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今、生きているあなたへ  作者: ひびき
危険が危ない!編
62/92

第57話 真夏の森に行く時は、虫対策を絶対にしろよ!

リ「前回から!」

パ「今回本編までの経緯!」

ロ「テッテレ、テッテッテレーテーレレー↑」


 タイト達はジョーカーと約束の後、街の冒険者協会で2時間ほどの軽い事情聴取を受けた。と言ってもジョーカーの報告内容に追加で見知った情報を付け加える程度だった。

 

リ「ちなみに最強は5分で帰った!」

ジ「それじゃ、用事あるから〜、」


 状況や魔物の特徴、能力を総合すると、どうやら相手は異常体である可能性が高いらしい。タイト達が生きているのが幸運だと、受付の人は言っていた。

パ「実際死にかけたしな」


 ジョーカーの管轄の話はコクウの勘違いで、普通に世界の全域をもう1人の一等星と状況に合わせて、手の空いてる、もしくは近い方が派遣される制度らしい。

 北側は魔王城があるせいで強い方が配置されてるのだとコクウは勘違いしたみたい。


リ「このおっちょこちょいさんめ、」

コ「字面がキモイ」

リ「その方面から攻めてくるの!?」


 事情聴取のあとは晩飯食って宿とってそのまま寝た!


ロ「というわけで、こっからが本編だ。

てなわけで、行ってら〜」


/639年8月17日/

朝だと言うのに、夏であることを体に言いつけるような暑さを感じる

AM9:30


リ「みんなで階級測定しねぇ?」


 朝ごはんを食べ終わり、冒険者協会へ行く途中でリューソーが思い出すように言い出した。


タ「そいや、最初の街以来、測ったこと無かったわ」

レ「確かに」

パ「私もだ。

測りてぇなとは思うけど、なんかつい忘れてまうんだよなー」

シ「階級の上がり具合によっては受けられる任務も変わってくるし、僕も受けようかな」

コ「じゃ、私もー!」


 リューソーの思いつきであったが、割とみんな測定することに前向きの様子。


ロ「そんなに大事かね?ただの飾りみてぇなもんだろ?」


 だが、ローネだけは理解できないみたいで、不服そうな表情を浮かべている。


コ「まぁ確かに、飾りみたいなところはあるけど、階級によって受けられる任務とか違うから、報酬とかも変わって来るんだよ、!」

ロ「ほーん、、」


 コクウが説得を試みるもなんだかいまいちピンと来ていないローネ。だが、


シ「一等星にならないと、最後の街にいる警備兵に魔王城に行く事すら門前払いされるよ」

ロ「お前ら、早く一等星になりやがれ」

パ「こ、こいつ、、!」


 シキの言葉に、凄まじい勢いで手のひらを返すローネ。現金なヤツだ。


レ「目指せ、一等星、!」

タ「まーた言ってる〜」


((少し飛んで、測定結果をドン↓))


タイト   五等星

レイ    四等星

シキ    三等星

コクウ   四等星

リューソー 四等星

パルス   五等星


コ「現状維持かー、、、もっかい測ろうかな?」

シ「もう1回測っても、普通は変わらないから落ち着いて」


タ「1個上がった」

レ「私もだ」

タ「でも、五等星か...

隊長なのに、1番階級が低い...」

ロ「ただの飾りだぞ?早く一等星になれよ」

タ「優しく傷口に塩を塗るのやめてくれる?」

レ「私たちがギリギリの戦いをすることなんてないから、測定しずらいのかもね?」

ロ「死にかけること多々あるがな」

タ「極端すぎなんだよ、どいつもこいつも」


パ「上がんなかったかー」

リ「俺もー」

パ「私は、お前がコクウとレイと同じなのが信じられねぇよ」

リ「ドヤさ」

パ「ドヤるな、馬鹿にしてんだよ」

リ「そんな!」


 測定結果をうけて、みんなは何を思うのだろうか。喜びか焦りか、悔しさ、苛立ち、疑問。それでも時は止まることは無い。だから、それぞれの思いを胸に据えて、前を向き進むのだろう。


