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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『駄目人間』の青春と初めてのデート  作者: 橋本 直
第四十話 かえでのオーナー宣言

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第178話 『今日は特別な日だ』とかえでは言った

 司法局実働部隊機動部隊詰め所。


 時間は終業時間近くが迫り、いつものように珍妙な格好をしたアメリアが乱入してきて月島屋に飲みに行こうと誠達を誘いに来る時間になっていた。


「ああ、お姉さま、誠君、それとベルガー大尉。実は話が有るんだ」


 いつの間にか第一小隊の島の隣に立っていたかえではリンを従えて誠達を見回した。


「なんだよ、改まって……あれか?さっき神前にプラトニック宣言してたよな?というかオメエにプラトニックラブなんて出来るのか?本当に。神前に触れるなよ。それとオメーの好きな露出も禁止だ。プラトニックな関係なんだから当然の話だよな?エロは一切禁止の状態にオメエが耐えられるのか?」


 冷やかすようにかなめは妹のかえでに向けて敵意むき出しの笑みを浮かべた。


「いや、たぶんクラウゼ中佐が今日も月島屋に行こうと言って来るだろうが、彼女も含めて寮に住むメンバーには今日は寮の夕食時に大事な話が有るから月島屋には行かないで欲しいんだ」


 かなめは特に気取る様子もなくそう言って敵意を向けて来る姉に笑いかけた。


「アタシ等がどこで何をしようが勝手だろ?昨日はオメエのおかげでひどい目見たんだ。それにあの襲撃の件もある。月島屋で楽しくやって憂さを晴らして何が悪いよ」


 あくまでかなめは頑固に月島屋に行くことを主張した。


「あれ?なに?みんなで内緒でお話?私も入れてくれると嬉しいんだけどな……」


 実はすでに機動部隊の詰め所に入り込んでいたアメリアがかえでの背後からそうささやきかけるが、かえでは驚くことなくアメリアにもさわやかな笑みを返した。


「クラウゼ中佐も関係者の一人だ。たぶん今日は整備班もあの面倒な機体の『武悪』の整備にも慣れてきて定時退社のはずだ。だからそこで重大な発表をしたいと思う」


 かなめは朗らかにそう言うと満面の笑みで誠達を見回した。


「どうせオメエとリンとその仲間たちが寮に住みつくことになりますってことだろ?あの工事屋。ネットで調べたらいい値段するが仕事が早くて丁寧なので評判らしいじゃねえか。たぶん今頃は工事も終わって今日からオメエ等が寮の住人になるってことだろ?ランの姐御!本当に良いんですか!こんな変態、神前の傍に置いたら神前の奴は漢になる前に変態性欲の虜になっちまいますよ!」


 かなめは珍しく将棋盤を脇に置いて端末の画面をうなりながら見つめていたランに声をかけた。


「日野がプラトニックになったならそれでいーじゃねーか。日野はちゃんとプラトンを読んでることはこの前一緒に食事をした時に聞いてる。プラトニックラブの意味も日野は理解してる。変態行為をしそうなのは日野よりも渡辺の方で、渡辺の相手なら西園寺でも出来るだろ?いくら相手が法術師でも覚醒したばかりの法術師に後れを取るようじゃサイボーグの名が泣くぜ」


 ランは画面から目を離すことなく腕組みしながらかなめにそう返した。

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