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30.決闘大会が始まりました

「ではこれより選手の入場です!」



 そのアナウンスと同時に俺達出場者は闘技場の中へと入っていった。


 闘技場、つまり決闘大会の舞台である。



「現在赤龍チームがトップの170ポイント、2位に青龍チームが140ポイントと続いております! 優勝はこのどちらかのチームに絞られました! 果たしてどちらが勝つのか? 手に汗握る熱戦をとくとご覧ください!」



 アナウンスによって観客は大いに盛り上がる。


 というかこの闘技場、かなりでかいな。

 客席一つ一つがドラゴンサイズで、そんな席が、何百何千とあるんだから無理もないんだけど。



「決闘大会はトーナメント方式になっております! そしてその運命のトーナメント表は……これだ!」



 闘技場に取り付けられている巨大モニターにトーナメント表が表示される!

 さて俺の初戦の相手はっと。



 ライク(赤龍)――ネイス(青龍)



 ネメサルじゃなくて良かった。

 とはいえ、青龍はみんな強いみたいだから油断は禁物だな。



「テルサムとハシクはどうだった?」



 そう言って俺は二人の方に振り向く。

 するとハシクの顔色が悪いことに気付いた。



「どうしたんだ、ハシク?」

「お、おいら、まじついてないっす。なんでよりにもよって……」



 何かとんでもない相手と当たってしまいそうだな。

 えっと、ハシクの対戦相手はっと。



 ハシク(赤龍)――ネメサル(青龍)



 あっ……ご愁傷様です。

 初戦から優勝候補が相手とはついてないよな、確かに。



「ちなみにテルサムはどうなんだ?」

「えっと……ぼくはハシクとネメサルの勝者と戦うことになります……」



 勝者と戦う?

 ああ、そういえば参加人数が15人と奇数だからレースで首位のテルサムだけは一回戦免除になるんだったな。

 でもこれ組み合わせ悪すぎだろ。

 奇跡的にハシクが勝っても、ハシクとテルサムの同士討ちをしないといけないわけだしさ。



「だからライク様だけが頼りなんです。お願いしますね!」

「あーはいはい。できるだけ頑張るよ」



 レース中は早く進む機動力しか分からないからな。

 他の龍達がどの程度の戦闘力を持つのかは全く未知数で気は抜けない。



 俺達は控え室のような所に移動して出番を待った。

 そして、係員の人が出番を知らせてくる。

 さて、運命の初戦か。

 無事に勝てればいいんだけど。



 ワー!!!



 俺が闘技場の闘技スペースに入ると歓声が上がった。

 相手の青龍は既に戦いの準備を終えているようだな。

 俺待ちだっていうことか。



「おい、さっきはよくもやってくれたな? 覚悟しろよ?」



 あー、こいつまだ根に持っているのか。

 俺はレースでこいつら青龍を抜かして三位に食い込んだ。

 三位になるために使った妨害方法は、青龍のそれぞれに磁石のN極とS極をつけ、飛行不能にするという方法だ。


 目の前にゴールがあるというのに身動きがとれず、そのまま俺に抜かれたのはさぞ屈辱だっただろうな。



「さーて、ではこれより一回戦を始めます。3、2、1、決闘開始!」



 ゴーン!



 重たい鐘の音が響き渡り、決闘の開始を告げた。

 すると、相手の青龍、ネイスは早速攻撃を仕掛けてきた!



「先手必勝! 水流弾!」



 いくつもの水の塊が俺に襲いかかる!



「”みまもり”ー”み”で”まもり”!」



 すると俺の周囲にバリアが発生し、攻撃を難なく防ぐ!



「小癪な……アクアブレス!」



 俺はネイスの攻撃をバリアで受け切る。

 そして幾度となく行われるネイスの攻撃は全てバリアに吸収された。



「な、何故効かない!? くそっ、こうなったら仕方ない……本当は使いたくなかったんだが……アクアスピリット!」



 するとネイスの周囲に青いオーラみたいなモヤが現れる。

 これは勝負をしにきたようだな。



「いくぞっ! ドラゴニックストーム!」



 ゴワァァァ!



 かつてない勢いの水流が俺に襲いかかる!

 だが……



「”ストーム”ー”ストー”で”む”!」



 俺のその言葉によって、ネイスの決死の攻撃は一瞬にして消え去ってしまった……


 どんな攻撃も効かないということで、その後、ネイスから降参させてほしいとの申し出があった。

 どうやらこの出来事でネイスの心が折れたようだ。



「勝者、赤龍のライク!」



 観客はどよめいたが、すぐさま歓声が上がった!

 というか俺、結局一回も攻撃しないで勝っちまったよ。

 なんか拍子抜けだな。



 戦いを終えた俺は控え室に戻り、次の出番を待つ。

 だがしばらく呼ばれることはなかった。


 二回戦の相手は緑龍のミリナだったが、戦う前から棄権されたので、準決勝まで俺の出番がなかったのだ。

 うーん、これっていいのか悪いのか。


 ちなみにテルサムとハシクは青龍のネメサル相手にあえなく撃沈。

 勝負は一撃で、三秒で終わったそうだ。

 どんだけ強いんだ、ネメサルって。



 ネメサルの力に戦々恐々としつつ、ついに出番が回ってきた。

 相手は黄龍のガネヤイ。

 こいつも因縁の相手だな。

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