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プロローグ
まず初めに、これを読んでいる読者に詫びねばならない。
『これ』は小説というには稚拙で、体験談というには非現実的な私の物語だ。
私は小説家ではないし、文学青年でも無い、かと言ってアウトドア派かと言うとそうでも無い。どこにでも居そうな、周りに流され生きている人、といった表現が一番的確かもしれない。
さて、こんな私が突然タイムトラベラーだと言ったら信じるだろうか?
100年後の未来に行った、200年前の過去に行った、自分が生まれる瞬間を見た、海から生物が地上に出できたばかりの時代に行った、人類滅亡後の世界を見た。
そして、タイムマシンが一般的に普及している時代に生まれた。
どれもこれも、今この瞬間を生きている人達にすれば、現実味がない話かもしれない。
もしこんな荒唐無稽な話を聞いてくれるのならば、私の話に耳を傾けてくれるというなら、もう少しで人生を終える私の日記として、ここにこれまでの旅の中で経験した出来事を描き記そうと思う。