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異世界ハーレム?無理無理…  作者: ネギ博士
8/8

片鱗 後編

「ぎぃやぁあああああああ!やめてぇえええええええええ!!!!」


あ、どうも宮本徹です

今私は完全にヤバい状況です


「ワン!ワンワン!」


「そんな可愛い声で鳴くのに攻撃が可愛くねぇええええええ!!!」


火の玉を連発されてます♪


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

1時間ほど前…


「ほんとに広いなこの森…」


恐らく5時間ほど歩いているが風景が全く変わらない

相変わらずの大自然

そろそろ緑に飽きてきた…


「とりあえず生物とかはいないものなのか?

森といえば生物わんさか虫わんさかってイメージなんだが…」


そろそろ本格的に寂しくなってきた

せめて何か生物に会いたい…

そう思っていると前方に赤茶色の物体が見えてきた。

久しぶりの緑以外の色だ!

う、嬉しい…

赤茶色の姿がハッキリと見える距離まで近づいてみると


「……柴犬やん…」


なんで!?

なんで柴犬がこんな所に!?

しかも色が赤茶色で……

…しかし…可愛い!

ものっそい可愛い!!

触りたい…もふもふしたい…

むしろ…飼いたい…


そんな愛くるしい姿に目を奪われながら赤茶犬に近づいてみる

赤茶犬もこちらに気付いたようだ


「ヴゥゥゥ…」


…すんごい警戒されてるぅ…

いや、そりゃそうだ

何故なら俺は見た目がデブで、凄くデブで、とにかくデブなのだ

しかも靴下しか履いてない変態である

警戒しない生物がいるとすれば、その生物はよっぽどの変態だ。

変態同士でなら共感しあえるということだ

いや!俺は変態じゃないよ!?

見た目は変態だけどね!

そんな事は置いといて!

この赤茶犬の警戒を解こうではないか!


「大丈夫だよ〜食べたりしないよ〜怖くな「ゥワン!!」


…ん〜非常に難しい

ほんとに害は無いんだけどなぁ…

見た目は変態だけど…

もう少し近づいて交流を図ろう!


そう思い一歩近づいた時であった


「ゥワン!」


ゴウッ!!


俺の隣にあった木にポッカリと穴が開いている

その穴の周りを見てみると炭のようになっている


…え??


あまりの衝撃に体が硬直してしまう…


な、なんですと?

最近の犬って火を出すの?

それとも異世界では当たり前なのかな?

そ、それにしても威力が凄すぎる気がするんだけどね!

あ、鑑定してみよう!

出来るものなのかね?

鑑定!と念じてみる


____________________________________

名前:ホットドッグ

Lv:214

種族:魔獣

攻撃力:800

防御力:650

素早さ:600

回避力:700

命中率:80%

運:50

____________________________________

魔法:火属性魔法(達人級)

____________________________________


…………あっるぇ〜?

どこのボスですか?

レベルが物凄いんですけど〜

可愛いの名前だけや〜ん

んで魔法って!

しかも達人級って何!?

人じゃねぇじゃん!!


……ていうか…これ、まずくね?


「ワン!ワンワンワン!!!」


ホットドッグが1回鳴く毎に火の玉が一発飛んでくる

さっきのはこれ以上近付くなよという牽制だったのだろう

今度は確実に俺を狙ってきた


「あかぁあああああああん!!!!」


逃げる!超逃げる!!!

ヤベェ!!

マジで死ぬ!!

俺のステータスじゃ無理無理無理無理!!!

勝てる見込みがない!!

どうするどうするどうする!


超ヤベェ!!!

しかもホットドッグさん超早い!!!

無理だって!!


そして冒頭に戻る


「死ぃぬぅうううううううう!!!!」


「ゥワン!ワンワンワン!!」


「いやぁああああああああやめてぇえええええええええええ、うわっ!」


足が木の根に引っかかり思いっきり転んでしまう!

全身切り傷すり傷だらけ、所々火傷もしている

もう立ち上がる体力もない…


「グルルルルルルル…」


ホットドッグさんは頭上に今までとは比べものにならないサイズの火の玉を作っていく


…あぁ、完全に死んだ

これは避けれない…

そうだ…ここは異世界

認識が甘かった…

魔獣なんて普通にいるだろう…

あ〜あ名前は凄く美味そうなのに

超強えよ…

ホットドッグかぁ…食べたかったなぁ…

…そういえば、走り回って腹減ったなぁ…

ホットドッグ…食いてぇなぁ…

あぁ、もう何でもいいから食いてぇなぁ…

ばあちゃん…強く思ったらなんとかなるのかなぁ…

生きたいなぁ…

というか…ホットドッグが食いてぇ…

いや、食う!俺は生き残って!

ホットドッグを食う!!


そう思った瞬間

目の前のホットドッグさんが頭が何かにくり抜かれたかのように消えた

いや、消えた、というよりも『かじられた』

といった方が近いのか…

そうしてホットドッグさんはどんどん

かじられながら少しずつ姿を消していく…

辺りにはホットドッグさんの血しぶきが舞う


俺は返り血を浴びながら動く事も出来ず

ただただホットドッグさんが消えていくのを見ている事しか出来なかった…

不思議な事にホットドッグさんがかじられる度に空腹が満たされていく…


そしてホットドッグさんは完全に姿を消した…


あまりの出来事に俺はしばらく何も考えられず固まったままだった



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