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第155話 第一期『特殊な部隊』の先輩達からの通報

「西園寺さん、この騒ぎは何なんです?こんな緊急招集なんて初めてですよ。それにこの画面とか……何かあったんですか?」


 ようやく理性を取り戻した誠はネットと通信するために目をつぶっているかなめにそう尋ねた。


「おめえ、『厚生局違法法術研究事件』の時にランの姐御にうどん屋に連れていかれたろ?」


 かなめは突然目を開きそうつぶやいた。表情は無く、電子戦を行っている時のサイボーグの顔をしてかなめは誠をにらみつけた。


「ああ、あの太った店長と金髪のきれいな人のやってるお店ですね」


 誠にはあの嵯峨がかつて率いていたゲリラ狩り専門部隊の副隊長だったという楠木と名乗るあのうどん屋の亭主の顔がどう見ても一般人のそれにしか見えなかったことを思い出した。


「その部下は今でも叔父貴に気を使って色々危ない連中を張っている。特に租界で大量の武器を動かす連中が居ると逐一うちに連絡を入れてくるわけだ。今回もそれだ。租界で4台のバンが34人のAKで武装した戦闘員を載せて租界を出た。その画像がこれだ」


 かなめはそう言うと静かに目をつぶった。


 かなめの首筋に繋がれたケーブルからの映像が島田達の座る席の隣の大スクリーンに映し出された。


 明らかにドローンで撮影した映像には黒く塗装された4台のいかついバンに乗り込む銃を持った男達の姿があった。


「これは明らかに素人ね。銃持って笑ってるわよ……きっと闇サイトか何かで『大金を貰える上に実銃が撃てます』とか言って集められた東和国民のガンマニアでしょ?まったく今回はご愁傷さまと言うところね」


 アメリアは男達の誠から見てもどこかぎこちない動きを見てその練度を言い当てて見せた。


「西園寺さん、連中は今どこら辺に居ます?」


 島田がかなめに画像を切り替えるようにそう言った。


「連中はそのまま首都高から京要道路に入り、宮之木ジャンクションで東関道に乗り入れた。そのままうちには一番近い千要北インターを通り過ぎて、さっき左倉東インターで降りて国道51号を吉岡交差点に向けて進行中だ」


 切り替わった画像には豊川付近の道路地図とその道路に光る四つの点が点滅していた。


「連中、ろくに道も知らねえな。51号からうちに来るってことは吉岡交差点か……そうするとここまでは30分くらいかな……菰田!この前東都警察の応援で租界の違法武器の捜索に行った時にパクったあれがあったよな!」


 腕組みをしていた島田が隣の菰田に声をかけた。


「あるぜ……RPG7。発射筒5本に弾頭が30ある。使うか?」


 いつもは犬猿の仲のはずの島田と菰田はそう言って笑いあっていた。


「どこの馬鹿だか知らねえがこの寮を襲撃しようなんてふてえ野郎だ。皆殺しにしてやる!全員倉庫に集合!HK33とナイトビジョンを装備したらこの寮の全電源を切れ!寝たふりをするんだ!待ち伏せをかけて連中を全滅させる!」


 島田は立ち上がるとそう言って自ら先頭に立って食堂を出て行った。


「まったく男って戦うことしか考えられないのかしら?一人ぐらい生かしておいて情報を聞き出すとか考え付かないから島田君は出世が遅いのよ」


 アメリアはそう愚痴りながらプロジェクターを終了した。

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