第27話 この世界のあれやこれや
/639年7月3日/
〜街の図書館にて〜
コ「本日は、勉強会をしたいと思います、!」
小さめの声で力強く言い放つコクウ。その目には、なにかの意思が宿っているかのように見えた。
リ「はいっ!先生質問です!」
空気を読まず、やや大きめの声で喋りだしたリューソー。
コ「図書館内では静かに、
なんでしょうか?」
リ「どうしていきなり勉強会なんですか?」
コ「あなた達がこの世界を知らなさすぎるからです!無知とはそれ即ち弱点であると言えます
この先、『知らなかった』で死んでしまっても、時間を戻してやり直すことはできません
なので、!今のうちから知識を付けておこうと思います。知識は力です!さぁ、頑張りましょう!」
レ「なんだか、いつもより張り切ってるね」
シ「コクウは頭も記憶力もいいからね、人に教えるのが楽しいんだよ」
タ「羨ましい」
パ「あ〜、文字が多くて頭痛くなってきた」
その後は各々気になる本を手に取り、分からないところはコクウに質問する、というのが一連の流れとなった。
リ「600年前の戦争ってなんだ?」
コ「この世界で起きた人類対魔族の大規模な最後の戦争のこと。そこでたくさんの人と魔族が死んだんだよ。
で、生き残りの魔族が今、最北の地で魔王として君臨しているんだよ」
リ「人類が勝ったのかな?」
コ「一応、勝ったみたい。残党は未だに居るけどね」
リ「そいつらを俺たちがぶっ倒すんだな、!」
コ「その意気だよ、!」
リューソーは勉強の意欲はあるようで、熱心に本を読み進めていく。パルスは先程から一言も喋らなくなってしまい、ちゃんと理解出来ているのかわからない。
タ「人間にもいろいろな種族があるんだね」
レ「ね、私もこんなに多いとは思ってなかった」
コ「そうなんだよー!
その種族しか居ない村とか町とかもあって、血が絶えないようにしてるんだよ。
でもね、結構前から村から出て、別種族同士で子供が出来たりしてて、最近では純血の人がかなり少なくなってるんだよー」
シ「そのせいで、それぞれの種族には自身の能力を底上げするような機能?が備わっているんだけど、それをできる人が激減してるみたい」
コ「まぁ、でも種族の特徴と何が強化されるかは把握しといた方がいいと思う。戦ってる時に頭の片隅に置いとくだけでも全然違うと思うから」
タ&レ「「なるほど」」
タイトとレイはコクウに言われた通り、頭に叩き込むために本の1頁をめくった。
タ「あ、これついこの前戦ったあいつの種族じゃない?」
タイトが本の挿絵を指さし、内容をレイが読み上げる。
レ「種族、薄明
特徴、青色の髪に寿命が人類の中で最長。平均200歳
種族覚醒、て言うんだ。えーと、魔法の練度大幅上昇・魔力量上昇」
タ「俺も薄明だったら、エレナに文句言われなかったかな?笑」
レ「あー、はは、どうだろうね?エレナなら『そんなんに囚われんな!剣使え!』って言いそうだけどね笑」
タ「うわー、それほんとに言いそう」
シ「?その、エレナって人は?」
タイトからつい出てしまったその名前に、シキは率直に質問をするも、タイトがやや困り顔で答える。
タ「あー、えーっと、、俺の姉ちゃんだよ」
コ「へぇー!タイトお姉さん居たんだ?!」
タ「そうだよー、居たんだよー」
コ「あ・・・」
重い空気を作りたくないタイトは、伝わるか分からないほどの遠回しな発言で事実を公言すると共に、明るい口調でもう気にしていないという自身の心の内も明かした。
それに気づいたコクウは咄嗟に口を噤んだ。また、その雰囲気の意図を汲み取ったシキは、いつもと変わらない笑顔で会話を続けた。
シ「聞いた感じだと、結構真っ直ぐな人だったのかな?元気いっぱいの明るい人」
タ「そんな可愛いものじゃなかったなあれは笑」
レ「言葉より拳!って感じの人間だったね」
コ「でも、2人とも、その人のことが大切だったんだね」
タ「え?」
