第203話 思っていたところに侵入者アリ
「次は私の事を考えるんですか?」
突然耳元でささやく女の声に誠は目を見開いてベッドの隣を見つめた。
そこにはネグリジェ一丁のリンが立っていた。誠はあまりの出来事に固まったまま動けずにいた。
「誠様。確かに他の女達は異常すぎます。私も元最下級の女郎ですべてを開発され尽くした身体しか持ち合わせておりませんが。人格的な問題においては他の女共の比では無く誠様のご期待に添えると思いますよ」
そう言いながらリンは誠の布団に入ろうとした。
「あの!渡辺大尉!いきなり侵入してベットにもぐりこむなんて何を考えているんですか!ここは僕の部屋です!出て行ってください!」
誠は以前リンに寝ている間に股間のあれから精液を採取されたという事実がもたらした結果でひどい目を見ているのでそう言ってリンを追い出そうとした。
「いいえ、誠様は私だけを選ぶべきなんです。あの女達。家事が出来ませんよ。私は出来ます。お金の感覚は全員壊れています。私は経済観念はしっかりしています。かなめ様のように誠様を調教したりすることも有りません。誠様は今のままでいい。そして私を愛してくれればいい。そうすれば自然と道が拓けます」
リンは確信を込めた調子でそう言った。
確かにリンの言う通り問題児ばかりの誠を思う女達の中でリンだけがまともな考え方の持主なのは確かだった。しかし、こうして部屋に不法侵入してベッドにもぐりこもうとしている時点でかなりおかしい事は誠にも分かった。
「確かに、生活面や僕の生き方を変えなくていい事ではリンさんが一番理想ですけど、こうして部屋に不法侵入して来る時点でかなりアウトですよ。そう言うのをストーカーって言うんですよ。わかります?」
誠はそう言うとベッドに入ることは諦めたらしいリンに背を向けて寝返りを打った。
「そんな事だから誰か一人に決められないんですね。誠様には決断力が欠けています。『据え膳食わぬは男の恥』という言葉をご存じでは無いのですか?ここで私を抱かないと一生後悔しますよ」
リンはそう言ってベッドに腰かけた。その手はあたかも当然の様に誠の股間に伸びる。
「渡辺大尉!何をするんですか!」
誠はリンのネグリジェ姿に興奮して膨張している股間のアレを触るリンの手つきに驚いてそう叫んだ。
「誠様。体は正直ですよ。そのまま欲望に身を任せてみるのも一つの生き方です。すべての事後処理は私渡辺リンにお任せください。悪いようにはいたしません。私はかえで様も一目置くできた家宰なんです。私にあの女達を丸め込めないはずが無い。こういう事後処理はかえで様のおかげで散々場数を踏みましたから」
そう言うとリンは布団をはがして誠をパジャマのズボンを下ろそうとした。




