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第161話 動き出した『法術武装隊』の亡霊

「それよりランちゃん。たぶんもう安城さんの例の馬鹿共に指示を出した人物の特定は終わってるんじゃないの?いい加減話してくれても良いんじゃないかしら?」


 アメリアは端末を起動し平然とこまごまとした机の片づけを開始したランに向けてそう言った。


「ああ、その件か。さっき連絡があった。ビンゴだった。やっぱりあの女だ」


 そう言う視線の先にはなぜか誠の姿があった。


「クバルカ中佐、なんで僕を見るんです?」


 ランが自分を見つめていることを不思議に思いながら誠は立ち上がった。それを見てカウラも相変わらず誠を意識して頬を赤らめながらランの机の前に足を向けた。


 かえでやリン、そして現場に居たアンもまたその後ろに立ってランの机を囲むように立った。


「神前、クラウゼ、ベルガーは以前オメエ等が寮に住みつくことになった事件の時に知ってるよな?それとかえでとリン。オメエ等はいずれこいつ等の相手をすることになるかも知れねー。そんな『廃帝ハド』配下でも一番危ない連中が動き出した」


 ランは最後に残った将棋盤の上の角の駒を箱に入れるとそう言って全員を見回した。


「あれですか?『法術武装隊』の残党ですか?連中は地上から消えてはいなかった……『廃帝ハド』の下でじっと時を待っていた……たぶん隊長もこの時が来るのを知ってたんじゃないですか?」


 アメリアはそう言って真剣な表情でランを見下ろした。


「そうだ。『法術武装隊』。アタシも隊長にこの存在を聞かされた時に租界に居る以前のアタシの部下だった連中を訪ねてその存在を確認したんだ。その中に一人そこに関わったことのある奴が居てね……あまり公にするなと言うことでそこの連中のメンバー構成……そしてその隊長の名を聞かされた。そして連中が解散を命じられてからやっちまったとんでもない悪行についても聞かされた。アイツ等はある意味事の発端を作ったトンデモねー連中だったんだ」


 ランは深刻な表情を浮かべてそう誠達に語り掛けた。


「やはり隊長は隠していたんだな。あの人の秘密主義にも困ったものだ」


 カウラはあきれ果てたというようにそう言いながらいつの間にか誠の左手をぎゅっと握っていた。


「そーだ。あの『駄目人間』アタシにも内緒で事のすべてを分かった上で『法術武装隊』の存在……特にその隊長を務める女の話をアタシには黙っていやがった。まったく思い出しただけで腹が立ってくる。例えそいつが神前の姉だとしてもだ……!」


 ランは言葉が滑ったというように口を押え、誠の方に目をやった。


「クバルカ中佐。今、『法術武装隊』の隊長は僕の姉さんだと言いましたよね?僕は耳がいい方なんで聞き逃しませんでしたよ。その辺も知ってることを全部話してください!」


 誠はランの言葉に衝撃を受けながら机を叩いてランに詰め寄った。

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