心外な言葉にタイトは呆けたような声を出した。コクウは気にすることなく続けて、
コ「だって、今2人とも本当に楽しそうな、いい顔で笑ってるよ?」
タイトが自分の顔に手を当て、初めて笑っていたことに気がついた。そしてタイトは、なんだか嬉しいような懐かしさを感じるような笑みを浮かべた。
レイは驚いたような表情をして動かなくなってしまった。
コ「2人はそのままで居てね」
タ「この隊最年少に諭された、、」
コ「そこは気にしなくていーの、!」
レ「次に...行こうか」
シ「そうだね、雑談はこれくらいにして勉強会に戻ろうか、」
コ「張り切っていきましょー、
・・・で、そこでちゃっかり漫画を読んでる人、絵本で勉強してる気分になってる人立ちなさい」
コクウがいきなりそう言うと、珍しく会話に参加してこなかった2人が静かに立ち上がった。
パ「いやぁー、今まで見たこと無かったからつい」
リ「文字が多くて頭に入ってこなくて...挿絵がたくさんだったら分かるかなと思って、、」
コ「リューソーはその...なんかごめん。
・・・でも、パルスはダメ」
パ「すみませんでした」リ「許された、!」
コ「リューソーは分からないとことかあったら私とかに逐一聞いていいから、絵本じゃないの持ってきて
パルスはとりあえず漫画をしまって、何か取ってきなさい」
リ「女神様...わかりました!」
パ「了解しやした、お頭」
静かに素早い動作で本棚へと立ち去って行ったリューソーとパルス。
コ「リューソーはすぐに調子乗るんだから、全くもう、!」
そう言うコクウは満更でもない様子。
レ「じゃあ、いくよ?」
タ「あぁ、ごめんごめん」
レ「種族、東雲
特徴、橙色の髪と背中に翼が備わっている。種族覚醒はないが、その翼で空を縦横無尽に飛翔することができる」
タ「翼かぁ、いいなぁ、俺も空を飛んでみたい」
シ「ちょっと憧れるよね」
タ「あ、!分かるよね?シキも同じこと考えててなんか嬉しい」
シ「どうゆう意味だよ笑」
挿絵の翼を見て少々興奮気味のタイトはシキと意見が合い、2人で静かな盛り上がりを見せた。
レ「次行きますよ〜?」
タ「はーい」
レ「種族、霧霞
特徴、黄色の髪。種族覚醒は同種族間での念話が可能。それと、結界関係が得意。多くは貴族の護衛として仕えている」
タ「戦闘中に意思疎通がしやすいのか」
コ「それに結界もあるからこいつらを相手するのは結構きついと思う」
レ「種族、黄昏
特徴、はまた黄色?で貴族の血筋。種族覚醒は犬や猫、鳥や虫から熊に至るまでの生物全てに命令することができる」
シ「黄色で被っているのは多分、紛れるためだと思うよ」
タ「やっぱり命とか狙われるのかな?」
パ「まぁ、貴族の中でも優劣がー、とか妬みや恨みが多いからな、それのためだろ」
レ「次は暁星
特徴、緑色の髪で一族代々武器などを作る鍛冶職人。種族覚醒、魔道具を1度だけ作ることができる」
タ「これってティールの種族じゃない?村で鍛冶師やってるとか何とか言ってたような」
レ「多分そうだね」
タ「だよね、!で、なんかその種族の王とかも言ってた気がする」
レ「あー、確かに言ってたね」
シ「え?普通、人には教えない情報なんだけどな」
シキが驚いたように、やや食い気味に口を挟んできた。
タ「なんで?」
コ「種族の王は他の同族と比べて格段に能力が強いから、子供の時に誘拐される、なんて事件が結構起きてるんだよね
だから、自分の身を守れるくらい強いか、護衛を付けないと危ないんだよ」
レ「でも、一応彼の父親が常に?そばに居たから大丈夫なんじゃない?」
シ「うーん、その人の強さ次第だけど不安だな」
レ「私たちが今更気にしても...」
シ「・・・それもそうか」
今更気にしたところで意味がないということで、この話は決着が着いた。こんな話を聞くと、若干の不安が募る。無事で居てくれることを祈るしかない。
リ「なんで水を蒸発させたら爆発が起きんだ?」
微妙な空気を洗い流すかのように、リューソーが純粋な質問を問いかけてきた。
