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今、生きているあなたへ  作者: ひびき
少年期  旅立ちの時編
30/92

第28話 交際相手の加工付きの写真で感想を聞いてくんじゃねぇ

/639年7月4日/


AM11:00

 タイトとリューソーは今日、どちらも少し遅くまで寝てしまっていたため、この時間に2人で朝食兼昼食を取っていた。

 今日は珍しく街の人通りが少なく、店も客が少ない印象。

 2人は他のみんなを見つけるため、外席でご飯を食べながら会話している。


リ「タイト達がこの街に来て、今回で11話目だけど、これからどうするよ?」

タ「数え方が生々しい。

お金の方は任務で稼いだ分が結構あるし、必要な道具とか食材も買い揃えてるからそろそろこの街出ようかな」

リ「食材も買ってるのか。それって腐らねぇのか?」

タ「大丈夫。ここ、空想上の世界だから、めんどくさいのは取っ払われてるから」

リ「包み隠せよ少しは」

タ「冗談冗談、実の所、なんでかは知らないけど、収納魔法の中に入れとけば腐らないらしいからね。大丈夫っぽい。なんでかは知らないけど、」

コ「それはね、収納魔法の中は時間の干渉を受けない、つまり時間が進んでいないからだよー!」


 タイト達が声のするほうを振り返ると、やや離れたところからこちらに向かってくる2人を見つけた。


リ「え?今の聞こえてんの?この距離で?」

タ「放出系の笛持った彼女並に耳が良いんだよ、きっと」

リ「じゃあ、タイトは鼻だな」

タ「匂いに敏感でも役に立つ場面少なくない?」

リ「隙の糸見えるし、人の感情読み取れるし、相手の次の攻撃を読み取れるぞ、!」

タ「匂いでそこまでできるかよ」

コ「2人とも、なんて会話をしてるの?」

シ「2人とも、おはよう?こんにちは?」

タ「もう、こんにちは、かな?」

リ「こんばんは」

コ「こんにちは、リューソー、挨拶はちゃんとしようね」

リ「こんにちは」

コ「よろしい」


 しょうもない話をしていたら、いつの間にか近くまで来ていた。


シ「少し早いけど昼にしようか?」

コ「そうだね」


 2人も昼食を食べることにしたらしく、同じ2人席の机と椅子をくっ付けて椅子に腰掛けた。


リ「これからどーするよ?」

タ「多分、次の街までのお金に困りはしないし、装備も物資も十分に蓄えたからそろそろこの街を旅立とうかなと思ってる」

シ「そうだねー、そうしよっか」

コ「あ!2人だ!

おーい、パルスー!レインー!こっちこっちー!」

パ「お?やっと見つけたぜー」

レ「こんにちはー」


 2人も椅子と机を連結させて、店員さんへの注文を済ませて席に着いた。


レ「なんの話をしてたの?」

コ「これからどうするかを話し合ってたんだよ」

タ「うん。そろそろこの街を出ようかなと」

パ「まぁ、結構長いことここにいるしな。この物語のほぼ半分くらいいるからね。」

タ「そう考えると結構長いこといるな」

((気づいたら、ここまで来ていたッ!))

