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40.精霊王と戦ってみました

本日三話目。

 城の中を進む俺達。

 城の中も外から見た様子と同じく荒れ果てていた。

 ガレキが積み上がっていたり、植物のツタも内部まで絡みついている。



「本当にひどいな、これ」

「そうですね。何でこんなことに……」

「そもそもこの中に精霊王は本当にいるのかしら?」

「いないとそれはそれで大変だな」



 わざわざ魔物が待ち伏せしていたりしたし、この中にいると信じたい。

 居場所を感知できるライダスがこの近くまで来た事だし、多分大丈夫、だよな……?


 若干不安になりながらもさらに城の奥へと進んでいく。



「この先が精霊王の間です。恐らくこの先に精霊王はいると思います」



 シラリィが緊張した面持ちでそう言った。

 確かにこの向こう側からすごい威圧感がする。

 


「みんな、心の準備はいいか?」

「はい、いつでも大丈夫ですよ!」

「当ったり前じゃない! 余裕よ!」

「オレはいつでも大丈夫だぜ」



 うん、大丈夫そうだな。

 なら、いざ、決戦の地へ!


 俺は精霊王の部屋へと続く扉を開け放った。





 精霊王の部屋へと入っていく俺達。

 中には誰もいる様子がない。

 まさか、本当に城の中にいないっていうのか?



「ライク、後ろよ! 避けて!」



 えっ、後ろ?

 よく分からずも俺はとりあえず横に移動した。

 すると俺がいた場所には地面がえぐりとられている様子が見えた。


 だが、全く誰かがいるようには見えない。



「ライク様、精霊王は不可視の加護という力を使っています。ですから今の状態では見えないのです」

「見えないって……それじゃあどうしようもないじゃないか!?」

「いや、方法はある。ここはオレ達に任せてくれ。俺達五獣魔は精霊王に直接影響を与える事はできないが、その点だけは手助けができるだろう」

「そうなのか。なら、任せたぞ、みんな!」

「OK。だったら三分は逃げ切って。それだけ時間を稼いでくれたら何とかしてみせるわ」

「三分か。分かった、頑張ってみるよ」



 五獣魔と精霊王は互いに不干渉なんだったよな。

 なら精霊王が五獣魔を襲うことはないし、攻撃対象は俺だけになるって訳だ。

 まあ同時に精霊王に攻撃ができるのも俺だけになる訳だから、攻撃ができるまでは逃げるしかないんだけど。



 俺は空中へ飛び立つ。

 そして言語魔法でバリアを作り出した。

 これで大体大丈夫だろうと思ったのだが……



「無効結界!」



 どこからかそう声が聞こえてくると、途端に俺が張っていたバリアが消えてしまった。

 まさか、結界を無効化する技を使ってきたということか!?

 やはりそう簡単には逃がしてはくれないということか。



「時空操作」



 その声を聞くと同時に俺は身動きがとれなくなってしまった!?

 まさか、時と空間を操作する技まで使ってくるというのか!?

 チートすぎるだろ、それ。



「スプラッシュ」



 俺に水流が襲い掛かるが、大した傷にはならない。

 だが、問題は全く身動きがとれないことだ。

 それに精霊王は攻撃を絶え間なく繰り出してくる。

 精霊王の攻撃一つ一つは大したことがないのだが、さすがに何度も攻撃を受けていると体に傷が付き始める。

 怒涛の攻撃ラッシュが続くので、このままでは三分持って意識を保っていられるか怪しいぞ。


 体が動けばいいんだが……

 そもそも今は時も空間も精霊王に止められているから身動きがとれないんだよな。

 時と空間さえ何とかなれば……

 なら、これならどうだ?



『木+(と)で”とき”! 缶+(くう)で”くうかん”!』



 そう心の中で叫ぶと、体がフッと軽くなり、そして動けるようになった!

 どうやら言語魔法、時や空間さえも操作できるらしい。

 本当、万能すぎるな。



「ライク様、お待たせしました! 準備できましたよ!」

「おお、そうなのか! では頼んだ!」

「それでは皆さん、いきますよ……虚無の恩恵!」



 シラリィがそう叫ぶと同時に、五獣魔三人の手から薄い黒の光線が発生し、球体みたいなものが出来上がる。

 その球体は一瞬縮んで、そして一気に膨張し、部屋全体を薄く黒い膜で覆い尽くした!


 膜に覆われると同時に、俺の前に現れたのは―――



「えっ、こいつが精霊王なの?」



 小さなねずみだった。



 姿があらわになったら後はいつもの流れだった。

 ねずみの身動きをとれなくした後にそのまま一撃でサクッと。


 こうして俺達は精霊王を倒すことができたのだった。






「来たれ、精霊王ネズトーン!」



 俺がそう叫ぶと、目の前には元気なねずみが現れた。



「お主、なかなかやるのう。おかげで呪縛から解放されることができた。感謝する」

「呪縛? やはり何かの影響を受けていたのでしょうか?」

「左様。我が油断していたのがいけなかったのだが、おのれ、魔王め……」



 えっ、魔王?

 なんか鷲のファスと同じ事を言っているんだが、もしかして―――



「魔王が精霊達を暴走させているのですか?」

「その通りだ。まさか我までもが自我を失ってしまうとはな。それにこの城の有様はなんだ? ひどすぎるぞ」



 精霊王は頭を抱えている。

 この城の惨状を見たら誰でもそうなるわな。

 そこに住む人なら尚更だ。



「城の修復手伝いましょうか?」

「いや、ライク殿にはそれよりも魔王の討伐をお願いしたい。何かよからぬことを企んでいるような気がするのだ……」



 まあ確かにそうだよな。

 精霊を暴走なんてさせて何をしたかったのか、さっぱり分からない。

 というか、結局俺が魔王討伐しないといけなくなるのね。

 王に召喚された他の勇者は何やっているんだか。



「一人で大丈夫なんですか?」

「心配するな。それに我が正気に戻ったことで大半の奴らも元に戻ったことだろう。そいつらに手伝わせるから大丈夫だ」

「そうですか……」



 まあ大丈夫だというならそれ以上は言わないけどな。

 とにかく魔王を早く何とかしなければ。



「ネフターヌから元の世界に戻るにはどうすれば?」

「それはここに来た時と同じようにすれば良いんです。ですからライダスとファスに合流する必要がありますね」

「そうなのか。確か二人は城の外にいたはずだから、そこに向かうとするか」



 こうして二人に合流するため、俺達は城の外へと向かった。

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