タ「それは、水を蒸発させると体積の1700倍の水蒸気が発生するんだよね。
で、それを急速に蒸発させると、水蒸気が一気に放出されるから爆発が起きてるんだよ」
((多分))
コ「タイトは科学が得意なのかな?」
タ「師匠?に叩き込まれたからね。『魔法でできることはなんでもできとけ!』てね」
シ「へぇー、今度教えて貰おうかな?」
タ「全然いいよ!気軽に聞いてね!」
頼られるのが嬉しいのか、割と大きな声を上げて返答するタイト。それに不満を抱く者がひとり
コ「シキには私がいるのに〜!浮気ですか?」
ジトーっと、湿度が高くへばりつくような視線でシキを見つめるコクウ。浮気は絶対に許されないらしい。
シ「ぇ?」
コ「私に聞けばよかったのに〜、なんで聞いてくれなかったの?」
シ「だって、、まさかそっちの知識もあるとは思ってなくて...」
コ「今までずーーーっと一緒にいたのにぃ?そんなわけないよねぇ?」
シ「そ、それは...」
レ「次 行 こ う か」
2人の空間が作られたが、一切の興味を示さずに無視を決め込むことを宣言したレイ。
タ「逃げの判断が早すぎる、!」
パ「タイト、遅いぜ!こっちはとっくに自分の世界に逃げてる!」
リューソーは元々聞いていないので、タイト以外は甘そうな波長が流れたところで既に耳を閉ざしていた。
レ「えー、次の種族は、月夜
特徴、身体の一部、もしくは全身が動物の特徴が見られる。種族覚醒は五感がその身体に現れている動物と同じくらいに研ぎ澄まされ、身体能力が上昇する」
リ「なんか、満月見たら大猿化しそうな種族だな。獣ってとこも共通してるし、」
リューソーが自分の手にある本を読みながら口を挟んできた。
パ「どこの野菜人だよ。こいつらは世間一般で言う獣人族だな。この種族は王を公言していて、代々狼の見た目をしてる奴が務めているらしい」
タ「王が誰か、見た目で判断しやすいのか...大丈夫なのか?」
シ「そこは大丈夫、さっきもレインが言ったと思うけど、獣人族として覚醒した人は動物の身体的な能力を使えるようになるからね、野生の勘とか危機感知能力がずば抜けてるんだよ。
同族間の結束力も他と比べて強いから心配しなくていいと思うよ!」
パ「でも、最近見たんだけど、2週間くらい前かな?獣人の村が奴隷商人に襲われて子供やら狼やらが攫われたらしいぞ。
新聞で見た」
パルスの言葉にシキがゆっくりと振り向く。表情には驚きが見える。
シ「・・・マジ?」
パ「マジマジ」
コ「やばいね、それって奴隷商人の武力が相当なものであると言える。
それくらい獣人族は強い」
コクウが深刻そうな表情で言った。
タ「あんま無いと思うけど気をつけないとね」
コ「明日は我が身、だよ。そんな意識じゃダメ」
タ「ご、ごめんなさい」
コクウからの厳しい一言にタイトは深く反省した。
タ「その...次...どうぞ...」
怒られたタイトはしょんぼりしながら次を催促する。
レ「種族、昼夢
特徴は赤い髪。種族覚醒は一度に扱える魔法の数が増え、魔力効率が劇的に良くなる」
パ「赤い、髪...」
パルスが立ち上がり、怪訝な表情でゆっくりとリューソーの方を見る。
パ「おい、リューソー、お前の自分の種族って何かわかる?てか、ある?」
リ「種族?あるよ、確か昼何とかだった気がする」
パ「昼夢?」
リ「そうそう!それそれ!」
パ「ちなみに両親の種族は?どっちも違う種族だったり無種とかで一般上がりだったり?」
リ「んにゃ、親はどっちも昼夢で、俺の生まれ育ったとこも白昼の村だった」
それを聞いた途端、パルスが頭に手を当て、ふらっと倒れそうになる。
パ「魔法は?!お前の種族バリバリの魔法種族じゃねぇか!」
コ「図書館内では静かに」
魔法が苦手で上手く扱うことが出来ないパルスが、その気になればいつでも扱うことができそうなのに、魔法を使う気すらないリューソーに声を上げて怒りを露にした。