レ「文字数的には多分、私たちの村にいる時のが圧倒的に多いと思う」

タ「最初らへんはこの世界の説明とかでめっちゃ文字使ってたからね。あと、戦闘描写。」

シ「タイトがツッコミを投げ出してしまった、、」


 ツッコミどころが多すぎるからね、仕方ないね。

 そんなことをしていると、店員さんが注文した料理を運んで来て、机に置いた。


タ「次の街までどのくらいかかるんだろ?」


 タイトがみんなに向けて質問をする。


パ「馬車使ってこっち来た時は3日で着いたぞ」

レ「意外とかかったんだ」

パ「まぁ、途中途中休憩挟んでたしな。」

リ「歩きではだいたい1週間ってところだったな」

タ「1週間なら今の材料で食事は何とかなりそう」


 この街を出て、次の街まで食材が足りるかを概算し、いけると結論づけるタイト。


タ「あぁ、いや!この街と次の街の間に魔王の幹部がいるんだった!」

シ「1番大事なとこを忘れるところだったね」

コ「まぁ、歩きでも多くて3日増えるかどうかじゃない?途中まで馬車で行ってもいいしね?」

タ「・・・うん!何とかなるよきっと」

レ「いざとなれば現地調達で行こう」

シ「いつ出発しよっか?」

パ「特にこの街でやりたいこともないし、明日にでも出発していいんじゃね?」

タ「明日でみんなも大丈夫?」

リ「異議なーし」

シ「問題ないよ」


 レイとコクウに目をやると、無言で親指を立ててこっちを見ていたので、満場一致で明日に出発することに決まった。


タ「よし、それじゃあ明日出発ということで、今日は各々って感じでいいかな?」

コ「特に何も無いし、それでいいよ!

2人とも明日は早めに起きるんだぞ?」


 みんなご飯も食べ終わったので解散しようと、席を立ったところで、


?「旅人の皆さん、少しいいでしょうか?」


 近くに座っていた細身で眼鏡をかけた男が話しかけてきた。男の格好は旅をしているのか、動きやすそうな服で、武器などは持っていなさそうな感じ。

 あまり力のあるような印象はなく、冒険者という訳ではなさそう。


?「私の名前はトルネ・カッテニー。写真家を生業としております。」

タ「へー、写真家か〜」

リ「無許可で写真撮ってきそうな名前だな」

パ「親はどんな気持ちでこの名前をつけたのだろう」

シ「失礼だよ、2人とも」

ト「はっはっは、既に皆さんを勝手に撮っているのでお気になさらず。いやぁ、いい1枚が撮れましたよ〜」

コ「その一言で、違うものを気にしないといけなくなっちゃったのですが?」


 なんだろう?この、愉快な不愉快の塊のような人間は、初めてのやつだ。みんなも戸惑いを隠せないでいる。あのリューソーとパルスですら。


ト「まぁまぁ、そんなことは置いといて、皆さん話を聞いた感じだと、これから旅に出るのですよね?

それも魔王討伐の?」

タ「まぁ、そうですが」

ト「やはり、巷で噂の勇者一行とはあなたたちの事でしたか」

シ「僕たちになにか用ですか?」


 シキが少し威圧的に話しかけた。


ト「いえいえ、なにか用があるという訳では無いのですが、旅の出発の記念に写真をどうかな、?と思いまして」

コ「でも、料金は取るのでしょう?」

ト「まぁ、これを食い扶持(ぶち)としてる訳ですからね。無料では生活ができませんので...

ですが、料金の方は1枚あたり銅貨10枚と、そこまで高く設定はしておりませんので、」

リ「うーん、相場がわからん!」

パ「前に1回撮ったことあるけど、そんときは銀貨5枚くらいしたから、安い方なんじゃない?知らないけど」

リ「お、魔法の言葉」タ「ぽぽぽぽーん」

ト「おぉ、銀貨5枚はなかなかに強気な価格設定ですね、、、」

コ「タイト、どうする?タイトが決めていいよ」

タ「俺が決めるのかぁ〜、どーすっかなー?