タ「じゃあ、何人か階級上がったし、部隊階級も変わってくるだろうから申請してくるけど、」

リ「けど?」

タ「ローネはどうする?冒険者登録して俺たちの部隊に正式に入る?」

ロ「入れるわけねーだろ」

タ「ですよねー」


 ローネに即却下をくらい、そのまま受付へと歩くタイト。部隊の証明証を受付の人に渡して、要件を伝えた。


受付「部隊階級の更新ですね?少々お待ちください。」

タ「お願いしまーす」


タ(今日、午後の約束までどーしよっかなー?無難に、念入りにみっちり準備運動して本気でぶっ倒しに行こうかな?)


受付「はい、完了しました。おめでとうございます!階級が1つ上がりまして、三等星のとなりました!」

タ「おおー!」


 証明証に書かれた三等星という文字。


受付「これからも頑張ってください!」

タ「どうもー」

受付「それと、1つお頼みしたい依頼があるのですが、本日はご都合はよろしかったですか?」

タ「へー、そんなことあるんですね?」


受付「はい、任務、人によっては特定個人を指定して依頼する場合がございます。

で、今回は協会から直接の依頼なのですが、その内容が『プレゼンの森の調査』です」

タ(昨日の巨大な森か、)

タ「それ自分たちで大丈夫なんですか?」


 タイト達は三等星にたった今なったばかりだ。探せば、周りに個人階級二等星はいるだろう。そんな中で選ばれたことにタイトは疑問を抱く。


受付「協会の判断としては、何も知らない者を向かわせるよりも、異常体と直接相見え、生き延びたあなた達が適任であると判断したようです。」

タ(まじか...俺らジョーカー居なかったら死んでたぞ、多分)


受付「異常体の生息域では他の魔物や害獣は離れて行くため、今はそれほど危険ではないと思われます。」


受付「今までは未知数であったあの森で、異常体が倒されたことにより一時的ではありますが安全地帯となっている今、調査を行なっていただきたいのです。

 それに、異常体とは基本、自身の縄張りに侵入した者のみを襲う、あまり目立つ事無く獲物を捕食する生体なのですが、今回森から出てきた理由も分かればでいいので調査していただきたいです。」


タ(ジョーカーとの約束もあるしなー。どうすっか)


