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今、生きているあなたへ  作者: ひびき
序章:幼少期 助走編
13/86

第12話 嵐の前の

/634年7月1日/

         *エレナ視点*


 今日は私たちの誕生日!レイのプレゼントも用意して、収納魔法に入れ込んだのであとは、忘れずに渡すだけ!


 楽しみで早くに目が覚めてしまったので、いつも通りに起きやがったタイトの準備が終わるのを待って、靴を履き、 勢いよく玄関の扉を開ける。


エ(ピッカピッカの12歳)「それじゃ、行ってきまーす!」

タ「行ってきます」

エイジ「行ってらっしゃい!」

ハ「行ってらっしゃい〜。今日はいつもよりも早めに帰っておいでね〜」

エ「はーい!」

タ「わかった!」


 いつもの修行場所に走って向かうと、先にレイが着いていた。


エ「おはよー!」

レ「おはよー」

タ「おはよう、レイ来るの早いね」

レ「うーん、なんかいつもよりも早く起きちゃった」

エ「あ!私と同じだー!やっぱ目、覚めちゃうよね?」

レ「ねー!」

 

 いつも通りに起きたあほをじーっと見つめる。あほは私の視線に気づいたのか、


タ「な、なんだよ、いつも通りに起きただけじゃんか、」

エ「べぇっつにー?」


 タイトをからかっていると、ティールもやってきて、みんな揃った。


 ティールは2日後にこの村を出て、また旅に出て行く。 そのため、今日と明日は早めに戻るように言われているみたい。

 レイも今日は、親から午前中で帰ってくるよう言われているようだ。


 時間もあまりないみたいなので、早速修行を始めた。


 と、ここで皆様に謝罪することがあります。


 ティールの能力や、その他諸々についてどっかに書いているだろうと思っていましたが、よくよく思い返してみると、ありませんでした。


エ「うちのアホがすみませんでした。後できっちりシバいておきますので。」

(本当に申し訳ごz、、え?)


エ「なのでこんな変なところですが、ティールの紹介を挟ませていただきます!」


タ「ねぇ、あれ誰に向かって話してんの?」

レ「画面の前の良い子の皆さん」

テ「未来が視えると、そんなこともできんだな」


エ「それではいきます、

クラティール、11歳

誕生日1月24日

みずがめ座

性格は明るめだが、心は結構繊細な場面がちらほらあるぞ。」

テ「いやん、恥ずかしっ///」

エ「きっしょ、なんで生きてんだよ」

テ「え?酷い」


エ「ティールの村では村全体が鍛治職人を生業としている。まぁ、なんかそういう種族みたいなのがいくつかあるらしい。

そん中で、ティール達は鍛治の能力適性が高いため、村全体で営んでいるみたい。

また、特別な能力として、一生のうち1度だけ魔道具を作ることができる。すごいね!

で、ティールはこの種族の王?に選ばれたみたいで、ティールだけ回数に制限なく魔道具を作れるらしい。

・・・神様ー!人選どうなってんのー?!だいぶ手違いが起こってる気がするんですが!?」

テ「なんてこと言うんだ」


エ「そんで、ティールのお父さんはティールの経験を積むためにも、訪問販売と、必要であれば修繕などを行っているらしい。

 今現在、宿は私たちの家から歩いて5分のところに泊まっている。

ちなみにレイの家までは10分くらい。

場所の近さを分かりやすく表すと

ここ(修行場)→私達の家→ティールの宿→レイの家

となっています!

夢は特になし!彼女もなし!未来に希望もなし!」


テ「そろぼち1発かましてもいいかな?」

タ「その後がどうなってもいいのなら」

レ「そもそも避けられて反撃を食らって終わりだと思うよ?」

テ「くそっ!未来視が強すぎる!」


エ「続いて神技(しんぎ)について!

個性:衝撃波

自身の半径1m以内ならどこでも衝撃波を発生させることができる。この衝撃波に乗って高速な移動や急な方向転換などができる!爆発の煙出ない感じだぜ!

