第25話 またお前か!
遅くなりましたが、これから資格勉強のため投稿間隔がかなり開くこととなります。時間がある時に投稿しようと思います。11月の半ばからは週1か2くらいで投稿を再開すると思います。
ご了承の程、よろしくお願いします
/639年6月29日/
午前10:30
今日は昨日の決闘直前に受領したワームの討伐の為、目標地点まで雑談しながら目指す一行。
リ「いや〜、俺もあのガキみたいな神技欲しかったな〜」
タ「ガキって、あの体から刃を生やしてたあいつ?」
リ「そうそう。夜の飯ん時聞いたんだけど、体のどこからでも大きさとか刃物の種類とか、割と自由に生やせるらしい」
パ「それは結構なもんだな」
リ「脆いのが欠点だけど、それ差し引いても強いわ。あいつ木に張り付いたりしてたからな。それに二刀流がカッコイイ!」
パ「それが5割占めてるだろ」
リ「失敬な!8割だぞ!」
パ「帰れ」
大真面目な顔で言うリューソーに真顔で返すパルス。仲が宜しくて何より
シ「タイトがやられたあの謎の攻撃は、恐らくカマッセの神技だよ」
タ「あ、やっぱり?」
シ「確か<蓄積>って言って、肩を回したり、腕を伸縮させることで勢いを貯めて、それを一気に放つことが出来る能力。
タイトはカマッセの拳に押し出された空気、衝撃波をもろに食らったんだと思う」
レ「元々私に向けて放たれたものなんだけどね」
タ「たまたま延長線上にいただけなのに、」
コ「あと、他にも味方と相手の居場所が分かるようになるやつとか、
発せられる音が全部聞こえなくなるとか、
見えない壁を作るやつとか、
物体をすり抜けるやつとかいたと思う」
パ「お、最後の2つは私が相手したやつだな。私瞬間移動だからあんま意味なかったけど」
レ「聞く限りかなり厄介そうなんだけどね」
タ「相手も相手が悪かったな、可哀想に」
リ「コクウ、よく覚えてんな。てか、知ってるなら教えてくれても良かったのに、と思うのは卑怯だよな」
コ「その通り!よくわかってるね〜!」
コクウは満足気な表情で答えた。
タ「やっぱり無能力者は少ないんだな...」
リ「まぁまぁ、いいじゃねぇか!お前は足から魔法出せるとかいう神技みたいな、変態的な凄技があるんだから」
タイトは足に魔力を込め、土魔法でリューソーの足場を勢いよく押し上げ、リューソーを大きく後方へ飛ばした。リューソーは直立不動の姿勢で体を自然の中へと預けた。
シ「まぁ、真面目な話、足から魔法を出せるのは神技によるものなんじゃないかと、僕は思ってる」
タ「うーん...じゃあさ、シキとみんなにも聞きたいんだけど、神技を使えるようになった瞬間ってどんな感じだった?」
コ「朝目が覚めた瞬間に、『なんかできそう!』みたいな感じで、頭にパッと浮かんできた!」
パ「私もー」
レ「私は朝起きたら、既に視界がそうなってた」
シ「あ〜、僕も頭の中に詠唱する文字が並んでた」
タ「そうでしょ?俺のは魔力の流れとかをめちゃくちゃ想像して、やっと出せるようになったんだ」
シ「なるほどね〜。ほな神技とちゃうか〜」
レ「でもこの子、足から出るように特訓を初めて1日目でできていたんですよ〜」
コ「ほな神技やろな〜」
タ「でも、調節間違えたら、靴ごと行っちゃうんですよ〜」
シ「ほな神技とちゃうかもな〜」
パ「何やってんお前ら。
ほら、もうすぐで目的地に着くよ」
くだらない茶番を繰り広げているうちに、タイト達は目的地の近くまで来ていた。
リ「あれ?ここって前に熊の群れを討伐しに来たとこに近いじゃね?」パ「うわ、もう帰ってきたのかよ」
シ「そうみたいだね」
コ「パッと見ただの平原っぽいけど、、、」
タ「レイ、地面の中に何か見える?」
レ「今見てるー
・・・うわぁ、なんか芋虫みたいなのが地面を蠢いてる」
タ「どこら辺か指さしてみてくれない?」
レ「うーんとねー、」
レイは地面をじっと見つめながら、人差し指をゆっくりと地面に向けてやや斜め方向に指を差した。
レ「ここら辺にずっと真っ直ぐの所にいる」
タ「そこにその方向ね、りょーかーい」
タイトはそう言うと、その場で足に魔力を込め、レイの指差す場所から指差す方向で魔力を流した。
シ「何やってるのー?」
タ「土魔法で地面の中を押し出して、なんかいい感じに当たんないかなー?って思って」
パ「そんなんで当たるかい」
次の瞬間、
ゴゴゴゴゴゴゴ
という文字が見えそうになるほどの地鳴りと、微小な地震が起きた。
コ「え?地震?」
パ「なんか破壊しちゃダメなもんでも貫いたか?」
レ「あ、今凄い勢いでワームが地表に上ってきてる。
多分当たってる」
リ「こんなんで平穏な日々が壊されるワームが可哀想」
シ「どこら辺に上がって来そう?」
レ「えーっとね、、、そこ」
そう言って指差した先にはリューソーが。
リ「え?俺の真下?!」
レ「うん」
リ「はよ言えや!」
リューソーはその場から離れるように、急いで大きく横に飛んだ。ほかの仲間もワームの地点から逃れるように離れた。
ボオォォォォン!!
