皇帝と勇者の決断
「君達を呼んだのは他でもない!この私だ!
最悪最強の魔王が復活しまったのだ…
どうか勇者達よ…助けてはくれないか…」
…いや、どうやって呼んだんだよ…
…いい迷惑だよ…
…自分でどうにかしろよ…
皆が思っていることを口にする
そんな中、石田先生が声をあげる
「ルピウス皇帝?だったか、王様か何か知らんがな〜いきなりよく分からない世界に飛ばされて魔王を倒して欲しい?そんなめちゃくちゃな話が通じない事は分かるよな〜?
どうやって呼んだとかそんなのはこの際ど〜でもいい
こちとら大事な生徒たちがいるんだわ〜
家に帰してやらないといけないんだわ〜
それで聞きたいんだが、その魔王を倒したら元の世界に戻れるのか?」
おぉ!あの万年ぼけっとしてる石田先生がちょっとかっこいいじゃねぇか!
あれ?これが腐ってるってこと?
「断言しよう、戻せる しかしながら!魔王を倒さないと戻す事も出来ない…
君達を元の世界に戻すためには大量の魔界石というものが必要なのだ
その魔界石は魔王の住む魔大陸にしかない…
取りに行くのは簡単だが帰ってこれる可能性は0%に等しい…
そういう訳なのだ」
「なるほどな〜分かった俺はその話に乗る
じゃないと先生失格だからな〜」
石田先生…かっけぇっす…
そんな事を思っていると
…石田先生が行くなら俺たちも行く?
…どっちにしろ帰るには行かないといけないんだろ?
…怖いけど行くしかないよね…
そんな声が聞こえる
そして皆が最後にチラチラ見るのはやはりあの人だ
その人が声を出す
「ルピウスさん!私達は魔王を倒しに行きます!ここにいる皆で!」
「おぉ!そうか!非常に助かる」
「ごめんね?皆…でも帰るためには倒しに行くしかないと思うの…勝手に決めちゃったけど…皆ついてきてくれる?」
こんな事を超絶美少女に言われると皆は断れるはずもなく…
やってやろうぜ!皆!
そうだ!橘先輩が言ってるんだ!
石田先生もかっこいいし!
皆で行こうよ!!
皆で行けば勝てるよ!
皆のテンションが凄いことになっている…
…正直あの皇帝物凄く胡散臭いんだが大丈夫なのか?
そんな事を考えていると…
「ちょっとみんな見て欲しいんだけどぉ」
いつも俺に突っかかってくる女…相川が声を発した
「宮本君のステータス見てよw」
皆がこちらを向いてくる
………ドっ!!!
皆が一斉に笑い始める
お前のステータス、カスじゃんww
大食いだってさwお似合いじゃんww
キメェww
お前一番先に死ぬなw
盛大にバカにされる
ただこれだけは言わせてもらおう!
俺が1番分かっとるわい!
焦りしか感じてないんだよ!!!
まず俺だけ勇者じゃないしな!!!
こうなったら開き直ってやろう!
といってもヘタレだから何も言えないけどな!!
そんな中誰かが言い出した
…あれ?あのブタ1人だけ勇者じゃなくね?
…あ、ほんとだwあいつ勇者ですらないのかよwここにいる資格ねぇじゃんw
あぁそうだよ!
だから勇者じゃないんだって!
腐男子だからね!!
「ム?勇者でない者がいるのか?」
ルピウス皇帝が騒ぎに気付きそんな事を言い出した
「勇者でない者はここにいる資格はない
即刻この場から退場頂こう」
え?
ちょ、え?
「マール、あの小僧をどこでもいい
飛ばせ」
「かしこまりました。」
え?え?
待って待ってウェイト!ウェイト!
この状態でどこかに飛ばされる!?
無理無理!
無理ゲーだって!!
んでマールさん?どこにいたの!?
すんごいイケメンですけど!
ちょ!
ウェェエエエエイト!!!
「おい!そいつは俺の生徒「あなたに恨みはありませんが勇者でない者は必要ありませんサヨウナラ」
マールさんが凄く大きい綺麗な赤い石のついた身の丈ほどある杖で地面を1度トンと叩く
…
すると俺の足元に魔法陣らしきものが描かれる
「ちょ、待ってヘル」
最後まで言えないまま飛ばされてしまう徹
「み、宮本ぉおおおおおおお!!!」
石田先生の叫びと生徒の笑い声が虚しく城を響かせた…
「あちゃ〜♪勿体無いことしちゃったなぁ♪
あの皇帝♪あの子はイレギュラーな存在、おそらくこの世界で1番強いのに♪
あ〜あ♪
でも、面白い展開だね♪
まさか飛ばされた場所が魔大陸なんて♪
ふふふ♪どうなるのかな?♪」