故意に落ちる
新月の夜。
学校校舎5階にて。
「さようなら。」
そう言うと彼女は流れるように窓の縁に手をかけ、まるで鳥が止まり木に止まるような自然な動作で飛び乗り、立ち上がった。
柔らかな風が吹き、彼女の髪とカーテンが月夜にきらきらとたなびく。
初めて見る表情とそのとても美しい横顔に一目惚れした。
そして、あまりにも当然のように行われた動作になんの違和感も抱けずにいた僕を振り返りもせずに
跳んだ─────いや、飛んだ。
僕の一生はここで終わりを告げた。
誕生日だった。
年齢、性別、季節など
ほぼ全て読者様の想像次第です。