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ツンデレとデレデレの双子幼馴染とヤンデレ妹が吸血鬼の僕を取り合ってる件   作者: 十色


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第2話 吸血鬼と魅了と双子姉妹

 中学校を卒業し、高校生になる前の小休憩のような春休みのことだ。午後二十三時にも関わらず、小腹が空いたので夜食でもとコンビニへ向かう道中、僕は襲われた。


 暴漢とかち合ったのかと思う人もいるだろうが、違う。そっちの方がずっとマシだ。


 僕を襲ってきたのは吸血鬼だ。


 一目見て、僕はその彼女――吸血鬼の美しさに惹かれ、魅了された。そして自分の意思とは関係なく、ふらふらと彼女のところまで歩み寄った。その直後、その吸血鬼は僕に襲いかかってきた。そして血を吸われた。首筋に刄のような牙に噛まれて。


 それ以来、僕はこの双子姉妹から積極的なアプローチを受けるようになった。吸血鬼の能力のひとつである『魅了チャーム』によって。


 彼女に血を吸われたことで、僕も吸血鬼化したということだ。だから授かった。いや、身に付けてしまった。吸血鬼が持つ能力を。つまりは魅了チャームを。


 その能力はどんなものかと端的に説明するならば、相手を見るだけで惚れさせグェッ!!


 やっとのことでリビングに通させてもらってソファーでくつろいでいたら、双子の妹の桃が『クーロちゃーん!』と叫びながら僕のところへダイブしてきたのだ。


「いやーん私ったら。我慢できなくなってついついクロちゃんに抱き付いちゃったよ。はしたない女ですなあ。でも許してね。私の可愛さに免じて」


「自分で自分のことを可愛いとか言うなよ。少しは謙遜しろ」


 とは言ったものの、桃が言うことも分かるといえば分かる。この双葉桃という女子はとにかく元気で明るい性格をしている。だから友達も多いし、男子からめちゃくちゃモテるのだ。


 笑うと無敵なんだよ、コイツ。ただでさえ可愛いのに、笑顔になると魅力が一気に増すから破壊力が半端じゃない。自分のクラスだけにとどまらず、他のクラスの男子達からも告白されているらしい。当然と言えば当然だろう。


「あ、あのさ桃。暑苦しいんだけど。離れてもらけないかな?」


 やっと暑さから解放されたと思っていたら今度はこれだ。桃に抱き付かれるのは毎度のことなので慣れっこだけど、今日は勘弁してほしい。まだクーラーも完全にリビング全体を冷やし切ってないから余計に。


「そっかそっか。それだとクロちゃんまた汗かいちゃうね。じゃあもう少し抱き付いたままでいることにする」


「『じゃあ』の意味が全然分からないんですけど……」


「え? だってさっき言ってたじゃん、クロちゃんが。この桃ちゃん様と一緒にお風呂に入りたいって」


「事実を捏造するな。改変するな。僕はそれを拒否した側だろうが」


「うーん……そんなに嫌なの? 桃と一緒にくんずほぐれつするの」


「さっきよりも過激になってるじゃんか……。なんだよ、くんずほぐれずって」


「そんなことも知らないの? クロちゃんってアレでしょ? バカってやつでしょ?」


「バカはお前だ! この小学生が!」


 言ってから『しまった』と思った。ついカッとなって、桃が一番気にしていることを口に出してしまった。


「へえ、そうなんだ。私のことをそう思ってたんだ、クロちゃんは……」


 笑顔が素敵な人あるあるだけど、怒った時の顔は怖い。まるで鬼のように。それを至近距離から見てしまった僕は、あまりの恐怖に体が固まってしまった。


「ねえ桃。そのくらいにしておきなさいよ。アンタ、怒ると人格変わるから気を付けた方がいいわよ?」


 命拾いした……。緑が話に割って入ってきたおかげで冷静さを取り戻したのか、桃の表情がスッといつもの笑顔に戻ってくれた。


「いい、桃? 黒也にはちゃんと段階を踏んでいくようにしなさい。なので、今日は下着姿を見せるだけにしておくこと。いいわね?」


 全っ然、命拾いしてなかった!!


「確かにお姉ちゃんの言う通りかも。ごめんねクロちゃん」


「とか言いながら、さっそく服を脱ごうとするなってば!」


「なんで? 見たくないの? この桃ちゃん様の下着姿」


 さも当たり前のように言ってのけた桃だけど、下着姿ねえ。コイツのそれはきっと小学生のそれと変わらないだろうから、まず興奮しないだろうなあ。子供の頃はいつも一緒にお風呂に入っていたからその時の体形は知ってるし。たぶん、その時と大差ないはず。


 まあ、それを口に出したら今度こそブチギレられそうだから言わないけど。


 ちなみに緑は――あんまり言及したくないなあ。だってこいつ、デカいんだもん。マジで。服の上からでも分かる。コイツ、一体何カップなんだろうか。


「私はEだけど?」


 緑、お前ってもしやエスパーか何かなのか? というか、Eなのか……。全く想像がつかないや。


「どうしたのクロちゃん? 考え事? あ、分かった! 私のスリーサイズでしょ! えへへー、照れちゃうなあ。いやあ、やっぱりクロちゃんも興味待っちゃうよねえ。なんせ桃ちゃんはナイスバディなので」


 うん。それに関しては無言を貫こう。お前がナイスバディだったら、世の女性達は皆んなそれに当てはまると思うんだ。世の中のバランスが崩れるからやめなさい。


 しかし、この魅了の能力って勝手に消えたりしてくれないのかな? 今は夏休みだからいいけど、学校が始まったら大惨事になってしまう。このまま相手の目を見るだけで好意を抱かれるとか面倒くさくてたまったものじゃない。


 今夜にでも、またあの吸血鬼を探しにでも行くとするか。


【続く】

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