リ「いいだろ別に、
こん前の青髪のやつも魔法だけじゃないって言ってただろ」
パ「あいつはちゃんと魔法も使って!/リ「悪ぃ、!俺、魔法単体で攻撃できるやつだけは使わないって決めてんだ」
熱くなるパルスとは対になるように、リューソーは正面から冷静に突っぱねるように宣言した。
パ「なんでそこまで」
リ「・・・俺の、目標と誇りのため、」
リューソーの言葉を最後に、言い合いは止み、冷め切った重苦しい無音の空気が流れた。
シ「落ち着いてパルス、
人にはそれぞれ事情とかあるもんだから」
シキが空気を優しく流すように、パルスをなだめ、リューソーにも矛先が向かないようにした。
パ「そうだよな、リューソー、すまん」
リ「俺の方こそすまん。言葉が足りなかったかもしんねぇ」
お互いに謝罪し、2人の喧嘩は短い間だったが終わりを迎えた。
パ「・・・ちなみに理由を聞いても?」
パルスが最後に、頑なに魔法を使わない理由をリューソー問う。が、
リ「・・・今はまだ遠すぎるから、まだ言えねぇ」
パ「そうか...」
リューソーが問に答えることはできなかった。
ペラッ、
レイが1頁本を捲った。次の頁を見て一瞬レイの動きがほんの一瞬止まった。
レ「次、、極夜
特徴、黒い髪に種族覚醒時に瞳の色が青色に変化する。種族覚醒は神技の使用回数が無制限になる。つまり、技力の使用量が零になる。身体能力大幅上昇、戦闘知能が高くなる」
タ「俺があるとしたら極夜か〜、混血だからないと思うけど、」
シ「ううん、混血でも先祖に極夜の種族の人がいれば、覚醒する可能性はあるよ」
タ「あ、そうなの?だからさっきパルスはリューソーに、親の種族が違わないか、みたいなこと聞いてたんだ、納得」
コ「結構稀だけどね、たまに両親の種族とは別の種族が覚醒したりするよー」
リ「もしかしたら、もしかするかもな」
タ「もしかするといいなー」
パ「なんじゃその言葉」
レ「あ、」
無言でその頁を見ていたレイがいきなり声を上げた。そして、続けて恐らく本の内容であろうことを声に出して言う。
レ「ただし、とある宗教団体が神に背く覚醒能力だとし、620年の大規模な種族狩りにより、ほぼ絶滅した」
リ「ヤベェなそれ」
タ「俺の最後の希望が、!
さすがにそこまでやったら、解体させられるでしょ」
ここでタイトが周りに意見を求めるように、顔を上げて見渡すと、みんな揃いも揃って手を顔に当てたり、他所を見ていたりしていた。
シキに至っては心当たりがあるのか「あれかぁ〜」と声を出して落胆していた。
パ「いや、こいつら武力だけは相当なもんだから誰も手が出せないで、今も尚宗教団体は存在してるぜ」
リ「なんて宗教団体だよ!
導くとかいう次元じゃねぇぞぉ!」
タ「もはや強制的に歩かせている。
てか、神に背く覚醒能力てなんなんだよ」
レ「それは、!」
それまで口を出していなかったレイが、胸に手を当てながら、やや大きめの声を上げた。
レ「神技が無制限で使用可能なところだと思う。
神技、技力は神から与えられた力というのが、一般的な常識であるんだけど、その宗教団体はその力を与えてくれた神を崇拝している。故に、その神技を無制限に扱う極夜とは、与えられた力の制限を勝手に壊して使っていると考えているみたい。だから神に背く謀反者として極夜は排除された」
淡々と告げられる内容にタイト達は絶句していた。
リ「えぐイカれてんな、この宗教団体」
タ「化けもんかよ、、、
あんまり関わりたくないなー」
シ「ま、まぁ、普通に生きてたら関わることなんてそうそうないし、狙われるなんてほぼほぼないからね」
コ「こうゆう人たちもいるんだー、くらいに考えておこう」
パ「でも、信仰してる奴、全員が全員行かれてるわけでもないからな、多分普通に信仰しているやつの方が大半だと思う」
タ「それもそうか、信者全員に至るまで化けもん揃いの宗教団体とか聞いたことない」
((宴会芸が得意な女神の信者なら当てはまるぜ!))
