。
タ「なにあれ?洞穴?」
リ「お、ああいうところにお守り的なのがあんだよ、!ちょっと見てみようぜ!」
レ「あれでも、結構浅めの洞窟だよ?」
中を覗き見ると、レイの言う通り、人1人がかろうじて生活ができそうな程度の大きさしか無かった。がそれよりも気になったのが、
リ「なんだこれ、鉄柵?」
タ「うわ、よく見ると中に鎖と鎖に繋がれた手錠とかある」
レ「あれかな?罪人を収容する場所だったのかな?」
タ「え、でも、他に色んな大きさの刃物とか、針とか・・・拷問器具みたいなのがたくさんあるよ?」
リ「壁とか血が付いてるし、村公認でそういう扱い受けてたのかもな」
タ「ひ、酷い」
レ「罪人に人権は無い、とかそんな考えだったのかもね、」
ロ「まだ、こんなのが残ってんだな、」
村の闇のような部分を見たタイト達は、少々いたたまれない気持ちになりながらシキ達の元へと帰った。
タイト達が戻るとシキ達は既に作業を終えていた。
シ「結構掛かったね〜」
リ「結構魔獣とか害獣が多くてな、そいつら討伐したり、タイトが猪に追いかけられたりしたからなー」
ババアに薪を渡すとどうやら量が少なかったようで、ババアは不服さを隠しもせずに大声で喋り出した。
ババア「こんな量で何日もつと思ってるんだい?もっと取ってきな!」
ロ「めんどくせーな、ほらよ」
ローネがどこからともなく、両手に抱えるほどの薪を持って来た。
レ「これどっから持ってきたの?」
ロ「隣の家にめちゃくちゃあったから少し拝借してきた」
リ「いやダメー!」
ババア「まあこの程度の量で許してやるか」
タ「おい話を進めんな」
ババア「次は銅像磨きだよ。村の外れの林の中に銅像があるからそれを綺麗に、錆び一つ見えないくらい綺麗にしてきな」
そう言ってババアはそのまま薪を収納棚に片付けてしまった。
タ(後で薪持って謝りに行こ)
タイト達が指定された場所に向かうと、錆だらけの銅像が林の中に寂しく佇んでいた。
銅像は中年位の男で、上体をやや後ろへと反り、足は大きめに開かれている。何故か両腕の肘どうしを密着させて右手を上へ、左手を下へ向けているという謎の格好で作られていた。
コ「これだね」
タ「触ったら死にそう」
リ「後ろになんか同じ格好のやつが見えそう」
シ「ここにはちゃんと銅像あったね」
パ「なんだその言い方?ないところがあんのか?」
シ「あーうん。都市伝説的な噂話なんだけどね。
この先、旅の途中で通ると思うんだけど、」
シ「とある村の近くにあった銅像が、一夜にして突如消えたんだ」
タ「盗まれた、とか?」
ロ「誰が盗むんだよ。銅像なんか」
銅像を掃除しながらシキは話し続ける。
シ「で、前にタイトが色んな人から依頼受けまくって手が回らなくなったことがあった村があったよね?」
タ「ありましたな〜」
シ「その村の近くに銅像の無い、ただの台座だけの置物があったらしいんだけど、そこに突然銅像ができたらしいんだよ」
コ「しかもその銅像は消えた銅像と造形が同じなんだって!」
リ「てことは!...どういうことだ?」
シ「考えられる説では、銅像が独りでに動き出したとか、銅像は台座間を転移できるとか、何者かが中に憑依して動いたとかある」
シ「最近ね、その銅像が無くなった村から、僕たちが出会った街までにある、教会のほとんどがその道のりの順番で何者かに襲われて、教会が復旧を急いでいるらしい」
リ「何の話だ?」
シ「・・・もし、銅像が動いたとして、街や村を一切止まらずに最初の街まで行った時、銅像の移動速度と教会が襲われた日がおおよそ一致するらしい」
レ「犯人は銅像ってこと?」
シ「分からない。これもただの都市伝説的な話だからね。どこまで本当かは定かではない」
パ「神技があるしな、銅像が動く程度、あってもおかしくはねぇよな」
コ「教会は全く別件の可能性もあるけどね」
