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31.優勝者が決まりました

「ふふ、よくも俺の栄光の六連覇を阻んでくれたな……ライク!」

「よく生きていたな、ガネヤイ。良かった良かった」

「良かった……じゃねえ! 危うく死にかける所だったじゃねえか! どうしてくれる!?」

「どうしてくれるといっても、別にルールの範囲内だしなぁ。それに窒息しないように酸素ボンベつけといただろ?」

「酸素ボンベなんて落下した瞬間に壊れて使い物にならなかったわ! そのせいで数分間も潜水するハメになったんだぞ!? 俺のような超絶潜水テクがない普通の奴じゃ死んでるんだぞ!?」

「あーそれはすまなかったな」



 確かに酸素ボンベに耐衝撃性能までつけるのを忘れてたわ。

 まあガネヤイが無事だったようで何よりだ。



「ということで、恨みは晴らさせてもらう……覚悟しろ!」



 ゴーン!



 決闘開始を告げる鐘の音とともに、ガネヤイはこちらに向かってきた!



「ホーリーライト!」

「”みまもり”ー”み”で”まもり”!」

「させるか! 守護解除!」



 ガネヤイのその技によって張っていたはずのバリアが消滅した!

 そしてそのままガネヤイの光魔法が俺に襲いかかる!



「やったか!?」



 いや、それフラグだから。


 土煙が舞い上がり、そしてしばらく経つ。



「そんな……嘘だろ!?」



 絶望に打ちひしがれるガネヤイ。

 それもそのはず。

 直撃したはずの攻撃の跡は一切なく、全くのノーダメージで立つ俺の姿を見ているのだから。



「いいマッサージになったわ。光線治療みたいな奴か? してくれてありがとな。じゃあそのお返しに。エア+句+(れ)で”エクレア”!」



 俺がそう言うと、そこら中の空気が大小様々なエクレアとなり……



「うわぁぁぁ!?」



 エクレアのクリームまみれになったガネヤイは精神的に折れたのか、そのまま降参することになった。


 あっ、ちなみに出したエクレアは観客の皆さんと一緒に美味しく頂きました。

 みんな喜んでくれたようで何よりだな。






「エクレア美味しかったです、ライク様!」



 控え室に戻ると、口の周りにクリームをたっぷりつけたテルサムが待っていた。



「テルサムもエクレアを食べたみたいだな」

「はい、とても美味しかったです! ぼく以外の人もみんな喜んでいましたよ!」

「おお、それは良かった。それよりもテルサム、口の周りにクリームついてるぞ」

「あっ、本当だ……後で拭いとかないとですね。拭いておくといえば、闘技場は大変な事になっていますね。次の対戦まではまだ時間がかかりそうです」



 うっ、そういえば闘技場一面クリームだらけになっちまったよな。

 ついつい張り切りすぎてしまったわ。

 すまないな、次の対戦者。



「まぁ、でも次は消化試合でしょうね。青龍同士の戦いですから。恐らくエースのネメサルが勝つことになるでしょうし」

「なるほどな。でも本当に青龍って強いんだな。準決勝に二人も残るなんて」

「そうですね。でも例え二人が強くても、ライク様が優勝すればぼく達の勝利です!」

「そうだな。優勝した方が勝つ……か。気を引き締めないとな」

「ライク様ならきっと大丈夫ですよ! 信じてますから!」



 勝手に信じられてもなぁ……

 まあ勝たないとチームが負けてしまう訳だし、全力で勝ちに行くしかないんだけど。



 しばらくして次の出番が言い渡される。

 ついに決勝か。

 果たしてネメサルの実力はいかに?



「さあ、ついに盛り上がりを見せる決闘も終わりが見えてまいりました! ついに龍最強を決める決勝戦の開幕です! 対戦するのは―――赤龍のライク! そして青龍のネメサルだ!」



 ワー!!!



 一層盛り上がりを見せる観客。

 やはり決勝ということで盛り上がりが一段と凄いな。



「ではお二人とも準備は万端なようなので、始めたいと思います! では5秒前、4、3、2、1、スタート!」



 ゴーン!


 鐘の音が決勝戦の始まりを告げた。

 だが、まだ俺とネメサルは互いに様子を見合っている。



「なんだ、襲ってこないのか?」

「迂闊に攻めたらお前の奇妙な魔法でやられるからな。そう言っておきながら何か罠を仕掛けているだろ!?」



 いや、それは警戒しすぎだろ。

 別に罠をはるなんてそんな準備してねえから。



「来ないならこちらから行くが、本当にいいのか?」

「ふっ、いつでも来るがいい」

「そうなのか……残念だ」



 俺は一気に空に舞い上がる。

 そして―――



 ブォォォ!!!



 俺は内に有り余っている魔力を光線にして放出、つまりブレスを吐いた。



 暗黒のブレス。

 それが闘技場の中央に着弾し、闘技場全体に爆風が襲いかかる!



「おおっと危ない危ない。”みまもり”ー”み”で”まもり”!」



 そうやって観客席をバリアで守る。

 すると観客席は何とか爆風から守られる。

 バリアで守られない範囲、つまり、闘技場の中央部分は舞台の高台が壊れ、無残な光景が広がった。



「これだけの攻撃をすればさすがにネメサルもやられているだろう」



 そう言って実は効いていませんでしたフラグを自分からたてていく。

 そして俺は闘技場中央に降り立った。



「えっ、嘘だろ……? まさかこれで終わりなのか……!?」



 闘技場にはボロボロになっていてピクリとも動かないネメサルが倒れていた。

 おいおいそりゃないだろ。

 決勝戦だぞ?

 もっと二転三転すると思っていたんだが……


 なお、息は何とかあるようなので、治療はしておいた。


 こうして余りにも呆気なく、俺達、赤龍の総合優勝が決まったのだった。

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