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* エピローグ 〜崖〜  *

屋敷の裏手。湿った風が吹きつける、切り立った崖の上。


そこにいたのは――セドリック。そして、その足元には倒れたままのイザベラがいた。


「……やはり、ここでしたか」


真実子の声に、セドリックが肩を震わせて振り向いた。


「どうして、君がここに……?」


(クライマックスといえば、崖。迷う余地なんてなかったわ)


真実子は一歩進み、落ち着いた声で言った。


「五年前、イザベラ様は婚約者からヴィダル様を奪いました。そして、彼はあなたの幼馴染――元婚約者に婚約破棄を言い渡した」


その言葉に、セドリックの表情がかすかに揺れる。


「その女性は家を追われ、修道院に送られた。そして今は、大聖堂でシスターとして暮らしている。……そうですね?」


「……ああ」


短く頷くセドリックの顔には、もう笑みはなかった。


「あなたは、そのことをずっと心に抱えていた。怒りを。悔しさを。――復讐の機会を、待っていた」


しばしの沈黙のあと、セドリックが小さく笑った。


「……どうして、そう思うんだい? ヴィダル様の部屋には鍵がかかっていた。僕が中に入れるわけがない」


「いいえ。あなたには殺せたんです」


真実子はまっすぐ彼を見つめたまま、さらに言葉を重ねる。


「――密室を作ったのは、ネズミです」


そして、彼女は頭の中に描いていた“トリック”の構図を、ゆっくりと言葉にしはじめた。



* * *



あなたはヴィダル様を殺したあと、窓のクレセント錠――そのレバーに、細い糸をゆるく巻きつけた。

もう一方の糸は、小さなネズミの胴体に。

あなたは、その体にそっと糸を結びつけていたのです。


ローテーブルの上に、チーズとネズミを置く。

そして、自分はバルコニーへ出て――糸が外れないよう注意しながら、静かに窓を閉める。


そのまま、隣のバルコニーへと身を乗り出し、飛び移った。

あの老朽化した壁の穴は、あなたの部屋に通じています。


やがて、テーブルの上でチーズを食べ終えたネズミは、穴の奥に置かれた新たなチーズの匂いに誘われて動き出す。

ローテーブルから飛び降りる――その勢いで、糸に引かれたレバーがカチリと倒れ、窓の鍵が内側からかかる。


ネズミはそのまま穴を通り、あなたの部屋へと戻った。

あなたは、糸ごとネズミを回収した。


こうして、“誰も入れないはずの密室”が完成したんです。


* * *


「あなたがネズミに餌付けしていたのは、そのためですね。

検証してみたら、私でも再現できました。


ヴィダル様とあなたが泊まっていた部屋のクレセント錠には、糸の繊維が残っていました。

さらに、そのレバーの付け根には――人の手ではつかないような、不自然な擦れと摩耗の跡が。

他の部屋には、そんな痕跡はありませんでした。

あなたは、宿泊したあの部屋で何度も……トリックの“テスト”をしていましたね?


そして……あなたの部屋のゴミ箱から、未使用の糸が見つかりました。

レバーに付着していた繊維と、色が一致しています」


崖の上。風が吹いた。

倒れたリディアの髪が、かすかに揺れる。


セドリックは、ふっと息を吐いた。

そして、わずかに笑みを浮かべて言った。


「……未使用の糸を処分しなかったのは、失敗だったな。

君、本当に――ただのメイドかい?」


その問いかけに、真実子は少しだけ口元を引き締めて、こう返した。


「ええ。私はただのメイド――でも、二時間サスペンスを三百本以上観てきた女です」


その瞳には、確かな確信と、正義感が宿っていた。


「“勘”だけは、鋭いんですよ」


セドリックは視線を落とし、低く呟いた。


「――君の言う通りだよ」


その声には、もう反論も否定もなかった。


「レイチェル……彼女は、僕の幼馴染だった。幼いころから、ずっと好きだった」


風が吹く。セドリックのマントがかすかに揺れる。


「でも、すべてが崩れた。イザベラがヴィダルにちょっかいをかけ、彼は一方的にレイチェルを婚約破棄した。しかも、あいつは……」


彼の拳がぎゅっと握られる。


「リーヴェル子爵は、自分の立場を守るために、レイチェルが“素行不良”だの“虚言癖”だの……事実無根の噂を流した。おかげで彼女の家は信用を失い、実家からも追い出された。最後は修道院送りだ」


