0話 「ブレイブズ・アライブ」
広々とした空、壮大な大地。鳴り響く足音。
「スポーン地点はランダムか…」
ここはゲーム「ブレイブズ・アライブ」の中、初期スポーン地点に足を踏み入れたとこである。
まぁ、初期スポーン地点の定番は町の中なのだが、ブレイブズ・アライブは違うらしい。
壮大な大地が広がっているのだが、よく見るとオブジェクトいわゆる、ダンジョンだろうか?
初期装備と所持金も少ししか持ってないから、行ってもモンスター一匹も倒せないオチだろう。
オブジェクトの奥を見てみると、あれは、門だろうか?
門だとしたら町の可能性が充分ある。
「まずはあそこを目指すか」
そうして歩きだす。歩き始めてから少したつと、空に何やら大きい何かが飛んでいる。鳥、あれは鳥だろうか?
現実世界の鳥とは外見が全然違う。
「カー、カー」
「鳴き声はからすなのかよ」
これにはついつい笑ってしまった。
鳴き声を聞くまでは、あれに名前をつけるなら不死鳥にするな。
とか思ってたのに鳴き声はカラスって、一瞬にして、あの鳥に対して概念が変わった。
「えっと…確か」
右手の人差し指と中指をピッタリ揃えて、自分の目先の空間に上から下へ指を動かす。
すると、目の前に画面が出てきた。
「これがメインメニューか…」
ゲームに入る前に唯一覚えてきた事だ。
メインメニューが、開けなかったらログアウトが出来ないので覚えてきたのだ。
それ以外は一応目は通したのだが、ゲームの世界の壮大な作りに圧倒されて忘れてしまった。
歩き始めてだいぶ時間が立った。
門の所まで間近に迫っていた。
「やっと町かー!まずは、冒険者ギルドに行って…それからそれから」
あー!もう、これだから、ゲームは楽しいのだ。
しかも始めたばかりだと、やることが多すぎて充実している。
そんな事を考えている間に、門の前にたどり着いた。
「そこの君!何処の国の冒険者だね?」
何処から喋りかけられてるんだ?回りを見渡しても誰も居ない。
「その前に何処から話しかけられているのですか?」呆然と回りを見渡す。
「ここだ、ここだ!上、上!」門の上を見てみると人が立っている。
銀の防具で体を被っており、見るからに騎手だ。
って、その前に何でそんなとこに居るんだ?
「いえ、冒険者では無いです!ちょうどこの国で冒険者になろうかと思ってまして!」
大きな声で言ったけど聞こえてるかな?
「え?なんて?」耳遠いいなー。
「ちょうどこの国で冒険者になるところです!」
さっきより大きな声で言うと、上の騎手さんは手をあげ、
「なるほどなー!じゃあ今、門を開けてやるから少し待っとれ!」
あ、門を開ける人だったのね。
でも、門を開けるだけならそんなに上にいる必要ないんじゃ…
ってまだかよ!どんだけ待たせるんだよ!?
「待ったかね?」いえいえー!と作り笑いで心の中の苛立ちをおさえる。
「上に居たときと服装違うんですね!」
シャレたTシャツに着替えた騎士さん。
Tシャツに着替えるの門開けてからでも良かったんじゃ。
「あぁこれ?下に来るまで長い階段だったから汗が、ね?」
この騎士さん一回殴りたい衝動をおさえながら、門を通る。
「冒険者ギルドならこの道まっすぐだ!」
門を通って見えた景色には想像を絶していた。
「す、すごい!」
なんだこれは?
現実世界で言うとイタリアにある、水の都ヴェネチアみたいな幻想的な町だ。
通路の脇には水が流れており、前には大きく、
「ようこそ!水の町アルカディアへ!!」
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