表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/8

3

・・・盗賊。いや、どこかの小説ならカッコよく主人公が倒す展開なんだろうけど。現実世界のオレはろくにケンカなんかしたことない。まして、今のオレは10歳前後の体だ。勝つのはまず無理だろう。・・・つまり、めっちゃ怖い。


「・・・大丈夫だ、サトリ。心配はいらないよ。」


ヨミはそう言うと、そろそろと盗賊に向けて歩き出す。その佇まいはどこかの王子様と言われてもおかしくないくらい神々しく、堂々としていた。


「・・・ああん? ガキが、盗賊頭のこのオレ、ギル様に歯向かうだぁ? ・・・いいぜ、その四肢ぶった切ってひいひい泣かせてやるよぉ!!」

「うるさいな。黙っていろ。」

「ッチ!・・・癇に障るやつだな、お前。・・・ッ!?」


その瞬間、ヨミの体がぶれたように見えた。瞬きの後には、ヨミの体は4つに増えていた。


「な・・・や、やばいこいつ、“運命”持ちだ! 気をつけろ!」


盗賊頭のギルと名乗った男が、仲間であろう盗賊3人に声をかける。


「・・・」


その光景は何と表現したらいいだろう。4人のヨミはほんの少しぶれたように見え、盗賊頭のギルを含めた4人の盗賊は地面に倒れていた。・・・つまり「な、何を言っているのかわからねーと思うがおれも何をされたわからなかった」状態である。


「大丈夫かい、サトリ。」


気がついて見れば、ヨミは1人に戻ってオレのところに来ていた。ヨミは何事もなかったように平然としている。


「さ、さっきのはなんだったの?それに、あの人達は・・・」

「ああ、さっきのは僕の“運命”を使ったのさ。あれは盗賊だから、縛ってここから離れよう。」


後で知ることになるのだが、ヨミには“運命”という名の力を持っていて、他人を影から操る“幻影”という力を使えるのだそうだ。この力を使えば、他人の視覚を操って錯覚させたり、他人の脳を操って何でも命令できるのだそうだ。・・・何そのチート能力。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