真実子は、そっとイザベラのそばにしゃがみ込んだ。彼女はいまだ目を覚まさない。


「だから、リディアに近づいた。いい人を装い、婚約者となり、機会を待った。復讐の、完璧なチャンスを」


淡々と語るその姿には、憎悪というより、長く冷やし続けた怨念の静けさがあった。


「チャンスはすぐに来た」



* * *



煌びやかなホールの中、グラスを掲げる音があちこちから響いていた。


その中心に立つセドリックは、静かに呼吸を整えていた。


給仕がトレイを掲げて近づく。

ワインの注がれたグラスがいくつも並ぶ中、彼はふたつ、そっと選び取る。


懐に忍ばせていた包紙から、無色の粉――セイスンカーリィをほんの少しだけ、片方のグラスへと落とす。

すぐさま軽くグラスを傾けて混ぜた。


そして、それを子爵へ。


「お義父様。リディアとの婚約をお認めいただき、感謝しております」

にこやかに言いながら、グラスを差し出す。


「これから先、末永く、よろしくお願いいたします」


子爵はうなずき、受け取る。


「リディアを……頼むぞ」



* * *



セドリックは、遠くを見つめるような目で言った。


「治安部隊が来る前に、あの包紙は――蝋燭で燃やしたよ。

まわりが騒然としてる隙に、跡形もなくね」


セドリックは静かに息を吐いた。


「……それで、計画は上手くいったはずだった。

でも――葬儀の日、あいつが気づいたんだ」



* * *



レイチェルがひとりで花壇に水をやっていると、背後から低く、ねっとりとした声が落ちてきた。


「……やっぱり。どこかで見たことあると思ったんだよなぁ」


その声に、レイチェルの肩がびくりと揺れる。


ゆっくりと振り返ると、ヴィダルが立っていた。

気だるげに花を撫でている。


「セドリック。リディアの婚約者だろ? お前の“お友達”さ」


「……っ」


「アイツ、俺のとこに怒鳴り込んできたんだよ。“お前がレイチェルを傷つけた”ってさ。いやあ、あれは笑ったよ。正義感ぶっちゃって」


ヴィダルはにやりと口元を歪めた。


「で、今回の件――義父上が毒殺された事件。あれ、アイツの仕業だろ?」


レイチェルの手が、持っていたジョウロを落としそうになる。


「心配いらないよ。俺は言わないさ。そんな野暮なこと」


そう言いながら、ヴィダルは彼女に一歩、また一歩と近づいてくる。

柔らかな声。けれど、視線は冷たく、まるで獲物を値踏みするようなものだった。


「……君が、ちゃんと“いい子”でいてくれれば、ね」


耳元で囁くような声。吐息が首筋を撫でた気がした。


「誰にも言わない。僕と君だけの、秘密にしよう。……昔、楽しかったよな。夜会のあと、あのバルコニーで二人きりになった時のこと……覚えてる?」


その目は、記憶ではなく“支配”を楽しんでいるような目だった。


レイチェルは見る見るうちに顔色を失い、きゅっと口を結んで、そっと身を引いた。

けれどヴィダルは、足元の花を踏みしだきながら、逃がすまいと距離を詰めてくる。

背後から、なおも何かを囁き続けていた。


「黙ってる代わりに……少しだけ、僕の気持ちに応えてくれたら嬉しいな」


彼の笑顔が――獣のように歪んでいた。



* * *



崖の上、今のセドリックの瞳には怒りにも似た激情が宿っていた。


「……あいつは、そうやってレイチェルに迫ったんだ。許せなかった。

だから――イザベラより先に黙らせることにしたんだ」


セドリックは淡々と、けれどどこか苦々しげに語り続けた。


「僕は……レイチェルに言ったんだ。

“殺したのは僕じゃないから、絶対に引き受けるな”ってね。

案の定、ヴィダルは激昂した。あいつは僕を呼び出して――紙を突きつけてきた」


