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第一夜
「フュイ、授業中なにをしているの?」
学校の裏で僕とトーマは昼食をとっていた。
木陰はとても居心地がよくて眠りに誘われる。
サンドイッチを口にしながら、疑問を投げかけるトーマを見た。
トーマはそんな僕を見て余計に不安そうな顔。
いつも心配してくれる彼は僕の親友だ。
トーマの家族と僕の家族は仲良しで、昔からの付き合い。
「別になにもしてないよ」
僕がそっけなく返すと余計にトーマは心配した。
昔から何かと周りに心配をかけていた僕だが、トーマはその中でも
一番僕を気にかけてくれている。
(そりゃもう、趣味が僕の心配をすることと言ってもいいくらい)
「とにかく心配いらないよ」
「…、わかった。ところでフュイ、夕食はどうする?」
「そうだな、今夜はとくに用事もないし、僕の家においでよ」
僕らは週に1、2回の頻度でどちらかの家に行っては夕食を共にした。
父さんも母さんも、トーマ家が遊びにくると楽しそうにしていた。
僕も、トーマと楽しい時間を過ごすことができる。
家族同様、大切にしている。