第144話 かえでの怪しい薬の効力
誠はかえでから渡された小瓶の蓋を開け口に運んだ。
独特のきつい刺激臭が誠を襲うが『もんじゃ焼き製造マシン』になるくらいならと一息に飲み干した。
「どうだい?効果はあったかな?」
かえでは淫らな笑みを浮かべて誠を見つめてきた。
誠が小鬢の液体を飲んで初めて感じたのは激しい動悸だった。頭が熱くなり何も考えられなくなる。
そして股間に激しい違和感といつもには無い性欲の盛り上がりを誠は感じていた。
「これ……何ですか?精力剤か何かなんですか?僕はそう言うのは飲んだことが無いんで……効くものなんですね……精力剤って」
誠は股間の違和感に耐えながらそうつぶやいた。
「普通の精力剤にはそんな効果は無いよ。むしろそれはより即効性かつ強力な効果を発揮し、媚薬に近い効力まで有るんだ。媚薬なんて言うモノはほとんどが名前だけのまがい物だが、リンが製薬会社に頼んで特注したものでね。それにしても君は凄いな……これを飲んで理性を保てるなんて……ますます君の事が気に入ったよ」
かえではそう言うとそのまま山道の急カーブを滑るようにして車を走らせた。
「その薬の効果は絶大でね。発情効果に関しては違法な覚せい剤の比では無いんだ。それこそ三日三晩行為を続けても平気なくらいの効果がある。今日は……いや、たぶん君は今日だけでは満足できないかな?三日は僕を抱き続けないと気が済まなくなる……その間に僕のすべてを征服してほしい……楽しみだろ?」
かえではそう言うと車をさらに加速させた。
「そんなものを飲ませたんですか!それに三日もそんなことをしたら普通死んじゃいますよ!」
誠は飛びそうになる理性を抑え込みながらジャケットを脱ぎ捨てて、胸のニプレスを外し乳首をあらわにしたかえでを見ながらそう言った。
「大丈夫だよ。その薬の強化版は何度か試してみたことは有る。その男達は僕を一週間犯しても生きていた。君より弱い粗末なモノしか持たない連中でもそうなんだ。むしろ僕の方が心配かな。あんなに大きいもので三日三晩すべての穴を責められるんだ。まあ、僕には最高の快楽が訪れるんだろと今からワクワクしているんだけどね」
そう言うとかえでは西洋風の門のある建物の前で車を停めた。それに合わせるように自動的に門が開き、かえでは車を乗り入れた。
「僕も快楽に酔うために君と同じものを飲もう……ああ、これは女性用でね。より感度が上がって粘液の分泌が促進される効果がある。あまり早く飲むと車のシートを花弁の蜜で汚してしまうからね」
そう言ってかえでは小瓶を取り出し口に含んだ。
屋敷の隣には見事な梅の木立が見ることが出来た。
「さあ、行こうか……これからは僕達の『愛』の生まれる記念すべき瞬間なんだ」
そう言ってかえでは車を停めて颯爽と車から降りると誠の手を引いてひときわ大きな梅の木の下に誠を導いた。