受付「受けていただければ、報酬は弾みま/タ「是非よろしくお願いします」


 タイトは即答した。金には抗えない、仕方ない、節操ない。


タ「じゃあ、多分今日の午後にあの〜、えとー、最強?だっけ?ジョーカーが来ると思うので、伝言しといて貰えますか?」

受付「あの、一等星の、ですか?」

タ「はい。『ちょっと調査行ってくるから、勝負は明日の13時でおねしゃす!どうせ暇だよね?』でお願いします」

受付「え、?ほんとにそれでよろしいのですか ?」

タ「あの人はこれで十分です。ではよろしくお願いします」

受付「わかり、、ました、?」


 受付の人がめちゃくちゃ動揺しているのが目に見えて分かる。そりゃそーだ。冒険者なりたてのぺーぺーが一等星の最強に舐めた口でお願いしてんだからな。


タ「ただいまー、今ちょっと協会から直接任務を依頼されたんだけど、報酬が美味しいと聞いて受けてきた」

シ「協会から直接の依頼かー」

コ「内容はー?」

タ「あの森の調査ー」

リ「最強の人との勝負までに戻れなくないか?それは明日でもいいのか?」


 リューソーが当然の疑問を投げかける。


タ「多分森の調査が早い方が安全みたいだから、勝負は明日するよう伝言頼んどいた」

レ「今からみっちり準備運動して、挑む予定だったのにー、」


 さすが同じ村出身。思考回路がタイトとほぼ同じなようで。


タ「その他詳細はーカクカクピカピカ」

シ「あー、今が1番安全なのか、

うーん、それでも不安だなー」


 未知の領域で、もしもがあっても助からない可能性が高い為、シキは悩んでいる様子。


パ「ローネ来る?お前居たら覇気的なので魔物追い払えたりしない?」

ロ「行くけど手助けはギリギリまでしないと、前も言ったぞ?」

パ「ケチー」


コ「あ、それじゃあ!昨日この街に着いた時に見つけたヤツを試してみてもいい?」

リ「なんだそれ?」

コ「着いてきてー!」


 そう言ってコクウは、席を立ってタイト達を引っ張るように、協会の外へと足早に出ていった。


 導かれるがままにコクウに着いて行くと、1人の男性の前へと行き着いた。

 中折れハットを被り、眼鏡をかけた、見た目は若そうなすらっとした男。軽めの上着とズボンに、スニーカーと全体的に動きやすそうな格好。


 男性の横には『もしもの時の保険屋』と書かれた看板があり、当の本人は立ったまま居眠りをしている最中であった。


コ「すみませーん!」

?「はい!寝てませんよ!えぇ!起きてましたとも!」

リ「無理があるだろ」

パ「保険屋なのに嘘言うやつとか、大丈夫かこいつ」


 出会って5秒で嘘を言う保険屋の彼に、早くも不信感を抱くタイト達。


?「私の名前は二ーゲル・オイテクです!この看板の通り、冒険者専門の保険屋をやっております。」

二「今回は保険のご利用で間違いないですか?」

コ「はい!」

二「了解致しました。それでは、3つの料金の説明をさせていただきます」


 内容を要約すると、二ーゲルは転移の神技<帰巣本能>を持っているらしく、冒険者と共に任務地へと赴き、危機に瀕した際に神技を使ってこの街へと戻ってくる。というのが彼の役目というか、仕事らしい。

 ちなみに神技は戻ってくる専用なので、街からどこかへは行くことはできないらしい。


プラン名:お前なんて保険の保険だよォ!

 初期費用(同行料)は人数に限らず、銀貨7枚。ただし、緊急で使用した場合の追加料金は1人につき銀貨50枚。


プラン名:別に、あんたと一緒に行きたい訳じゃないんだからね!

 初期費用 銀貨10枚。

 追加料金 1部隊につき銀貨20枚。


プラン名:死ぬんじゃねぇぞ、互いになぁ!

 初期費用 銀貨15枚

 追加料金 1部隊につき銀貨10枚


 特に緊急性もなく、ただ街に戻るためだけの転移は一律銀貨5枚。


二「支払いは初期費用だけ先払いで、他は後払いとなりまーす!」

パ「どれもこれも、選びたくねぇ名前してんな」

二「ちなみに、初期費用の金額によっては私のやる気が変わって来ます。ご了承ください!」

パ「了承してたまるかぁ!いついかなる時もやる気出せ!」


シ「どれにしよーかなー?」

レ「無事に帰ればいいんでしょ?1番安いのでいいんじゃない?」

シ「自信が凄いな」

タ「もしもがあるからね。怖いんよね」

リ「こーゆーのは真ん中のヤツ選んどきゃ、なんとかなんだよ」

コ「この世の理だね」

シ「1番安牌な選択だね」

タ「じゃあ、この、『べつに、あんたいっしょにいきたいわけじゃないんだからね』でおねがいします」


 たった今タイトは感情を捨て去り、自動音声認識のように、文字の羅列を読み上げる機械と化した。


二「あいよー!銀貨10枚、先にいただきます!

ちなみに、もう出発されますー?」

タ「はい、そのつもりです」

二「了解致しました」


 料金を支払いながら、二ーゲルの質問に答えるタイト。二「銀貨10枚、確かにいただきました!」


シ「よし、料金も払ったことだし、早速行こうか」

リ「我ら!未開の森探検隊!」

パ「なんか楽しくなってきた!」

コ「冒険者って感じがしてきたね」

ロ「がんばれー」


AM11:00


 人類未踏の地ということで、勝手にやる気を出してくれる仲間たちと共に、歩くこと約10分。目的の森林の入口へとたどり着いた。


 誰がお前らなんか入れるかよ、みたいな生え方をしている高さ5m程の草に、近づくことで改めてその大小感覚が狂わされることに気づく。


パ「おぉお、、、デケェな」

二「やはり、近くで見るとその大きさに驚かされますね〜」

レ「・・・この草切り開いて行く?」

シ「そうだね、なるべく見えない部分を無くすように進もうか」

タ「りょーかーい」


 タイト達は風魔法の刃やら、剣と刀等で大きな大きな草を根元から切り落としながら森の奥の方へと進んで行く。さすがに特大の木の幹は切り落とした時の被害が底知れないので、なるべく切らないように避けることにした。