コ「それは別方向に終わってるから、今回のとは全く別だから」
パ「最近はこいつを1人として数えてしまって、普通に受け答えしている自分が嫌になってきた。」
((またまた〜、ご冗談を〜))
パ「ははっ、さすがにね、さすがに」
楽しく陽気に笑いながらノリに乗るパルス。が、一転して、
パ「本気、だから」
急にスっと真顔になり、楽しそうにしていた雰囲気をぶち壊した。
まるで、今の今まで肩を組んでいた相手の脇腹に向かって飛び膝蹴りを繰り出すような突っぱね方に今日はこの後喋りかけてくることはなかった。今日のところはな。
レ「じゃあ、次はー、」
そう言いながら、レイはまた本の1頁をめくる。
レ「種族は白夜
特徴、白い髪。種族覚醒は、不明...。
600年前の戦争にて力を与えられたにも関わらず、戦うことを放棄した臆病者。
戦争を放棄した後の行方は分からない。終戦後も目撃情報が少なく、どれも誤情報であったことから既に絶滅したとされている」
タ「白い、髪。」
そう呟きながら、シキとコクウを見るタイト。それに気づいたシキが笑顔を見せながら答える。
シ「僕たちは違うよ。色が一緒なのはたまたまだけど、本にも書いてあるとおりきっともう絶滅してるんだよ」
コ「タイト達も髪の色同じでしょ?」
タ「あ、確かに」
言われてみればそうだ。偶然なんていくらでもある。考えすぎなんだ、タイトとレイも、シキとコクウも。
リ「死災と異常体の違いってなんなんだ?どっちも半端なく強いっ!てのは知ってるんだけど、」
リューソーが本の方から目線は逸らさずに、こちらに問いかける。その問いにコクウはきっちりと答える。
コ「異常体の方は、一等星の階級の人が倒せる程度だけど、死災は違う。
奴らは規格外の強さを持ってる。一等星でも、あの最強でも無事に勝てるかわかんない。もしかしたら負けるかも」
シ「多分、もし遭遇したら襲われたこと、死んだことにすら気づかない」
リ「まじかよ、、死災やべえな」
タ「最強、、」
最強という言葉にタイトはレイと目を合わせる。(ジ「やぁ、!」)頭の中に自称最強が思い浮かぶ。
そして「まさかァ〜」みたいな顔して首を振り、頭の中の自称最強を吹き飛ばす。
タ「ねぇねぇ、異常体ってなにか聞いてもいい?」
タイトの発言にコクウが『まじか?!』みたいな顔して振り向く。
リ「え、知らねーの?
さすがの俺でも知ってるぞ」
パ「どこで育ったんだよ」
タ「そこまで言う?」
どうやら結構常識的な知識らしい。そんなん知らね。
コ「えーっと、異常体っていうのは、他の魔獣とは明らかに知能が高く、異常なくらいに強力な神技を持っている魔獣、動物、生き物のことだよ。
たまに、魔獣とか動物とかにも神技を持つものが現れるけど、こいつらが格別される所以は知能の高さにある
神技、魔法の扱いがかなり上手いし、地形を利用した戦い方もする」
タ「盛り込みすぎだろ、
誰かに作られたみたいなやつだな」
シ「そう、普通では有り得ない強さを持つから、彼らを僕たちは総称して『異常体』と呼んでいる」
レ「・・・この世界、覚える知識が多すぎる」
((それはごめんやん。
でも、後出しで説明するのは後付け感あって嫌なんすよ〜
その都度説明が入るのもくどいような気もするから、説明できるうちにできる分しとこうかなって...))
リューソーは優しく、うんうん、と頷きながら、
リ「私は許そう、
だが、読者がそれを許すかな?!」
((許せ読者、
そう言って俺は、読者の額に指を押し当てる))
パ「読者が千鳥しだすぞ」
リ「ならば、こちらは螺旋丸!」
パ「その螺旋丸を、ぶっ壊す!」
コ「ちょっと待って、、、混ぜすぎ」
コクウのツッコミで色々と混ざりあったものどもが、ピタッと止み、消え去って行った。
レ「なんか・・・疲れたね」
タ「色んな意味でね」
コ「今日のところはここんとこで終わっとこうか」
シ「あまり詰め込みすぎてもあれだしね、」
無言で拳を突き上げるパルスとリューソー。あるはずのない逆光で顔が見えねぇ。
コ「まぁ、こんな感じの勉強もとい、事前知識的なのを時たま、やるかもしれないのでよろしくお願いします。
見た方が面白く見れるはずなので、嫌でも見てやってね」
シ「うーん、、誰に、言ってるの?」
コ「画面の前の読者」
シ「なるほど」
その後、タイト達はコクウの宣言通り、勉強会が終わり、図書館を出た。外に出ると陽の光は橙色になっていた。
1部屋2人の宿を3組取り、タイトリューソー・レイパルス・シキコクウの組で部屋に入った。
リ「頭が容量超過で爆発しそう」
タ「俺もあれ全部覚えれる気がしない」
リ「だよなー、まぁ、分からんかったらコクウが教えてくれるだろ。そのうち覚えていけばいいだろ」
タ「それもそうだね」
リ「よし、!じゃ、俺先に風呂入っから、タイトは日課やっててくれ」
タ「お、気が利くね〜」
リ「へへ、誰だと思ってんだよ」
リューソーが浴室の扉を閉めたと同時に、タイトは白紙の紙を取り出し、いつも通り紙飛行機を折る。
完成した紙飛行機を一瞥し、綻びなどがないか確認した後、窓を開けて振りかぶる。
タ「飛んでけー」
そう言いながら放った紙飛行機は、まだ日の落ちきっていない斜陽の中を突き進んで飛んで行った。