風がまた吹いた。真実子は拳を握りしめ、しっかりとセドリックを見据えた。



* * *



ヴィダルの部屋の片隅。ソファ二台と小さなテーブルが向かい合っていた。


セドリックとヴィダルはその場に座っていた。

ヴィダルの手にはグラス。すでにワインを三分の一ほど飲み干し、薄く笑みを浮かべている。


テーブルの上には、一枚の紙。

そこには整った筆跡で、こう書かれていた。

『私が、リーヴェル子爵 ロドリク・ヴァレンティウスを殺しました。』


「お前を治安部隊に突き出してやる。これにサインしろ」


ヴィダルはグラスを片手に言い放ち、ソファに身を預けながらセドリックを睨みつけた。


「……じゃないと、レイチェルがどうなるか分からないぞ」


一拍、間を置いて――にやりと笑う。


「昔のこと、忘れてないからな。あの夜会の晩、バルコニーで泣きながら縋りついてきたあの顔……可愛かったよ。あんなの、もう一度見たくないだろ?」


セドリックの拳がかすかに震えた。


「それに、今さら庇ってどうする? あいつが俺の"お願い"を聞かなかったせいで、お前の人生も終わるんだぞ。俺と組めば、少なくとも“死人”にはならずに済む」


ねっとりとした声。

笑ってはいるが、目だけがまったく笑っていない。


「まあ、俺としてはどっちでもいいんだけどね。お前が拒めば、代わりに“レイチェルの自白文”を書かせるだけだ。あいつ、従順だからな。少し脅せば、何でも書くよ」


セドリックは短く息を吸い、唇をかみしめたあと――静かにうなずいた。


「……分かりました。ペンとインクを貸してもらえますか?」


「チッ……待ってろ」


苛立たしげに舌打ちしながら、ヴィダルはソファから立ち上がり、部屋の隅にある机へと向かう。


その背を見送った瞬間――

セドリックは、懐から小瓶を取り出した。毒、セイスンカーリィ。


躊躇はなかった。

手早く瓶を開け、ワイングラスへと、ほんの数滴だけ落とし込む。


かすかな波紋が、赤い液面に広がった。

だが、色も香りも、まったく変わらない。


――そのとき。


「……おい、早く書け」


ヴィダルが戻ってきた。

乱暴にインク壺と羽ペンをテーブルへ叩きつけ、セドリックを睨み下ろす。


「さっさとサインしろ。……レイチェルの命と引き換えに、な」


セドリックは言葉もなく、ペンを取り、紙の前に座った。

指が、わずかに震えている。


ヴィダルはソファにふんぞり返り、にやりと笑いながらグラスを手に取る。


「お前みたいなやつが俺に逆らおうなんて、十年早いんだよ。なあ、乾杯でもしてやろうか?」


言うが早いか、喉にグラスを傾ける。


一口、二口……

ゴクリ、と音を立てて飲み干すと、ヴィダルは満足げに息を吐いた。


「やれやれ……。さて、“自白”とやらを拝見させてもら――」


言葉が、そこで止まった。


ヴィダルの顔から、さっと血の気が引いていく。

目を見開き、喉を押さえながら、もがくように身をよじる。


セドリックは、ただ静かに、それを見つめていた。



* * *



「……そして、あいつが書いたように、紙とペンを置き直した。毒の瓶も、そばに残してな。

あとは――君の言う通りさ」


崖の上。吹き抜ける風が、セドリックの髪を揺らす。


「ヴィダルが死んで、後を追うように、イザベラが崖から飛び降りる。

それで、すべてが終わるはずだった。完璧にな」


その声は、かすかに震えていた。


「……頼む。イザベラだけは、この手で葬らせてほしい。

それが終わったら、治安部隊に自首する。だから……」


「――だめよ!」


真実子が叫んだ。


「これ以上、罪を重ねないで!