地表から5m程、勢いよく土が飛び上がり、大きな砂埃が立つ。
リ「あっぶねー、もう少しで巻き込まれるとこだったぜ」
シ「出てきたか?」
徐々に砂埃が収まり、ワームの姿が露になる。
体は円柱状で直径が3mほどあり、全長は地面から出ている部分で5mはある。茶色の体色で何故かテカテカと太陽の光を反射している。
ワームが頭のてっぺんをこちらに向けて大きな口を開けた。歯が口の中を一周するようにびっしりと並べられており、それが5周分ある。
リ「うへぇ、気持ちわりぃ」
タ「思ったよりデカイな?全長どれくらいだろ?」
レ「今ちょうど、半分出てきてるところ」
コ「うわぁ、フ〇フルみたいで可愛い」
リ「可愛いの指標ぶっ壊れてる?」
パ「なんで年頃の女子ってなんでも可愛いって言うんだろな?」
リ「年頃の女子が言うなよ」
タ「あれ?シキー?どうしたー?」
喋らないシキにタイトが呼びかけるも、シキは返事も動くこともせず、その場でワームを見続けていた。
コ「そういえば、シキって虫とか、こういうなんか、何考えてるかわかんないような生物が苦手だった気がする」
タ「え!?そうなの!?だとしたら、なんか悪いことしちゃったな」
パ「なんか、シキの色素が抜けて、安らかに眠りそうだぞ」
リ「さっき、[出てきたか?]とか、冷静に状況判断してたのに、こうはならんだろ」
急に無視され始めたワームが、突然大きく口を開けて、砂埃を立てるほどの息を吐き始めた。声帯はないのでただ、唾液混じりの空気を飛ばすだけである。
飛ばされた空気と唾液は皆に当たることはなく、風は横に流れ、唾液は空中で静止していた。風が止むと、唾液は次第に地面に落ち、土に染み込んで行った。
コ「唾飛ばさないでよ、汚い」
パ「さっき可愛いとか言ってたのに」
コ「さすがに唾は話が違う」
リ「さすがにってことは、多少は気持ち悪いって思ってんのかい」
コ「そんなことより、私はシキを起こすから速くあれ倒してきて」
レ「既に地表付近を凍らせたから、今なら潜れないはずだよ」
タ「さすが仕事が速い」
レ「こうでもしとかないと物語が進まないからね」
((てへっ))
タ「行け!リューソー、パルス!聖なる剣!」
タイトの掛け声で走り出す2人。
パ「〇ケモンかな?」
リ「レレジギガガガ」
パ「雑魚特性のやつやん」
ワームは地面の中に戻ろうとしているのか、巨体をグネグネと動かして暴れている。
パ「ほんじゃお先に」
リ「おい!ちょっ、まっ、ずるいぞ!」
<瞬間移動>
パルスは動き回るワームの根元の真上、約5m程の位置に移動し、そのまま重力に身を任せ、回転しながら、ワームに斬りかかった。
ザシュッ!
