このお人好しさんから、どれだけお金を取れるかな?
私の名前は、『皇后崎 紗也華』25歳、某企業の社長秘書を
しているわ!
あぁ! これは、私の詐欺をする時の肩書よ。
本当の名前は、『岡田 凉子』31歳、独身バツ1子供が2人いるけど
別れた旦那が2人とも引き取ったわ!
仕事も、近所の小さな工場で週5回働いている。
安い給料で、何とか私一人が生活できる程度よ。
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・・・そんな時だったわ!
私の仲がいい、職場の女性が年老いた男性から高価なプレゼントを
貰ったと私たちに見せびらかしてきたのよ。
『ほらほら? これ見て! これね、貰ったのよ!』
『えぇ!? 誰から、、、?』
『パパよ! 本当のパパじゃなくてね、まあ~“愛人”みたいなもの
なんだけど、ただデートするだけとか? 食事に行くだけでプレゼントや
豪華なディナーに連れててくれるのよ~しかも? キレイなドレスに高価
な宝石を身に着けてね!』
『・・・凄いわねぇ~』
『その、パパは? 何をしている人なの、、、?』
『確か? どこかの“社長”さんよ~!』
『じゃあ~お金を持ってるわねぇ~』
『そうなの! それだけじゃなくてね! 仕事の愚痴や家庭の事とか?
話を聞いてあげるだけで、お小遣いも貰えちゃうのよ~』
『何よそれ! 凄すぎじゃない!!!』
『今まで、どんなモノを貰ったの?』
『いろいろよ~! お金や宝石、ブランドの服や鞄になんでも!』
『わたしもやってみたいわ~!』
『アンタには、愛する旦那さんがいるでしょ!』
『___まあね!』
『凉子さんは、、、?』
『・・・私は、』
『凉子さんなら、上手くいくと思うわ~! 綺麗だし! 歳より若く見えるし!
良かったら、ワタシが紹介してあげようか?』
『・・・あぁ、うん、ちょっと考えさせて!』
『うん! いい返事待ってるね!』
▽
私はこうして、間違った道に踏み込んでしまったわ、、、!
・・・でも、別れた旦那には私が子供たちの養育費を払わないと
いけない事になってるの。
___それは、私が外で他の男性と浮気をして別れたからよ!
子供たちは、私を恨んでいるらしいわ。
元旦那が、子供たちにそう吹き込んでるんでしょうね!
私に、子供たちが会ってくれないのよ!
何しろ、子供たちの為にも、、、お金がいるわ!
私は、初めて“パパ”を作る事にしたの。
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私の職場の女の子に誘われて一緒に、オシャレなBARに行ったら、、、?
『ねえねえ、大丈夫かな?』
『大丈夫よ~! ワタシが思ってた以上に! 凉子さん綺麗だわ~!』
『___緊張して、心臓が飛び出そうよ!』
『大丈夫だって! ワタシのパパが連れてくる人だからイイ人よ!』
『・・・ううん。』
そんな話を私達でしていると、、、?
二人の大人な男性が目の前に現れたわ。
『ごめんごめん、遅くなったね、舞風!』
『大丈夫よ! ワタシ達も今、来たところだから。』
『・・・はじめまして。』
『綺麗な人だな~!』
『・・・いえ、』
『僕と仲がいい某会社の社長の幸田さんだよ!』
『はじめまして! 錦織 舞風です。』
『・・・えぇ!? あぁ~舞風さんですか? よく話は聞いてますよ~!』
『もぉ~ダーリンたら!』
『あなたのお名前は、、、?』
『・・・あぁ、私の名前は、皇后崎 紗也華です。25歳、某企業の
社長秘書をしています。』
『へーえ! 凄いんだね! 流石、舞風のお友達だな~!』
『まあね! さあ~今日は4人で楽しみましょう~!』
『あぁ! そうだな!』
▽
私は、初めて“パパ”を作ったわ!
彼の名前は、関岡 雅文 年齢は、56歳で見た目は年齢より凄く若く見えるわ!
奥さんも子供もいて、一人娘の百合さんは3年前に結婚をして今は、奥さんと
二人暮らしとか、、、?
二人で居ても、話す事がなく沈黙が続くそうよ。
今は、一緒の家に居てもほとんど話さないとか。
私にとっては、何よりもね!
とっても優しくて真面目な人なの。
この人だったら、、、幾らでもお金を取れそうよ。
恋愛感情は、ないわ!
【さあ~始めようかしら?】
▼
『ねえねえ、雅文! 今日は何処に連れててくれるの?』
『えぇ!? 紗也華は何処に行きたいんだい?』
『高級レストランに連れてて! 綺麗なドレスを纏ってね!』
『よしよし! じゃあ~先ずは、紗也華に似合うドレスを探しに行かないとな!』
『うん!』
ここからは、私になんでも買ってくれたわ!
私が欲しいモノはなんでも、、、。
お金も、腐るほどあるのか、、、?
私が欲しいといったモノは、金額も見ずに何でも買ってくれたの!
やっぱり、お金持ちの人って凄いわね。
▽
そのうちね、、、!
私は、お金や高価なモノだけじゃ物足りなくなったの!
だから、彼の奥さんと会う事したわ!
【プルルルル プルルルル】
『はい、関岡です!』
『すみません、私! 関岡の愛人の者です。少し奥さんにお話がありまして。
良かったら、二人で会えるお時間をもらえますか? 彼には内緒で、、、!』
『・・・わかりました。pm14:00に場所は、○○にしましょう!』
『___わかりました。では、お待ちしています。』
*
待ち合わせに来た女性は、、、。
大人な女性で、凛とした女性だったわ!
私を見ても、顔色一つ変えないようなそんな人だったの。
『あなたが、彼の新しい“愛人”なの、、、?』
『___えぇ!?』
『彼は、優しいでしょ!』
『___えぇ!』
『彼がいろんなモノをあなたに与えてくれて、物足りなくなって、、、!
私に会いに来たのかしら、、、?』
『・・・なんでも、お見通しなんですね!』
『そうね、“本妻”とはそういうモノよ!』
『・・・・・・』
『あなたも彼に飽きられないように頑張ってね!』
『___えぇ!?』
『捨てられないように、、、! じゃあ、』
『・・・・・・』
彼の奥さんが言ったようになったわ!
どこから聞きつけたのか、、、?
私が、彼の奥さんに会いにい行った事を知った彼が私にこう言ったのよ!
『君とはもうおしまいだ! まさか!? ぼくの女房に会いに行くなんて!』
『・・・まさか!? 奥さんが言ったの?』
『そんな訳ないじゃないか! 彼女はそんな事を言う女性じゃないよ!
君には失望した。 じゃあな、』
『___待ってよ!』
『・・・・・・』
___気が付けば、、、?
私は、彼に恋愛感情を持っていないと思っていたけど。
本当に好きだったのは、私の方だったのかもしれない。
こんな別れ方をして、自分の気持ちに気づくなんて。
最後までお読みいただきありがとうございます。