主に剣を使って戦うぜ!魔法も神技も使ってくんで結構相手にすると厄介だぞ!

最近の悩みは、いつまでもこの旅が続くとしたら、この先結婚できないのではと焦っt/テ「ちょっと!そんなことまで言わなくていいから!てかなんで知ってんだよ!」


 ティールが慌てて口を挟んで遮ってくる。


エ「お前の未来視てたら、なんかあった!てへぺろりんちょ。ゆるちて♥」

テ「ここで許さないと、殴られる気がする。こいつ、理不尽の極みかよ」

エ「ありがとう」

テ「勝手に許したみたいになってるし、」

エ「まぁ、そんなことはいいんだよ」

テ「そんなこと、、?」


 ティールが「そんなぁ、、、」みたいな顔してる。へんなかお笑


エ「時間もねぇしさっさと修行始めっぞ!」


 そんなこんなで、修行が始まった。今日は2対2の模擬戦。私とレイ対タイトとティールの闘いを始めた。


・・・

・・


 もうね、戦いと呼んでいいのかわからんくらいボコボコにした。

 私が2人の前に出て、未来視で攻撃避けつつ、攻撃をかましてるところに、透明なレイが後ろからぶっ叩くっていうもう、もはやいじめだった。


レ「私たちが強すぎたばかりに」

エ「ふはは!貧弱貧弱ぅ!」


「このゴリラ共め」ボソッ

 そんな声が聞こえた。


エ「お?今、ゴリラって言ったのどっちだ?10秒以内に名乗り出ろ、でないと2人ともぶっ飛ばす」

テ「俺じゃありません!タイトです!」

タ「ちがう!僕そんなこと言ってない!」

テ「嘘をつくな!」


 一瞬で仲間を売るティール。それに対抗するタイト。さぁ、面白くなってきました。


エ「5、4、」

タ「ちょっと待って、よく考えてみて?2人に勝てるわけも度胸もない僕が、そんなことを言うと思う?」


 レイと顔を見合わせる。


エ「・・・ティール、お前なんだな」

テ「バレちまったのならしょうがない、、、

すみません、俺がやりました」


 堂々とした態度から一変、土下座しだした。


レ「そうか、、つまり君はそういう奴なんだな」

タ「模範生徒出てきちゃった」


エ「さぁ、私たちをゴリラ呼ばわり、そして仲間を売り、嘘をついたティールに制裁を与えよう!」

テ「優しくしてね?」


 上目遣いと高い声で、かわいこぶってるティール。

 だが!私には効果がなかった!むしろ、攻撃力が上がった。


エ「歯ぁ、食いしばれ」

テ「来世は東京のイケメン男子になれますように」

 そう祈り、ティールは息を引き取った。


エ「これで平和な村ができました。なにか文句でもありますか?」

タ「平和な、、、村、?」

レ「フフ、異議なーし!」


 タイトはとてつもなく混乱している。

 だが、異議なしが出たので、今回の議題はここまでとさせていただきます。


 さて、もうそろそろ昼時か、プレゼント渡さないとな、


タ「僕、ティール治すね」

エ「あ、任せてもいい?」

タ「いいよー」

エ「ありがてぇ、じゃあ、レイちょっと向こう行こう?」

レ「?、あぁ、!そうだね」


 タイトとティールから少しだけ離れる。そこで、地面に腰掛けて、収納魔法から少し広めで薄い大きさのプレゼントを取り出す。

 中身はタイトの寝顔や家の中など、ありとあらゆるタイトを盗撮して作られた秘蔵の写真集。ちなみに同じのがもうひとつある。


エ「はい、レイ!お誕生日おめでとう!」

レ「ありがとう!ねぇ、これなにか聞いてもいい?」

エ「うーんとね、タイトを盗撮した写真集。」


・・・

 サッと懐に入れ込むレイ。そして、


レ「家宝にさせていただきます。ありがとうございました」

エ「フフッ、ば、バレちゃ、、ダメ、だよ」


