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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『駄目人間』の青春と初めてのデート  作者: 橋本 直
第四十四章 変わりゆく月島屋

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第196話 久しぶりの四人の顔

「マジでカウンターでリンと二人っきりかよ……アイツ等二人の会話って……どんな変態的な悪だくみを巡らすつもりなんだ?想像するだけで寒気がする」


 かなめはそんなことを言いながらカウンター席に並んで深刻そうに話し合うかえでとリンを見つめていた。『月島屋』に入るとお蔦に迎えられた誠達。かえでとリンはカウンターに座り、誠、かなめ、カウラ、アメリアは四人席に腰かけた。


「あれじゃない?この前リンちゃんかえでちゃんをランちゃんに売ったじゃない。その説教でもしているのかも」


 アメリアはボンジリを食べながらそう言って笑っていた。


「あの後、かえでは全裸でリンを連れて行った。そこで説教をしたんじゃないのか?」


 いつも通り烏龍茶を飲むカウラはあくまで純粋だった。


「全くセルフヌードを神前に送っておいてその反応はどこまで純情ぶれば気が済むんだよ。あの後は……」


 かなめがそこまで言った段階でかえでの性的嗜好を彼女が送ってきていた無修正動画で知っていた誠が口を押えて遮った。


「そうよねえ、カウラちゃんは純情なのが一番の売りだものね。かえでちゃんがリンちゃんからされたことをここでカウラちゃんに聞かせたらカウラちゃんのその大事な売りが無くなっちゃうもの。まあ、私としてはそれだけライバルが減ってうれしいんだけどね」


 アメリアはいやらしい笑みを浮かべて誠を見つめてくる。誠は自分が想像したことがたぶんあっているだろうと思っていたのでアメリアの視線に耐えられずはずかしがりながらビールを飲んだ。


「それにしてもあれだ。やっぱりアタシ等が法術師になる必要が有るんじゃねえのか?お蔦が来てからというもの、この店はかなり他の客も出入りするようになった。アイツ自分が花街一の花魁だったことを隠そうともしねえんだ。だから下心満載の客が次から次へとはるばる遠くからやってきてその筋ではちょっとした有名店になってるらしい。アイツは下着を着てねえからチラ見せとかやるんだぜ。それもアイツが不老不死の法術師だからだ。アイツの見た目は二十歳前後。しかし年齢は叔父貴より三つ上の50だ。法術師であることをアタシの知っている限り一番生かしているのは奴だ」


 かなめはそう言うと葉巻を吹かし、ショットグラスのラムを一気飲みした。


「その話は済んだ話でしょ?それとも何?かえでちゃんに頼んでかえでちゃんが研究所で培養している誠ちゃんの精液を分けてもらうの?たぶんかえでちゃんが寮に移ったからあの部屋のどこかにそれを貯蔵しているタンクか何かがあるわよ。それから分けてもらえばすぐじゃないの。もっとも、私はそんなの御免だけど」


 アメリアはかなめの諦めの悪さを馬鹿にするようにそう言うとビールを傾けた。

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