金はまぁ、問題ないから撮ってもいいけどなー

てか、写真って初めてなんだよなー」


 丸投げされて少し悩みこんでしまうタイト。数枚程度なら料金の方は余裕があるので、やや前向きに考えてはいる様子。


シ「僕はいいと思うよ」

パ「撮ったことないんだろ?この機会に記念に撮って貰っとこうぜ」

タ「そーだね、じゃあ、撮って貰おっか?てことで、お願いしてもいいですか?」

ト「あいよ!それでは、服装とかは自由に決めていいですからね!集合場所は街の南口にだいたい30分後くらいに、すぐ行けるようであればそれでも構いませんが、」

コ「私ちょっと、旅用の服に着替えてくる」

パ「そうだな、そっちのが気分的になんか、いい感じだもんな。私もそうしよっと」

ト「了解致しました。それではこちらも準備があるので先に行きますが、構図などを考えていただくと早めに終わりますよ?」

タ「了解しました!そうします」


 一旦着替えるために、写真家とは別れて宿に戻る。


リ「これで俺たち無言でブッチしたら、あいつ怒るかな?」

タ「さすがに怒るだろうね、絶対やらないけど」

リ「そりゃな、

ああいうやつが怒らせた時、一番やべぇんだろうな」

タ「写真機で殴ってきそう」

リ「絶対やっちゃダメやん!人として、写真家として」


 各々、着替えて宿の前に集合し、街の南口目掛けて歩き出した一行。


シ「並びとか身ぶりとかどうする?」

リ「並び方はその時のノリと勢いで」

パ「あ、私撮る瞬間に皆で飛ぶ写真撮りたい!」


 この会話を待っていたと言わんばかりに、パルスが声を張上げた。


コ「うんうん、いいねそれ!楽しそう!」

リ「写真機を皆で囲んで、下から撮って貰うのはどうよ?」

パ「おー、なんか面白そう」


レ「写真...緊張する、、」

タ「初めてだからね。俺もだよ」


 構想の段階から緊張で表情が固まってしまっているレイに、それに同調するタイト。


シ「そんなに緊張しなくていいよ、!

気楽に笑顔で」

コ「後で見返した時に、その時の自分がどれくらい楽しかったのかを未来の自分に教えてあげないと!」

レ「・・・うん、!そうだね、

ありがとう、2人とも」


 2人の言葉にレイの表情が少し和らぐ。

 そんなこんなで色々と会議しながら歩いていると、あっという間に集合場所にたどり着いた。


ト「お、早かったですねぇ

少し待っててください、ただいま準備中ですので。祈祷でもして待っててください。」

リ「ふむ、祈祷が終わったら1秒も気が抜けなくなるな」

パ「任せろ!完全初見だが、動画では何度でも見てきたからな!楽勝だぜ!」

リ「その謎の自信、絶対に心折れるやつや」

タ「一体、何が始まるんだ」

コ「どうせ冗談だから、気にしない方がいいよ」


ト「さ!お待たせしましたー!準備が整いましたので、皆さん写真機の前へどうぞ!」

タ「最初どうする?」

パ「最初は確認も込めて、特に何もせずに普通でいこう!」


 皆で写真機の前へ横並びに立つ。

((並び方

パルス、タイト、シキ、コクウ、レイン、リューソー))


コ「えへへ〜、私、シキの横〜!」

シ「良かったね」

タ「仲良いな〜、2人」

((文章に起こしてて、心が痛い))

パ「もうアホだろこいつ、、、」


リ「レイン、笑って映らないと後で後悔するぞー」


 レイが左隣を見ると、リューソーと目が合った。目が合うとレイはすぐに反対の方向を向き、


レ「・・・ちっ、、」

リ「ねぇ?今舌打ちしたよね?」

レ「気のせいじゃない?」

ト「はーい、撮りますよぉ〜?

はい、チーズ」


パシャッ、!

 という音と共に、一瞬の光の幕を浴びて皆で写真を確認しようと列を崩した。リ「はい、チーズってもうあんまり使われてないみたいだぞ」((私の中ではまだまだ現役なのだよ))


