努力あるのみ
思い付いて連載するのは、止める用に言われましたが、浮かんだときに書かないと忘れるので……。
早朝の大空は涼やかに晴れ渡っており、今日一日を爽やかに過ごすことが出来そうな程、清み渡っていた。
そんな爽やかな朝に、似つかわしく無い声が響いて来た。
「ふんっ!ふんっ!!ふんっ!!!」
三メートルはあろう大きくて太い丸太を、一見すると細身の麗しい少女がブウンブウンと、空を切りながら素振りをしている。
「ひっ姫様~!?なっ何をなさっておいでですか?」
素振りを目撃した、老齢のメイドが悲鳴を上げながら近付いて来る。
「うむ、婆やか?見て分かるであろう?素振りである!!」
満面の笑みでキラキラと輝く少女の微笑を、のちに語ったメイドは、少女の笑顔が眩しくて、麗しくて危うく目が潰れてしまう所だったと語ったという。
「おっ…お止め…くだっ…下さいませっ!!姫様の美しい白魚のような、お手がっ!お手がっ!!」
「うむ。手か?大事無いぞ?これしきの事では、我が手はどうにかなったりはせんよ……」
麗しい顔を邪悪に染めると婆や曰く白魚の手を、蒼天に掲げてみせた。
確かにその白く柔らかな手には、擦り傷一つ無い。その事については老齢なメイドはホッとしたのであったが、大切な事を主である姫の父親のローゼンバーグ公爵閣下より、頼まれて居た事を思い出すと、大きな声でその事を、姫に伝えたのである。
「姫様……公爵閣下が執務室に至急参じるようにと、仰っておりました」
蒼天に手を掲げている少女の名は、イトリィーリャ・ グロース・ローゼンバーグという、マブーレ王国の公爵家の紅一点にして、変人との噂が耐えない姫に話し掛けたのであった。
「そうか……父上が…。もしや我が頼んでおった近衛隊への入隊が決定したのでは?おお、こうしてはおれんっ!急ぎ父上の元に馳せ参じようではないかっ!」
ズドーーーーーーーンッ!!!
もう片方の手で持っていた、丸太をその辺に放り投げると、物凄い勢いで邸がある小城の建物の方に向かって走り始めた。
「姫様っ!はしたのう御座います~!馬車が参りますので……もう見えませぬ~。早すぎで御座います~」
嘆くメイドはその場に疲れたように膝を付くと、ポケットから出した布で目元を拭ったのであった。
他の話も更新はして行くと…思います。時間は掛かるけれど?