Prologue
僕の住む村では、5年に一度、空からたくさんの星が降る。
でも僕は降ってくる星を見たことがない。
星が降る夜、村の人は起きていてはいけない。
それが村の掟だった。
掟を破ったものは村から追放されてしまう。それが子供でもだ。
なぜ起きていてはいけないのか、
星はどんなものなのか、
何色?どんな形?
そもそも本当に存在するの?
僕は子供だから、そんなことばかり疑問に思っていた。
だからといって、誰かに聞くことは決してなかった。
その行為自体が、厄をよぶといわれているからだ。
実際に、僕の友達のケリーは興味本意で大人に星のことを聞いた。
すると、次の日からケリーは学校の成績がガクンと落ちたし、
一週間以上も風邪で寝込んだり、お小遣いも減らされてしまった。
ケリーの厄はまだ可愛いほうだ。
他のクラスのマイカという子が星について真剣に調べていたらしい。
たくさんの人がマイカを止めた。
それでもマイカはやめなかった。
そしてある日、マイカは川に落ちて死んでしまった。
それからというもの、星について皆は知ろうとしなかったし、
知りたくもなくなってしまった。
危険な星___。
しかし、そんな危険な星について、
古くから伝わる伝説があった。
その名も、【流星伝説】。
5年に一度の夜。星は天から降ってくる。
星は誓いを結ぶ者を選ぶ。
その者、星と誓いを結び、星の願いを聞き入れる。
星の願いを叶えた時。
星はその者の願いを『なんでも叶えてくれる。』