程よく、切ない距離
君は、僕ととなりの席になったことがない。いつも、前斜めの席。
気軽に話せる席の場所だけど、授業中は会話無し。君はとなりの男子と話している。
ほとんど変わりない場所なのに、君と僕との席には見えない壁があった。
それでも、君はきれいだった。後ろから二番目のときは、先生に見えないと思ってちょっと寝ていたり、
一番前のときは、先生に当てられないように教科書で顔を隠したり・・・
窓側のときの、太陽の光にあてられた君はとても絵になっていた。
昼休みや授業の間の休みの間はいつも僕はいじられていた。
ホントはキレて暴れたくなるときもあるけど、君が笑っているならいいと思う。
毎日君と話していた。話さない日はなかった。学校のない日でも
部活のときにたくさん話した。それも、何も中身のない会話。でも、楽しかった。
授業中は、数学が苦手な君に数学を教えていた。僕もあまり得意ではなかったけど
君が教えた後に言ってくれる「ありがとう」をほかの人に言ってほしくなかったから
維持でも勉強した。おかげで学年一位にまでなってしまった。
思いは、なくなることはなかった。友達でいたら幸せなのに
僕は、君を求めていた。もっと君の話を聞きたい。君を僕のものにしたいと
だけど怖かった。何年もの間友達だった関係は崩せなかった。
この、友達という壁を壊せない。一定の距離は保たれている。
僕には、この距離がとてもつらくて、とても苦しくて、とても幸せだった