彼女まで、あなたの手で傷つけるなんて……そんなの、絶対に違う!!」


両手を大きく広げ、イザベラの身体をかばうように覆う。


セドリックの目が、すっと細められた。


「……君には悪いが、邪魔されるわけにはいかないんだ」


その声は低く、もう迷いのないものだった。


次の瞬間――

真実子の首に、強い手が伸びた。


「ッ……!」


ぐっと締め上げられる。息が、喉が、熱くて苦しい。


(……そう、だ……こんなラスト、あったわね……

絞殺未遂。二時間サスペンスのお約束……)


意識が遠のく中、真実子の脳裏には、何十回も見た“あの崖のシーン”が浮かんでいた。


(でも……)


「そこまでだ!!」


鋭い声が風を裂いた。


ドンッと音を立てて、セドリックの頬に拳が炸裂する。


「……ッ!」


体がのけぞり、真実子の手が外れる。


彼女はその場に崩れ落ちた。


「おい!」


駆け寄ったのは、カイだった。

すぐに彼女の体を支え、背中をさする。


ゲホゲホと咳き込む真実子。

喉が焼けるように痛み、目からは自然と涙がこぼれた。


「大丈夫か? まったく……無茶しすぎなんだよ!」


カイが真剣な目で真実子を見つめ、そっとその背に手を添える。


「……ごめん……」


弱々しくも、真実子はかすかに笑って答えた。


その横で、セドリックがふらつくように立ち上がる。


「……イザベラだけは……!」


震える手が、崩れ落ちたイザベラへと伸びかける。

そのまま駆け寄ろうと、一歩踏み出しかけた――その瞬間。


「……!」


真実子とカイが、同時に顔を上げた。


そして――


「セドリック!」


崖の風に乗って、澄んだ声が響き渡った。


全員の視線が、一斉に声の方へ向く。


そこに立っていたのは、大聖堂のシスター服を揺らす一人の女性。

風に髪をなびかせながら、まっすぐセドリックを見つめている。


「……レイチェル……?」


セドリックの動きが、ピタリと止まった。

その目に浮かんだのは、驚きとも、懐かしさともつかない、複雑な色。


「もう、やめて……

私、婚約破棄されて、確かに辛かった。

でも、こんなの、望んでないの。

それに……セドリックがこんなことするなんて、耐えられない。

あなたは、私にとって――とても大切な人だから!」


レイチェルの声は、揺らがず、穏やかだった。


その言葉に、セドリックの肩からすべての力が抜けていく。


膝をつき、その場に崩れ落ち、そして――静かに、泣き崩れた。


そのとき、治安部隊の応援が到着し、セドリックのもとへ駆け寄る。

隊員たちが彼の腕を取り、そっと立たせる。


セドリックがレイチェルの横を、無言で通り過ぎようとしたそのとき――

彼女の唇が、そっと開かれた。


「……止められなくて、ごめんなさい。

でも……私は、あなたを待ってる。

罪を償うその日まで――ずっと」


足が止まる。

セドリックはゆっくりと振り返り、彼女の顔を見つめた。


レイチェルは、まっすぐな瞳で彼を見ていた。涙を浮かべながらも、微笑んでいた。


セドリックもまた、静かに涙をにじませたまま、そっと微笑む。

言葉はなかった。だがその目は、確かに何かを伝えていた。



その瞬間――真実子の脳内に、あの旋律が流れ出す。


夜の静けさに溶けるような、熟練の女性歌手の歌声。

優しさだけでは生きられないと知りながら、それでも祈るように誰かを想い続ける。

――そんな哀しくもあたたかい歌が。



風が吹いた。

真実子は、そっと目を閉じる。

一粒の涙が、静かに頬を伝った。


(――事件は、終わった)