心地いい切断音と共にワームの体は一刀両断され、真っ二つに別れた。切断面からは謎の体液が大量に吹き出し、ワームは音を立てて地面に倒れた。
切断後、ほんの一瞬ワームの体が動いたが、以降動くことはなく、そのまま剥ぎ取り作業へと移行した。
シ「みんな、よくそんなに近くまで寄れるね...その変な汁とか絶対に触りたくないくらい気持ち悪いのに、、、」
シキは既に動かなくなったワームから5m程離れた位置で、作業が終わるのをただ見て待っていた。そんなシキにコクウが作業を中断して近づいて行った。
コ「大丈夫、シキは私だけを視界に収めて、私以外を除外すれば、こんなの気にならなくなるよ、
だから、大丈夫」
シ「!、その手があったか!」
コクウ自分の顔をシキの顔に当たりそうになるギリギリまで近づけて、少し悪そうな含みのあるような声でシキに語りかけた。それにシキはなんの躊躇もなく全肯定するだけだった。
リ「愛が重いな。お互いに。」
リューソーは2人の会話に目を向けることなく、作業を続けながら独り言を呟いた。
リ「てか、これってそもそも売れんのか?」
パ「どうだろーな?お前が知らねえってことは、誰もわかんねぇよ」
タ「店の人、卒倒しないといいんだけどね」
レ「まぁ、こいつの気持ち悪いところは全部を総合して見てみると、って感じだから一部分だけなら分からないよ、、多分...」
その後も与太話を続けながら剥ぎ取りをし、地表に出ている部分の5分の1程を手に入れたところでリューソーが立ち上がり、終了のきっかけを作った。
リ「うし!これだけあれば十分だろ」
パ「いらないって言われても困るしね、あんまり高く売れなさそうだしね」
タ「ほんじゃ、あとは焼いとくねー」
リ「おん!よろしく!」
タイトは火魔法で、ワームの残った残骸を地面に取り残された分も含めて焼き払うために火をつけた。
ワームの体は少し湿っているため、火の燃え広がりはかなり遅いが確実に広がっているので、タイト達はそのまま待機する。
リ「これで任務は終わりだよな?」
タ「そのはずだけど」
リ「なんかさ、簡単すぎね?こんな内容なら誰かしら先にやっててもおかしくないのに」
タ「そういや、任務の張り紙もだいぶ古びてたな」
シ「みんな気持ち悪がって受けなかったんじゃない?」
リ「そんな訳あるかい!
こんな簡単な任務そうそうないぞ?」
コ「まぁ、普通に考えて見つけきれなかった、出てこなかった、くらいが妥当じゃない?任務の対象がそもそも現れないと話にならないし」
リ「でもそれってさ、レイみたいな神技とか、土の中潜る的な神技とかがあれば達成出来るもんじゃん?」
コ「口の減らない小僧だね。さっきから何が言いたいんだい?」
リ「え、小僧?俺の方が年上なのに...」
煮え切らない様子のリューソーに少し苛立ち、魔女口調になるコクウと、突然の小僧呼ばわりに衝撃を受けるリューソー。
レ「達成されていない理由が何かしらあるって言いたいの?」
横からレイが割って入ってリューソーの言いたいであろうことを代弁する。
リ「そうそう!そういうこと」
コ「語彙力ッ!」
リ「んな細けーことは気にしなくていいんだよ」
コ「細かくないよ!生きていく上でかなり重要な能力だよ!それがリューソーには欠落している!」
リ「今みたいに、レインにはちゃんと伝わってるし」
コ「語彙力低いと、人に誤解されることだってあるんだよ!?」
/ピーチクパーチク\
2人がこの無駄な言い争いをしている中、タイトはじっと空を見上げていた。
パ「タイトォー、、、タイトと隊長って語感が似てんな?
空を見上げて何見てんだ?」
タ「タイト...隊長...
ここら辺ってこの前熊を討伐しに来たとこと近いじゃん?だからさ、あいつらがまた来るんじゃないかと思って上見てたんだけど、」
と、ここまで言ってタイトは人差し指を上へと向けてパルスの視線を上へと向かせた。
黒煙の立ち上る、広大な青の中に2つの黒い影が旋回しながら自由に泳いでいるのが見えた。
パ「いますなぁ」
タ「いますねぇ」
パ「またアイツらか。
こん前1匹倒したから今回は2匹か」
タ「まぁ、今回はこいつ取られても別に、って感じだけどね」
タイトはワームの残骸を指さして言った。
パ「でもなんか、めちゃくちゃに倒したいよな、あいつら」
タ「上からこっちを見下ろしやがって、、、頭が高い奴らだ」
シ「またあの害鳥来た?」
タ「来ちゃったみたい」
シ「どうする?もう逃げてもいいと思うけど」
タ「あいつこの前売った時、結構良い値で売れたんだよ」
シ「倒したいんだね?」
タイトはシキの言葉に返事をする代わりに、ニィッとした笑顔で振り向いて見せた。
シ「そう、なら任せてよ!」
タ「任せてって、どうすんの?」
シ「まぁ、見ててよ、!
