今、生きているあなたへ

序章:幼少期 助走編

第1話 ここから

　 622年7月1日

　ある小さな村で3人の子どもが生まれた。

　男の子1人、女の子2人で、そのうち男の子と女の子の1人は双子であった。

　3人の子どもは様々な髪の色があるこの世界では珍しく、全員が同じ黒色の髪をしていた。双方の夫婦には1人ずつ黒色の髪をしているものはいたが、生まれた赤ん坊が全員同じ色というところに大変驚いた。

　別になにか悪いことが起こるとか、忌み子であるとかではない。髪の色は先祖の遺伝子によって決まる。

　3人の子ども全員が同じ髪色という、とてつもない確率に、ただただ驚いているだけである。

そんな少年少女が織り成すこれからの物語を見ていこう。