タ「え?今のでもう終わり?」

レ「一瞬、、だった、、」

パ「2人だけ反応がお年寄りなんだが」


 タイトとレイ含め、写真機に集まったところで、

ト「ちょっと待ってください、今から現像するので」

シ「あれ?現像ってそんなに簡単に出来るものだったっけ?」

コ「いや、結構時間がかかる作業だと思うんだけど」


 と、話していると、トルネが急に口を薄く横長の長方形に口を開いた。そして、

ウィーン、

 という機械音と共に、1枚の紙が横滑りしながら出てきた。


コ「え、?えぇ、、」

タ「神技、だよね?なんか...あんまり触りたくないね」


 口の中から出てきた写真にドン引きするタイト達。


パ「なんでだろ?団地のあの少年を思い出したわ」

リ「多分、あの目玉焼きを食べる場面のせいだろうな。俺も同じだ」


 何故か思い出に浸っている人たちもいますと。


ト「はっはっ、冗談ですよ。本物はこっち」


 口から出てきた写真を今度は逆再生したかのように、口の中に戻した。そして、手のひらの先程のような長方形の穴からまたも

ウィーン、

 という、機械音と共に写真が出てきた。


ト「どう?面白かったですか?」

コ「こっち、かなりドン引きしてたよ?」

ト「はっはっは、ご冗談を」

シ「冗談ではないんだけどね、、、」

ト「では皆様方、写真の確認をお願いします」


 皆で写真を見て確認をする。写真は画質も良く、綺麗に映されており、値段の割にはかなり満足のいく出来であった。


リ「お?意外と綺麗に撮れてんじゃん」

パ「ほんとだ」

シ「へぇー、そのなりの割には、いいですね」

ト「おっとぉ?」


コ「レイン、表情が堅いよー?もっと柔らかく、ね?レインは素で可愛いんだから、笑ったらもっと可愛いよ?」

レ「そんなに褒められると...その...少し、恥ずかしい///」


 コクウからの怒濤の褒めに赤面するレイ。でも、嬉しそうな表情が隠せないでいて、ニヤけた顔が少し見える。と、その瞬間横から

パシャッ、

 と音が聞こえる。


ト「いやぁ、いい表情が撮れました!

皆さんどうです?この、『頬を赤らめて恥ずかしそうに、でも少し嬉しそうな表情の彼女』の写真、いくらで買いますか?」

シ「銅貨20枚」

リ「21枚!」

パ「35枚!」

コ「銀貨10枚!」

レ「勝手に競りに掛けないで!!この写真は非売品です!!!」


 あまりの悪ノリに、レイがついに大声を出して怒り出した。怒られている本人どもは気にせずに笑っているがな。


トルネから始まった悪ノリ。これにタイト以外の全員が乗る!タイト!、以外の!、全員が!


タ(なんか、この写真を勝ち取らなきゃ、エレナとか、謎の大きな何かに怒られる気がする。

根拠は無い!)


タ「銀貨25枚」

レ「なっ、!タイトまで、、」

ト「銀貨25枚が出ました!他にはいませんか?」

コ「くっ、部隊の金はタイトが握っているから、勝てない!」

パ「まさか、!これを見越してやつは隊長の座に!」

リ「何を見越してんだよ」

ト「・・・いませんね?では、こちらの写真、銀貨55枚で落札!これにて終了!お疲れ様でした。

では、銀貨25枚頂戴致します」

レ「〜〜ッ//」


 悪ノリのはずが、しっかり払わされてしまったタイト。だが!それでいい!


レ「・・・写真家さん、あなたを詐欺罪と盗撮罪で訴えます。理由はもちろんお分かりですね?」

ト「うむ、真夏の昼なのに冷えてきましたねぇ〜

ささ、早く撮ってしまいましょう。そして、今夜は暖かくして寝ましょう」


 殺気を感じとったのか、早めに切り上げようと声を掛け、写真撮影を再開する。


パ「ほら、みんな、『はい、チーズ』で飛び跳ねるんだよ?!あと手も繋いでね!手も一緒に上げるんだよ?」

((並び

タ・レ・コ・シ・リ・パ))


