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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 『駄目人間』の青春と初めてのデート  作者: 橋本 直
第三十二章 暴走するかなめとカウラと落ち着かせる艦長
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第151話 冷静になれ、と『艦長』は言った

「本当に良いんですか?でも一度に三人相手なんて……無茶ですよ!そんな僕は変態じゃありません!」


 誠は湧き出す性欲に打ち勝とうとそう言って二人に抵抗した。


「あの薬を使ってそんだけ理性が保てるんならそんくらいは大丈夫だ。アレの効果は凄いからな。一度オメエの相手をしたらアタシ達もしばらく休まなきゃいけなくなるくらいだ。だから三人ぐらいの相手がちょうどいい。アメリア、オメエもこの展開を望んでたんじゃねえのか?」


 かなめは卑猥な笑みを浮かべながら静かに黙り込んでいるアメリアを振り返った。


「二人とも、冷静になって。これじゃあ、木乃伊取りが木乃伊になるの典型じゃないの。私達はかえでちゃんの毒牙から誠ちゃんを守るためにここに来た。その三人が誠ちゃんを襲ってどうするのよ」


 アメリアは落ち着いた口調でそう言った。


「しかし、神前をこれからも守っていくためには私達が強くなる必要がある。その為なら私はいかなる手段でも取るつもりだ!その覚悟くらいできている!」


 国道に入る交差点で車を停めるとカウラは振り返ってそう言った。その瞳に涙が浮かんでいるのを誠は見逃さなかった。


「いい?これまでだって私達は誠ちゃんを守ってこれた。それに誠ちゃん自身も確実に強くなってる。これまでやってきた私達の戦いをかえでちゃんに酷いことを言われたくらいでその戦いの信念を簡単に曲げるわけ?私は嫌!私達には私達の誠ちゃんの守り方がある。かえでちゃんは確かに強い。それは間違いない事実なのは認めないといけない。これからの敵はかえでちゃんの手助け無しでは切り抜けられないような強敵も出てくるかもしれない……」


 アメリアはあくまで冷静にそう言った。誠はこんな話を一番にしそうなアメリアがそれを拒否していることに少しアメリアを見直していた。


「でも、それでも良いと私は思うのよ。かえでちゃんも私達の仲間。かえでちゃんも誠ちゃんの事を思ってる。確かにかなり強引なところがあるけど……島田君と違って学習能力があるから今回みたいなことはもう無いと思うの。それにね、かえでちゃんには実戦経験が無い。その点では私達は完全にかえでちゃんに勝ってる。かなめちゃんもいつも言ってるじゃないの。いくら訓練したって実戦を経験しなきゃ何の意味も無いんだって。だから、もしかえでちゃんじゃなきゃ対抗できない敵が出てきたら私達がこれまでの力では絶対に勝てない相手に勝って来た経験をかえでちゃんに教えてあげる。それが仲間ってものじゃないの……違うかしら?」


 アメリアの言うことは誠から聞いてもあまり正論だった。

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