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28日目
ガチャリと音がした方を見ると、強制的に僕とテナーはリビングから出られなくなっていた。
「くそっ……!」
「おばさん……。よくも……!」
『おばさんじゃねぇって言ってるだろこのガキがぁ!』
ものすごい剣幕の後、ストーカー女は『おほん』とお上品な咳払いをする。
『失礼しましたわ。ではここで、殺し合いのルールを説明しますので……よぉーくお聞きくださいね?』
重い空気で待ち構えるテナーと、早く終わってほしい僕は大人しく説明を聞いた。
『制限時間は持って三十分。武器は自分が持ってる物でも、このリビングにある物でもいいわ』
『それと……。制限時間を超えれば、どちらが死ぬ運命になりますので、お気をつけくださいませ』
ストーカー女はそう告げると、スピーカーの電源をブツリと切った。
余命はたったの三十分。殺せなければ、どちらかが死ぬ。
どうしよう、どうしよう……。武器を取るか? それとも何か突破口を……。
「アルくん」
僕が静かに焦っていると、テナーが僕に向かって銃口を突きつける。
「あなたはここで、死んでもらいます」