 進み続けること1時間。タイト達は森の中にとあるものを見つけた。

 それは何かの骨組みのようだった。既に錆びてはいるものの、叩くとカンカン、と金属製の音が響く。


 金属製の細長い棒のような物が途中まで作られたのか、長い年月によって崩壊したのかは定かではないが、途中まで組まれた跡と地面に転がるいくつもの金属。地面に転がる金属は腐敗が特に進んでおり、所々に穴が空いており、手で触れると簡単に崩れてしまうものだった。


シ「腐敗の仕方を見ると、数百年は経ってそうだね」

リ「戦前からあるってことか?」

シ「かもしれない」


 その金属製の建造物は1つだけでなく、森の奥へ進めば進むほどその骨組みは出てきた。恐らく、この金属を組むことで完成する代物なのだろう。森の奥にはいくつか倒壊せずに残ったままとなっている建造物があった。


 高さが優に10mを超えるであろうその建造物は意図的に並べられたかのようにそれぞれ配置されており、建造物間には上空で何やら黒く太い紐?のようなものが繋がれているのが分かる。


シ「ゴム製?」

レ「でもこれ、中に金属が通ってる。」


 千切れたであろう、そこら辺に落ちていた紐のようなものを観察すると、外側はゴム製の弾力のある被覆、中には細長く伸ばされた銅が入っていた。


タ「なにこれ?」

コ「なんだろうね?初めて見た」


 助けを求めかのように、みんなでローネの方を振り向く。


ロ「これは私も知らないな」


 ローネですら知らないものらしい。なんだろうねこれ。


リ「おーい!なんか、すっげぇでっかい()()()()()があったぞー!」

パ「なーに言ってんだあいつ。」


 「なんか言ってるぜ」みたいな空気感で渋々リューソーに着いて行くタイト達。


パ「まじやんけ」


 目線の先には先程の骨組みの建造物以上の大きさのかざぐるまがそこにはあった。こちらも金属製の建造物なのか、所々に錆が見られる。草木のつるが絡みついて羽が動く気配はない。

 それも1つや2つではなく、意図的に集められたかのようにかざぐるまは集中して設置されている。


シ「昔の人はなんでこんなの作ったんだろう?」

リ「あれじゃね?銅像とかと一緒で暇つぶし感覚で芸術品的なのを作ってみたんじゃね?」

コ「芸術、、なの?」

リ「芸術なんてのは人それぞれなのさ。ただの泥の塊でも、作った人によっては芸術品になる社会だしな。アレマジで/((おっと、そこまでだぜ?))


レ「家?」


 レイがまだ切り開いていない草の奥の方を見つめながら呟いた。


タ「この先に家があるの?」

レ「ううん。詳しく言えば、家の残骸が散乱してる。それも、広範囲に。」


 レイの視線の先を切り開いて進むと、レイの言う通り朽ち果て、崩壊した家の残骸がそこらかしこに散らばっていた。


シ「なんか色々ありそうだね」

コ「手分けして探してみよう」


 タイト達は各々で別れて散策を開始。家に使われていたであろう木材は、少し力を加えれば簡単に崩れてしまう程に脆くなっていた。

 ボロボロになった服や、食器などの生活感のある物も倒壊した家屋から見える。


 そんな中をタイトが散策していると、相変わらず鬱蒼と生えている巨大な草が完全に無くなっている場所を見つけた。



 森の奥地であるというのに、金色の陽の光が空から差し込み、草は踏みしめることの出来る程度の見慣れた大きさ。ふんわりとどこか気分の楽になっていくような優しい空気感。涼しくも暖かい温度。風にさざめく木の葉の音。

 そして、その中央に位置する、人が腰掛けるのに丁度いい程度の大きさの石。何故か、その石が神秘的にも狂気的にも感じるこの空間を作り出しているのだと錯覚してしまうほど、凄みを感じてしまわざるを得ないほどの感動的で幻想的なこの状況。


 この非現実的とも言える絶景を目の当たりにしたタイトは、周囲をくまなく一瞥し、再び中央の石へと視線が戻す。そして、生まれてから17年村で過ごしたはずのタイトは、この人類未踏とされるこの地を、初めて見るはずのこの景色を見て1つの疑問が頭に浮かんだ。


タ(あれ...?なんで、俺...