コクウー!爆風からみんなを守ってくれない?」
ピーチクパーチク言い合ってるコクウが驚いたような、不安混じりの表情でシキの方を振り向いた。
コ「使うの?」
シ「うん
きっと、皆なら大丈夫だよ」
コ「そう、、、シキがそういうなら多分大丈夫だね!」
2人は2人にしか分からないような話し方をして、確認をし合った。
リ「お?なんかすんのか?」
パ「シキがあの糞鳥ぶっ倒すんだって」
リ「女が糞とか言うなよ、、、」
シ「皆!多分あいつらはあの残骸を取りに来たんだと思うから、あれから一旦離れるよ!」
タ「わかったー」
シキの掛け声でタイト達は残骸から走って距離を取り始めた。
パ「どんくらい離れる?」
コ「大体、、この辺でいいと思う」
残骸から約50m程の距離で足を止め、再び残骸の方を振り向く。コクウが1番前に膝立ち、その次にシキが杖を両手に持って立つ。
シ「よし!じゃあ、今から僕の準備とアイツらがあれに近づくまで少し待ってて」
コ「みんなー!ちゃんと私の後ろにいるんだよー?」
そう言うと、シキは意識を集中させ、無言で杖を前の方へと向け、魔力と技力を合わせたものを残骸の方へと流した。
それは、残骸を中心に地面付近で半径約30mの円形に広がり、円の形を崩すことなく留まる。
何が始まるのか検討もつかず、タイト達はただ待つのみ。
やがて、2匹の害鳥共が獲物を拾いに急降下して残骸へと近づいてきた。2匹が残骸の約10mの距離まで近づいたところで、シキが大きく空気を吸い込み、大声を張り上げて神技を唱えた。
シ「<エクスプロージョン>!!!」
瞬間、地面付近に留まっていたものが地面に着き、魔法陣を描き、激しく光出した。そして次の瞬間、残骸を中心に大爆発が起きた。
ドゴォォォォォン!!!!
シキの生み出した爆発は害鳥を瞬く間に飲み込み、爆発で生じた衝撃波は森の木々を、平原の草を、大気中の空気を揺らした。地面は大きく抉り取られ、黒煙は天にも届くかのように高く舞い上がった。
黒煙の中から2つの黒い影が放物線を描いて飛び出し、そのまま地面に墜落し動かなくなった。
レ「あら、害鳥共死んじゃった」
リ「これで原型保ってるのは、ヤベェな」
シ「どうですかい?隊長!」
タ「わぁ・・・す、すごいっ!何あれ!?神技?!」
シ「うん!大爆発を発生させる神技だよ」
どことなく嬉しそうに言うシキ。
タ「へぇー、かっこ
ゴゴゴゴゴゴゴ
タイトが言葉を言いかけたところで、地面が先程とは比べ物にならないほどに強く、小刻みに揺れだし、地鳴りが響き渡った。
パ「今度は何!?」
レ「あ、やばい、下からワームが凄い勢いで上がってくる」
リ「もう1匹居たのか!
シ もう1匹居たの?!」
レ「いや、1匹じゃない」
ドン!カッ!ドドカッ!ドンドカドドドカッ!ドン!カッ!ドン!ドドカッ!カッ!
と、次々に地面からワームが地面から飛び出してきた。
リ「今日のご飯なんだろう?」
パ「とんかつ」
レ「え、?え、?この状況で何言ってんの?」
タ「爆発音に驚いて出てきたのか?!」
コ「ああ!シキがあまりの光景に完全に意識持ってかれた!」
見てみると、シキが風に煽られて、サラサラと体の一部がゆっくりと飛ばされて行く。
コ「私、またシキを何とかするから、そっちよろしくね!」
唐突に任されたタイト。3人の方を振り返ると、既に刀と剣を抜き取り、戦闘態勢に入っていた。
リ「今までのヤツが任務達成出来なかったのは、全部倒しきれていなかったからか」
パ「さすがにあの任務の書き方は1匹しか居ないかと思うって」
タ「こっち任されちゃったから、やっちゃおうか」
レ「さっさと全部倒して、帰ろう」
リ「よし!誰が1番多く倒せるか、競走しようぜ」
パ「フッ!瞬間移動の私に勝てるとでも?」
レ「私に勝負を挑むなど、、、おこがましい」
タ「勝てる気がしねぇ〜」
この勝負の結果は、
リューソー :7
パ ル ス :15
レ イ :9
タ イ ト :6
で、パルスの圧勝であった。ちなみにシキ体は元に戻った。タ「右耳あそこに飛んでる!!」コ「あっ、ほんとだ!!!」