* * *



カイは肩をすくめながらも、どこか呆れたように目を細めた。


「シスターから聞いた時は、肝が冷えたぞ。まさか君が、犯人に単身で向かうなんてな」


「……すみません。でも、時間が無かったから」


真実子は気まずそうに頭をかきながらも、しっかりとカイを見上げて言った。


すると、カイはふっと口元をゆるめて、穏やかに笑った。


「でも、事件が解決したのは君のおかげだ。ありがとう、マティルダ」


その笑顔は、真っ直ぐで、まぶしくて――

まるで朝の光のように、心にすっと差し込んでくる。


(……ああ、なんて眼福。

ほんと、いい男ねぇ……)


目を細めた真実子の耳に、遠くで鐘の音が響いた。

空は高く、風はやさしかった。



* * *



当主と長男を失い、リーヴェル子爵家は没落した。

屋敷は手放され、使用人は全員解雇された。


次の職場へ向かう馬車の中。

新しい屋敷、新しい出会い……少し緊張しながらも、真実子は静かに窓の外を眺めていた。


……の、だが。


ふと隣を見ると、当然のようにイーヴリン。

向かいには、脚を組んでのんびりするオルガの姿。


「……ちょ、何でいるんですか!?」


思わず声を上げる真実子に、イーヴリンが平然と答える。


「あなたを放っておけませんからね。

ちゃんとご飯を食べているか、定期的にチェックしますよ。健康第一ですから」


「……仕事じゃなくて、そっち……?」


困惑していると、オルガがにこやかに手をひらひら。


「私はあなたがいると楽なのよ〜。ほら、メイド長って、疲れるじゃない?」


「……メイド長、もうちょっと“長”としての自覚を……!」


「まぁまぁ、そんなこと言わないの。ほら、クッキーあ・げ・る・か・ら♪」


オルガは片目をつむり、茶目っ気たっぷりにウインクする。


ポーチから出てきたのは、いつものお手製クッキー。

真実子は半分呆れながら、それでも手を伸ばしてしまう。


「……はぁ……」


ため息まじりの一口。でも、心の奥が少しだけ温かくなる。


「さあ、グレンフォード男爵家の皆様がお待ちかねですよ」


イーヴリンがきっちり整った声で告げる。


馬車の揺れに合わせて、オルガがふわりとクッキー入りの箱を差し出した。


「疲れたら、これでひと息ついてね」


真実子は少し照れくさそうに微笑み、箱を受け取った。


こんな二人と一緒なら、どんな新しい場所でも乗り越えられる気がした。


馬車はゆっくりと進み、夕陽が三人の影を長く伸ばしていく。


真実子は、小さく深呼吸した。


――さあ、新しい物語の始まりだ。


 

- 終 -



* * *



新しいお屋敷で、真実子はオルガの指示を受けながら働いていた。


「マティルダさん! そこの窓辺のカーテン、もう少しだけ開けて明るくして! それから、廊下の絨毯に埃が溜まってるから掃いておいて! あと、ダイニングの椅子並べ直すのもお願い!」


オルガの指示は相変わらずどれもざっくりしていて、細かいやり方は一切教えてくれない。

それでも、不思議と居心地がよく、真実子はひとつひとつ手を動かした。


すると突然、遠くから女性の悲鳴が響き渡った。


「メイドが飛び降りたぞー!」と使用人たちの怒号が飛ぶ。


真実子は思わず顔を上げる。



(……え? これって、シリーズものなの?)



おわり

最後までご覧いただきまして、誠にありがとうございました。

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