タ(最初の街までなら、俺の村は大丈夫そう。
手放しには喜べないけど、みんなが無事そうで良かった)
そんなこんなで、銅像の掃除も完了した。
まぁなんということでしょう。見るも無惨な姿であった、泥や雨の汚れにまみれていた銅像が一変し、元の色をを取り戻したかのような、青緑の淡い輝きを放っています。
ババア「次はそこの雑木林の奥に、魔法陣が書かれた石が置いてあるからそれを壊してこい。
ここからまっすぐ歩いて行けばある」
リ「・・・それってほんとに壊していいやつか?」
パ「壊したら呪われそう」
ババア「その石のせいでここらに魔獣が集まってる。そいつらのせいで村の外へ散歩にも行けやしない」
リ「ほんとかなぁ〜?」
ババア「呪いくらいなら最西の孤島に、呪いも毒もなんでも直せる奴がいるから、何かあればそいつのとこに行きな」
シ「行っても手遅れと言われそうなのですが???」
ババア「心配すんな。そいつは本当になんでも消してくれるから」
パ「そこまで言うなら、大丈夫か〜?」
タイト達は言われた通りに進み、雑木林の奥へ奥へと進んで行った。
シ「あの婆さんの言ってる通り、段々魔獣が増えてきたね」
リ「ほんとに石のせいかもな。あまりにもふざけたババアだから疑っちまった」
コ「正常な判断でしょ」
タ「胡散臭いもんね」
なんて、話しながらタイト達が歩いていると、何も無い、ただの木々の間をタイトが進んでいただけなのに、
バチンッ!
タ「痛っ!」
なにか、透明な壁のようなものにぶつかり、タイトは衝撃と驚きで後方へ転びかけた。
タ「え、!?壁?」
シ「透明。結界のようなものが張られてる」
コ「えー、これじゃ石まで辿り着けなくない?」
レ「でもこの結界、解除出来ないこともない」
パ「できるのか?!」
レ「少し、時間があれば
レイが結界を解析しようと手をかざしたその時、
?「お前ら!そこで何をしている!」
後ろから男の罵声のような声が聞こえてきた。タイトが慌てて弁明に向かった。
タ「いや、その...怪しい者とかじゃなくて、村のお婆さんからの依頼でこの先にある石を壊さなくちゃいけないんですよ」
男「何を言っている!?この先は立ち入り禁止だぞ!看板が見えないのか!?」
男に指さされた先を見ると、堂々とでっかでかと立ち入り禁止の看板がすぐそばに立てられていた。
シ「おかしい、あれに誰も気づかないことなんてあるのか?」
コ「あんなに大きな看板一目で分かるはずなのに」
ロ「ここら辺魔力が濃ゆいな。瘴気かなんかになんかにあてらたかもな」
男「お前ら旅のやつか?」
リ「あぁ、そうだ。わりぃ、立ち入り禁止だってこと知らなかったんだ」
男「これだから旅のやつは。」
男は呆れたようにため息を吐いた。
男「もういい、今回は知らなかったということで見逃してやる。次は無いぞ」
タ「す、すみませんでした」
男「全く、家の薪が急に無くなったから取りに来てみればお前らのようなやつがいる。災難な日だ!」
タ「ほんとにすみませんでした!」
隣の家の人だった。タイトは薪も含めて全力で謝罪をする。
リ「なぁ、この結界の先には何があるんだ?」
男「さぁな、俺が子供の時から近寄るなってだけ、言われてたからな。何があるかは知らねぇ」
男「いいから早く村に戻りな」
コ「ごめんなさーい」
ババアの所に戻り事情を説明するタイト達。またキレだすかと身構えていたが、反応は想像と違って、
ババア「そうかい、そーいえばそうだったな。まあいいか。もういいよ。私の依頼はこれで終わりさね」
と、呆気なく終わってしまった。何やら考え込んでいるようにも見えたが、多分考えてない。
PM16:45
思ったより時間も経っていて、タイト達はそのまま晩ご飯を済ませて宿に戻った。
明日は予定なしで休みの日にしよういうことで、今夜はみんなで夜更かししたそうな。