 闇の取引みたいで面白おかしくなってきた。あと、レイは目が本気でやばい笑


レ「じゃあ、次は私の番だね。はい!お誕生日おめでとう!」

エ「おぉ!ありがとう!これは、ペンダント、かな?」

レ「正解」

エ「うわぁ!ありがとう!これ絶対大事にする!なんなら墓場まで持っていくね!」

レ「その言葉を形あるものに使うのはなかなか聞かないなぁ。しかもいい方面で」


 わかんないけど、多分褒められてると思う、知らんけど。

 早速ペンダントを身につけてみる。


 レイからのペンダントは紐は金属製、装飾の部分が木製となっている。木の部分には切れ込みが入っており、微かに魔力を感じる。

 気になったので、カンを頼りに魔力を思い切り流してみる。すると切れ込みの部分が開き、中には収納魔法の極小版みたいなのがあった。

 収納魔法の中には封筒とその中に、綺麗に2つ折りにされた1枚の紙が入っていた。


レ「それ、ティールに作ってもらったんだ。素材はジョーカーさんに頼んで、湿気でも腐らない、相当な力を加えても魔法じゃなきゃ加工できない木を持ってきてもらったの。

でも、こんなに早くバレるとは思わなかった」

エ「やっぱ、私ってすごいでしょ!ねぇ、これ開いて見てもいい?」


 レイに聞いてみると少し恥ずかしそうに


レ「うーん、目の前で見られるとちょっと、恥ずかしいかな?タイトに同じの渡しに行ってくるからその間だったらいいよ?」


 一体なんなのだろうか、とても気になる。早く見たいし、知りたい。


エ「わかった!じゃあ、私これ見てるから、タイトのとこ先行ってていいよ!」


 早く見たすぎるので、快く送り出した。


 「うん!」と足早に去っていくレイを見届けて、その封筒の中の紙を開いて見た。中身はレイが手書きで書いた手紙になっていた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

エレナへ

いつも一緒に遊んでくれてありがとう

エレナは明るくて元気で面白くて、おかげで毎日が楽しいよ。そんなエレナのことが大好き!

これからも一緒にずっと仲良しでいようね。

                    レインより

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 そっと手紙を閉じて、封筒に入れ、大事にペンダントの収納魔法の中に戻す。

 そして、目を瞑り、顔を大空へと向け、天を仰ぐ。

頬には一筋の涙が伝う。


エ(可愛いかよ。尊すぎる。この汚れたきった物語の中で唯一の楽園ッ、!天使!

決めた!これからレイを汚したやつ、絶対に殺してやろう!死んでも殺しに行こう)


 静かに固く、強く、決意する。


エ(あぁ、今すぐにレイを抱きしめに行かなくては)


 浄化されそうな所をギリギリのところで耐え、レイの元へと飛んで行く。


 レイの元へとたどり着くと、未だくたばっているティールを横に、丁度2人のプレゼント交換が終わったところだった。


 なんとも微笑ましい光景だろうか。お互いが喜び、笑顔になっている。こんな世の中で魔王を討伐だなんて考えているやつがいるとは思えない。


 見たところ、レイはタイトにもお揃っちのペンダントを渡している。2つも用意してくれたことに2人に感謝しなければ。


エ(ありがとうッ!)


 だが!あいつは気づいていない!このペンダントの特別さに!神々しさに!


エ(教えてやらねば、)


 そう思い、2人に近づくとレイが先に気づいた。

 レイは私を見ると少し恥ずかしそうに歯を少し見せながら小さく笑い、頬を赤らめた。


 その時、目の前が光で包まれた










エ(はっ!い、生きてる!