パ「うっしゃ!思いっきり飛ぶぞぉ!」

リ「任せろぉ!うおぉぉぉぉぉ!」


コ「えへへ〜、また隣!」

シ「ちゃんと手を握っててね」

コ「はーい、

レインも手繋ぐよ?」

レ「あ、うん。

タイトと、手を...繋ぐ」


タ「レイ、手、貸して」

レ「あ、あの!心の準備が!」

タ「来るよ!」

ト「行きますよぉ?はい、チーズ」


 天に届くくらいまで、思いっきり飛び跳ねて、手も上げているパルスとリューソー。

 半ば強引に左手は思いっきり挙げられ、右手はちょい上げのシキ。

 両足を曲げて、両手を伸ばすコクウ。

 訳も分からずとりあえず飛び跳ね、両手の高さは隣の人に任せたレイ。

 今の気持ちを精一杯、写真に収めようと、反対側の2人よりも控えめだが、高く飛び跳ね、左手は軽く、右手は思い切り上げたタイト。


 手の位置や足の曲がり方、飛ぶ高さなどはバラバラだが、皆の表情は笑っており、幸せを感じられるような1枚であった。


シ「次は円になるんだよね?」

パ「そそそ」

ト「で、それを下から私が撮る、と。

なんだか、イケないことをしている気分ですね」

レ「このまま踏んづけようかな?」

ト「ふふ、それは我々にとってはごほu/


リ「戦っている風にしているところを撮ってもらうのはどう?」

コ「ありよりのあり」


 構図は写真機に対して、横方向を向いているような感じ。


タ「どんな構えにしよーかなー」

レ「背中合わせとか..格好よさそう..!」

タ「いいね!一緒しようよ!」

レ「じゃあ、私、後ろ側から顔だけ見ている感じにするね」

タ「了解!」

シ「僕は杖持って相手に向けている感じにしよ」

コ「私はやっぱり弓かなー!」

リ「1番前は俺だ!」

パ「ふん!貴様ら甘いぞ!」

リ「なんだと!?そういうお前はどうすんだよ!」

パ「まぁ、見てな!」

ト「はーい、いいですかー?

はい、チーズ!」


 掛け声とともにパルスは、神技でやや上空に瞬間移動して写真に写った。


リ「うわぁぁ!ずりーよそれ!」

パ「はっはっは!これぞ神技の正しい使い方!」

リ「羨ましいぃぃ!」

シ「正しい、のか?まぁ、楽しそうだしいいか」

コ「私も飛べば良かったッ!」

レ「我、満足也」

タ「急に誰なんだ」


 そんなこんなで5枚程撮って、写真撮影会はお開きとなった。


ト「また撮りたくなったらお声かけ下さい。お安くするかもしれませんよ?」

リ「あぁ、安くするの確定ではないんだ」


 そう言って、写真家は去って行った。


シ「1枚あたりこんなに安くて、大丈夫なのかな?」

パ「たしかになー、もしかしたらほんとにただ、良い奴だったのかもしれない」

レ「いや、あいつただの写真に銀貨25枚支払わせる価値を作り出すやつだよ?結構やり手だよ、」

コ「ううん、あれは損失じゃないから、むしろ私たちの方が利益率高いから。大丈夫」

タ「安いもんさ、銀貨の25枚くらい。レイの写真を勝ち取れて良かった」

レ「今日は、誰も話が通じないな、、、」


((まぁ、この25枚の出費のせいで明日からの旅がかなり苦しくなるんだけどね!

まぁ、それはまた別のお話だよーん))

リ「意味深な語りを入れんじゃあ〜ねぇぜ!」


 さぁて、陽も傾いてきたことだし、今日はもう寝る!


タ「状況を説明する文面ですら、自由になりつつある」

パ「今後一体、どうなるんだ〜?」

((乞うご期待!!))



タ「風呂上がったから、次入っていいよー」

リ「おう!」


 その夜、タイトは日課の紙飛行機を折っていた。

タ(いい旅に、面白い旅に、なりますように。っと)

 

 今夜は無駄に振りかぶったり、助走をつけたりせずに、窓際から手首で軽く押し出すように飛ばした。


タ「行ってこいー!」


 飛ばした紙飛行機はゆらゆらと揺れながら、時折傾いたり、急降下したり、墜落しそうになるが、それでも飛び続けた。


 軽いような重いような、そんないろいろな思いを乗せて進む。何度挫け、逃げ出しそうになろうとも、タイト達は進み続ける。


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