この景色を、懐かしく感じるんだ?)


 ありえない。そんなはずはない。タイトもそう頭では理解しているが、本能が感覚が、否定的な意見を打ち砕き、有り得るはずのない結果を肯定する。


タ(見たことがあるんだ。この景色をこの目線、この角度、この脳で)


 頭の中でぐちゃぐちゃとした文字と情景が不快な感覚と共に巡り回る。

 思い出せそうで思い出せない、何か大事なことを忘れているような感覚がタイトを襲い、それのせいかタイトはピリピリとした痛みを頭に感じ、小さな棘が刺さるような感覚を全身に浴びる。


パ「おーい!みんなー!こっち着てくれぇ〜!」

タ「ッ!」


 パルスの叫び呼ぶ声が、タイトの頭にスっと入り込んでくる。先程までの不快感が嘘のように消えたことにタイトは気づく。


タ「どうせ、絵本で似たところを見たとかだろ」


 タイトはそう結論を出して、自分に言い聞かせるように独り言を吐いた。


 呼ぶ声のする方へと近寄ると、人が立ったままの状態で入れる程の卵が幾つかあり、草を緩衝材にするように上から草を踏みつけて集められていた。


シ「これ、多分蛇の卵だよね」

二「今孵化したら、そのまま私たち食べられちゃいそうな大きさですね」

リ「おはようーいただきまーす、的な?」

コ「朝起きたら既にご飯が用意されてる家庭かな?」

パ「懐かしいなー」


タ「剣振り回しながらよく、この卵は傷つけずに居られたね?さすがパルス」

パ「んいや?ここから見えんだけで、普通に剣ぶち当ててヒビ入ってるぞ」

タ「・・・おうふ」

リ「俺の期待を裏決まらない、さすがパルス!」

パ「ドヤさ」

ロ「馬鹿にされてんぞ?」

レ「幸い、まだ孵化しそうにないから良かったね」


 シキが卵とその周辺をよく観察し、あることに気づいた。


シ「見て。そこの草、卵1つ分の不自然な窪みはあるのに卵は無くなっている」

コ「まだ孵化しそうにないということは、、、盗まれたってことになるね」

タ「あり得るとしたら、昨日、森から逃げてきたあいつらか」

レ「普段は公の場には出ないはずなのに、出てきたのは卵を取り返す為、?」

リ「あー、だからあの時近くにいた俺らじゃなくて、タイトの方に一直線に向かって行ったんだな、」

タ「狙いに迷いがなかったもんね」


 調査の目的であった、異常体が出てきた推定の理由が判明したところで、卵は危険と判断し、1つ残らず焼き払った。


 その後も草を切り開いて進むも特にこれといった成果もなく、森を横断して海へと出た。


PM16:30


ザパァー、ザバーン

 崖に激しく打ち付ける、荒れた海。リューソーとパルスは崖の下の方を覗き込む。


リ「うひゃあー、この崖落ちたら死ぬなー」

パ「本当に死ぬかわからんから、ちょっと行ってきてよ」

リ「確かに、勝手に決めつけちゃダメだよなって、誰が行くかーい」


 巨大な草木は最後の海にたどり着く前に途切れており、途中からは海風を防ぐための松の木に変わっていた。


ビュォォォオ

 と、常時風が強く吹いているのにさっきまで影響がなかったのは、巨大な草木が風を遮っていたからであろう。


コ「今日天気いいねぇ〜。」

レ「快晴だねー」

タ「...風、つおい」

シ「目も開けられないね」

ロ「ちょっ、早く帰ろうぜ。フードがめくれそう」


 ローネがフードを必死に押さえ込みながら、二ーゲルに聞こえない声で訴えた。


コ「なんかちょっと、へへへ」

レ「・・・」

ロ「なんだお前ら気持ちわりぃ」