危ない危ない。もう少しで塵になるところだった)


 さっきからレイの破壊力が限界突破している!このままでは死人が出るぞ、


レ「あれ?おーい、エレナー?」


 気づくと目の前にレイが立っていて、私の顔の前で手を振って、意識を呼び戻しに来ていた。


 鮮やかな黒でさらさらな綺麗な髪。長いまつ毛、(つぶら)な瞳。少し焼けてはいるが、未だに白く保たれている肌。小さい顔。眼帯のせいで、顔の半分が隠れているのが悔やまれる


エ「くっ、ごめんなさいッ、!」

レ「え?え?な、何が?」

エ「気にしないでください、レイ様」

レ「うーん、、まぁ、いいや。わかった!」


 思考を放棄したレイ、既に思考力がなくなりつつあるわたしにかいわがあぁぁぁー


レ「エレナ、あのね、」

エ「大好きーだよー」

レ「うん、違う」

エ(泣)

レ「あのね、タイトにはまだあの手紙のこと言わないで欲しいの、」

エ「なんで?あいつ言わないと多分一生気づかないよ?」

レ「やっぱり、まだ恥ずかしいから。

だからね、2人の秘密だよ」

エ「2人の、、、ひみつ」


 瞼はついに落ちきった。


(おぉ、エレナよ!死んでしまうとは情無い。私のように心臓を7つ持っていなければ耐えられまい。内5つは止まってしまったがな!

まぁ、そんなことはどうでもいいとして、今回だけは!特別に!ふたたび立ち上がる力を与えよう!)


:この間0.1秒:


エ「はっ!魔神族いた」

レ「全反射でも食らってきた?」

エ「ううん、どちらかというと、永遠の生の呪い」

タ「とりあえずその会話一旦やめて、謝っとけ」


(すみませんでしたッ!)


エ「こいつが謝ってるしいいよね?」

タ「その発言が良くないけど、もういいや

ほら、レイ、そろそろ家に戻らないといけない時間だよ。」

レ「うん、ありがとう!2人とも、プレゼントありがとう!大事にするね!」

レ「そんなのこっちの台詞だよ!ありがとう!」

タ「レイ!ありがとう!」

レ「うん!じゃあまたねー!」

 そう言って、レイは何度もこちらを振り返りながら、手を振って、家へと帰って行った。


テ「痛てて、」


 声のするほうを見ると、ティールがようやく目覚めて、立ち上がろうとしていた


タ「あ、起きた?大丈夫?」

エ「だぁいじょぉぶ?」

テ「悪意をものすごく感じる、」

タ「ティールもそろそろ帰らないとでしょ?」

テ「あぁ、そうだった。ありがとう、じゃあまた明日」

タ「これ、ありがとう!またね!」

エ「・・・、ティール!」


 ティールの名前を言い、呼び止める。


テ「はい!なんでしょう!」

エ「これ、ありがとう、」


 ペンダントを手に持ち上げながらお礼を言う。なんだか妙に気恥しい。

 ティールを見ると、鳩が豆鉄砲食らったような顔をしている。


 そして、

テ「そのまま、崇め奉ってくれてもいいんやで」

エ「調子乗んな!はよ帰れ!」

テ「はいぃぃ!」


 怯えたような情けない声を出しながら、そそくさと帰って行った。


タ「ははっ、行っちゃったね」

エ「あいつ、調子こきやがって」


 タイトと2人きりになった。この時間から2人になるのはなかなか珍しい。


 そんなことを考えていると、辺りが日陰になる。空を見上げると、厚めの雲が太陽にかかっている。

 見たところ、すぐには太陽を拝めそうに無いくらいに1面曇りになっている。


エ(雨でも降んのかな?)

タ「なんか、雨降りそうだね?」

エ「ね、」

 タイトも同じことを考えている。


エ「ねえ、タイト、あれ魔法で吹き飛ばしてよ」

タ「無茶だよ。やったところですぐ戻るよ」

エ「そっかぁ、さすが自然さまだな」


 一時しのぎでしかないみたい。


タ「どうする?帰る?」

エ「いや、ギリギリまでやろう。走ればすぐ帰れるし」

タ「まぁ、それでも5分はかかるけどね。でもいっか!わかった!ギリギリまで修行しよう」


 私たちは再度修行を始めた。

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