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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『駄目人間』の青春と初めてのデート  作者: 橋本 直
第四十四章 変わりゆく月島屋

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第198話 乱入して来る太夫

「なんだい、また色男の取り合いかい?確かにこんなに男前で立派な身体をしていて事が有ると頼りになる力のある男。甲武だったらモテてモテて仕方ないだろうが、ここは東和なんだよ。このお兄ちゃんだってモテない宇宙人の遼州人だ。そんなに責め立てたら委縮しちゃって肝心な時に役に立たないだろうねえ」


 アメリアの中ジョッキの替えを持って来たお蔦はそう言って笑った。


「なんだよ、叔父貴の女が偉そうなこと言うじゃねえか。叔父貴だって遼州人だぞ。あれだってアンタが来るまではまるでモテなかった」


 かなめはお蔦に反抗するようにそう言った。


「そりゃあ、昔の新さんを知らないからそんなことが言えるのさ。あの人は『相模屋』では新さんはそれはもう女郎たちの間ではモテたね。まあ、暇な女郎はみんな新さんにいつ抱かれても良いように客もいないというのに白粉してさ。そりゃあ凄い有様だったんだよ。まあ、アタシは店一番の人気者で客が途切れることが無いのを良いことに新さんもそんな女郎を訪ねては抱いてたんだ。まあ、アタシも客が眠ると部屋を抜け出して新さんの所に行って眠ってる新さんを何度襲ったか分からないよ……おかげで不老不死の法術師とやらになっちまったんだがね」


 そう言うとお蔦は不満そうなかなめ達を見渡した。


「そうか、じゃあ、アタシは今夜神前を襲う。双方の合意なんて関係ねえ。神前もアタシが強引なのは十分知ってるはずだ。そんな事位覚悟してるだろ?」


 かなめはそう言って誠を逆レイプすることを宣言した。


「覚悟なんてしてません!それにさっきから聞いていれば僕の意志は皆さん完全に無視ですか?僕が皆さんを嫌いじゃないのは事実です。あと、かえでさんにも惹かれています。でもそれは恋とは違う。それだけは断言できます。僕は恋がしたいんです!別に隊長みたいに欲を満たしたいだけの『脳ピンク』にはなりたくありません!」


 誠は勇気を込めて自分の本心を吐露した。


「そうかい、お兄さんは青いね。だからいつまでたっても童貞なんだよ。恋にはね、身体から始まるモノもある。アタシと新さんの恋はそんな恋だった。アタシは新さんに恋してる。新さんもアタシの事が好きだ。そうしてね、身体が馴染んでから心も馴染むことも有るんだ。純愛なんてものはあれは芝居や映画だけのお話だよ。実際、世の中なんて色と金さ。この東和の結婚の8割は金目当てなんだろ?残りの2割も体目当て。だったらそんな青い妄想を抱いてるとこの星の7割の処女童貞で一生を終えるほとんどの遼州人と同じ運命をたどることになるよ」


 決意した誠をお蔦はそう言っ嗤って見せた。

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