第122話 振り回されたことに気付く誠
「じゃあお茶目はこれくらいにしようか。どうやら誠君の趣味には合わないみたいだしね。僕としてはもっと過激なことを楽しみたかったんだがね。ここは自由の国東和なんだ。もっと君も自由に性を楽しんだ方が良い」
車に戻るとかえではそう言ってジャケットを羽織りあらわになった胸を隠した。
「自由と言っても限度があると思うんですけど……東和では普通それを『変態』と呼んで軽蔑するんですよ。確かに胸は隠れましたけどそれでも……下半身はそれでもかなりあれなんですけど」
誠はそう言いながら助手席に乗り込む。
「これから先はしばらく車だよ。下半身は見えない。ならば問題ないじゃないか」
かえではそう言って笑いかけて車を発進させた。
車は千要の街を抜けそのまま南に向かう高速道路に乗った。かえではこの車にはかなり金をかけているらしく最高のサスペンションは道路の段差を楽に入手して乗り物に弱い誠にもまるで苦にならなかった。
「いい風ですね……」
誠は笑顔で運転を続けるかえでに向けてそう言った。
「ああ、誠君とこうしていられる時が一番幸せだ。そして、君の恥ずかしがり屋の一面を知ることが出来た。これは一つの収穫かな。僕としてはこうして一つ一つ君の事を知っていきたい。君を知るたびに僕はうれしくなる……これは本心だよ。お世辞なんかじゃないからね」
かえではそう言って誠に笑いかけた。
しばらく続く工業地帯を抜けるとそれまで周りを走っていた車の数はぐっと減った。
そして誠は有ることに気付いた。
背後から赤いスポーツカーが一定の間隔をあけて走ってくる。
視力に自信のある誠にはそれを運転しているのが銀色の髪の女性であることに気付いた。
「後ろを付けてきてる車を運転しているのはリンさんじゃないですか?」
誠は明らかにその車を運転しているのがかえでの副官である渡辺リン大尉であることに気付いてかえでにそう言った。そしてその先に何かあることを誠は予感した。
「そうだよ。君も僕もトイレが必要になる時があるだろ?その時は彼女の口を使えばいい。全部きっちり飲んでくれるし、食べてくれる。僕はどこまでも計画的なんだ。彼女は本当にそう言うことが好きだからね。君も遠慮することは無いよ。彼女が好きでやっている事なんだから」
かえではまたとんでもないことを口走った。
「あのー、リンさんは何時から便器になったんですか?それと僕はそんなの嫌ですよ」
誠はリンがそう言う趣味が有るのは知っていたが自分のモノをリンがくわえているところを想像して拒絶反応を示した。
「そうかい、やっぱり君は恥ずかしがり屋なんだね。リンも君の黄金水を味わいたいと楽しみにしていたのに……まあ仕方がないか。人には好き嫌いというものがある。僕はどこまでも寛容な人間だからね。ただ、僕はリン以外は使いたくないな。彼女がおいしそうに僕の黄金水を飲む様は見ていてほれぼれしてしまうよ。一度君もそれを味わえば病みつきになると思うんだけどね」
かえではそう言って淫らな笑みを浮かべた。誠はなんとかリンに自分のモノを見せないで済むことになってホッと胸をなでおろした。