表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君と君  作者: 速水 零
4/4

少年篇(3)

流石に、ゲームセンターに着く頃には俺も妹も手を放した。

ゲームセンターと俺と妹は口にしていたが、専用の建物があるのではなく大型ショッピングモールの1フロア丸々使ったゲームコーナーという方が正確だろう。


「お兄ちゃん、今日はどんなゲームやる?」


「んー。そういえば、俺たちはいくら持ってるんだ?」


俺の持っている三つ折り財布は小銭を入れるところと、紙幣を入れるところが分かれているため、駄菓子屋では紙幣の確認をすることはなかった。俺の収入源は主にお手伝いの収入、おじいちゃんおばあちゃんからのお小遣いだ。

気まぐれでお父さんやお母さんがお小遣いをくれることもたまにある。

財布の中身を確認してみると、千円札が4枚、500円玉が1個、あとは数十円といったところだった。


「うわッ!お兄ちゃんお金持ち!!どうしてこんなに持ってるの?もしかして私とゲームセンターに来るために貯金箱割っちゃったの?」


「そんなわけないだろ。俺はエスパーか。多分この前おじいちゃんからもらったお小遣いだろ。そんなにお金使うことがないから忘れてた」


俺は心の中でおじいちゃんにお礼を言った。小学生にとっては100円ですら大金でその工面に四苦八苦する。五千円ともなればお年玉をもらった時か貯金箱を割ったときにしか手にできないだろう。

ゲームセンターで四千五百円を手にしている。

俺は浮かれていることを自覚できず、妹に促されるまま千円札を無価値なコインに変換していた。


「千円で400枚かぁ。得をしたような、そもそもが損なような……

 とりあえず、200枚ずつ分けて遊ぼうぜ」


「えェーーーーーーッ!それじゃあ一緒に遊ぶ意味がないじゃん!!二人で400枚!」


「はぁ。わかったよ。じゃあ何やりたい?」


「んーとねぇ。あ、あの魚釣るやつやりたい!!」


妹が指差した先にはコインを入れて釣竿を選択し、魚や蛙、亀、クジラなどを捕まえるゲーム機があった。六人遊べるようで、ちょうど二人分空いていた。特にやりたいゲームを決めていなかったので、俺は異論を挟まず小さな妹の背中を追った。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