片鱗 中編
「…はぁ」
あ、どうも宮本徹です
今僕は
森にいます
「自然しかねぇじゃん!てか何だよこの状況!」
勇者じゃなかった俺はマールという魔法使い?みたいなイケメンにどこかに飛ばされた
気付けば空にいて高速落下
しかしおばあちゃんのおかげで一命をとりとめた
そして何故かすきっ腹だったのがいい感じに満たされている
いや、まだ食えるけどね!
そして今落下地点でゆっくりしている…
「どうしたもんだろう…ほぼ全裸だし…
こんな状況誰かに見られたら捕まってしまう…」
そう、今の俺の格好は靴下のみ残っているというお巡りさんに見つかれば確実にお縄であろう変態よろしくどうも、といった感じなのである
「まぁこのままボーッとしてても飢え死にしてしまいそうだし適当に歩くか…」
方向なんて全く分からないがとりあえず散策という意味で歩き始めた
「まぁしかし俺が腐男子だったとは…いや、意味は今でも分からんが…でもBLとかそっち系だろうなぁ…そっちの気はないと思うんだがなぁ…というか腐れデブってなぁ…」
あまりの何も無さに独り言が多くなってしまう
…虚しい
こうして宮本徹は果てしない森を歩いていった
しかし彼は気付いていなかった
彼が歩いた後の木々が一つ残らず枯れている事に…