 ローネの方を見て、生暖かい視線を送るコクウと口元を覆い隠して、明後日の方を見るレイ。


タ「よし、それじゃあ調査も終わったことだし、帰るとしますか」

二「あいよー、それじゃあ皆さん私のそばに寄ってくださーい。なるべく女性が近いと嬉しいです」

シ「リューソー、おいで〜、男で壁作るよー」

リ「合点承知之助」

タ「其の手は桑名の焼き蛤」

二「ひひぃーん、(泣)」


 シキの宣言通りに二ーゲルを中心に、男子がそれを囲い、その外側を女性陣が配置したところで、


二「はーい、今から飛びますので、その場からあんまり動かないでくださいねー」

二「それじゃあ飛びますよー、3、2、1」


パチン

 と、二ーゲルが指を鳴らした瞬間、目の前の荒れた海と青空の景色が一変し、街の中の風景へと切り替わっていた。


リ「おお、着いた」

コ「この能力便利かも」

二「意外と便利ですね〜。帰れる場所は1つまでしか設定できませんが、いつでも変えれますし、私の場合ですと家の前にしてしまえば、仕事終わりに神技発動して即帰宅とかできます」

パ「ここお前ん家の前かい」


タ「今日はほんとにお世話になりました!」

二「いえいえこちらの方こそ、ご利用していただき誠にありがとうございました!またのご利用、お待ちしております!」

リ「またなー」


 帰宅転移の分の料金を支払った後、二ーゲルはそのまま家に帰るとの事なので、タイト達はその場で別れを告げて、協会へと歩きだした。

 協会へ着いてまずは、調査の報告を行った。異常体が森から出てきた理由。森の中の様子と見つけたもの、特に危険な虫やら動物やらは予想通りいなかったこと。

 ただ、タイトはあの不思議な空間については、

タ(これ言ってもなー)

 ということで、報告は伏せた。


 報告を終えたことで、依頼が完了、その場で報酬を貰った。報酬は巾着袋1杯の金貨と銀貨だった。聞くと金貨25枚、銀貨50枚がこの夢の袋に納められているらしい。


 タイトは震える手とニヤつく顔を必死に押さえ込み、ジョーカーのことを尋ねた。


タ「そういえば、ジョーカー来ました?」

受付「えぇ、来ましたよ。あなたの言った通りに伝言を伝えました。」

タ「なんて言ってました?」

受付「一言、[明日、覚えとけよ♡]との事でした」

タ「うへぇー、キモイ」


 その後、協会を後にし、晩飯を済ませて宿へと帰り着いた。


 タイトは今日の出来事を頭の中で反芻しながら、紙飛行機を折った。巨大すぎる草木、錆び付いた謎の建造物、腐敗した家、神秘的な空間、大きすぎる蛇とその卵、松の木と崖と常に吹き荒れる強風。


タ「色んなことあったな〜」

シ「ねー」

リ「でも、冒険って感じがして楽しかったわー」

シ「ねー」

タ「なにぬ」

シ「ねー」

リ「紙飛行機にそんな集中することある?」

シ「ねー」

タ「ははっ、ダメだこりゃ」

シ「ねー」


 その後は、リューソーがわざとシキの紙飛行機目掛けて自分の紙飛行機を当てようと企てるも、失敗。その流れ弾がタイトの紙飛行機にぶち当たって、仲良く墜落した。


リ「しゅ、しゅまねぇ、!うちの子が!」

タ「あなたを器物損壊罪で訴えます。理由はもちろんお分かりですねッ!」

シ「判決、死刑とさせていただきます」

リ「倫理なんてねぇよ〜、うるせぇよ〜、黙れよ、倫理なんてねぇよ〜、暴力こそが全て〜、倫理なんか、ねぇよ、悲しいのは俺〜」

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