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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『駄目人間』の青春と初めてのデート  作者: 橋本 直
第四十話 かえでのオーナー宣言

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第180話 メイド付き寮のオーナーの厳しい命令

「そう言うわけなんだ。だからこれからは僕がこの寮の一切を取り仕切ることになる!今日からはこの寮の主は僕だ。でも特に配慮する必要は無いよ。これまで通り自由に暮らしてくれればいい。僕は領民には優しい領主なんだ」


 そう宣言するかえでに顔色を変えて立ち上がったのは隣のメイド達を見てニコニコしていた島田だった。


「じゃあ俺の立場はどうなるんですか!俺は寮長!ここのトップだったんだ!確かに高梨参事から西園寺さんがやたらと機体をぶっ壊したり無駄に射撃練習して弾丸を消費したりして予算が足りなくなったってのは理解できますよ……でもそりゃあ横暴でしょ?オーナーなんて言うモノは寮を所有しているだけで良いじゃないですか!俺から寮長の資格をはく奪したら俺に何が残るって言うんですか!」


 必死に訴える島田にかえでは誠に向けるそれとは違う明らかに作り物の笑みを返した。


「そうだね、僕は君には男性としては何の魅力も感じないがここに居る寮生の人望を集めている人物であることだけは間違いない。それに僕は君から寮長の資格をはく奪するなんて一言も言っていないよ。君はクバルカ中佐の信望も厚い。だから君には寮長として寮生の薄汚い誠君以外の男達の代表を務めることを許してあげよう。それに君にはクバルカ中佐と僕の意見が対立した時の橋渡しの役割も期待しているからね。まあ、僕と誠君は今日からプラトニックな関係になったからそんなことはあまりあり得ないとは思うが、誠君が僕の魅力に耐えられなくなってその枠を呼び超えてしまうかもしれない。それにこの前の襲撃に対する反応と言い、君の指揮能力は僕も買ってるんだ。これからも頑張ってくれたまえ」


 かえでの冷たい口調に島田はその場にどっと崩れ落ちた。それを見て立ち上がったのはあの変態集団『ヒンヌー教団』の教祖にして副寮長の菰田邦弘主計曹長だった。


「じゃあ、俺の副寮長の権限は……」


 かえでの笑みが一瞬で真顔に代わり氷のような冷たい無表情がそこに浮かんだ。


「菰田、君の副寮長の権限は全て剥奪する。この寮の経理関係の仕事は全てリンに一任する。君と君のシンパがやって来たくだらないことを考えれば当然の処置だろ?何が『貧乳は至高の存在』だ。それは胸がとりわけ大きい僕への当てつけとしか僕には感じられないね。リンは僕の資産管理、荘園からの収入の管理、交際費等の出費の管理等の金銭管理のプロフェッショナルだ。簿記の資格を持っている程度の君とはレベルが違うんだ。見ていて吐き気がするほどに醜悪で美しくない君は僕の温情でここに置いてもらえることを感謝するんだね。なんなら今から出て行ってくれても僕もその醜い顔を見なくて済むと思うとせいせいするんだが」


 どこまでも冷酷にかえでは菰田に向けてそう言い放った。力なく座り込む菰田を見て多くの菰田を嫌う島田シンパの整備班員達は拍手を送りかねない勢いだった。


「と言うわけだ。これからも寮で困ったことが有ったら寮長の島田君を通してくれたまえ。それでも解決しない場合は副寮長のリンを通すように。まあ、リンは優秀だからほとんどの難題はそこで解決してしまうと思うけどね」


 かえでは自信ありげにそう言うといつものさわやかな笑みを浮かべて寮生たちを見回した。

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