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18話「二つの影、迫り来る脅威」

ダンジョン内の静けさの中、俺は獣人の身体で洞窟の奥深く、ダンジョンコアを見ていた。


最近のダンジョンの急速な成長と、魔物たちの進化に喜びを感じつつも、一抹の不安が胸をよぎる。そんな時だった。


「……気配が変だな」

何かプレッシャーのようなものを感じる。


「……おそらく人間か。しかも、ただの人間じゃないな」俺は軽く眉をひそめる。


その時、洞窟の入り口から重い足音が響いた。現れたのはゴブリンジェネラルだ。以前のホブゴブリンから進化を遂げ、いまや堂々たる指揮官としてゴブリンたちを統率する存在となった彼は、険しい表情でこちらに歩み寄る。


「主、報告がある。人間だ。森の中に何人も侵入してきた」

「何人だ?」

「ざっと20人以上だ。しかも、一箇所からではない。二つの方向からそれぞれ進んできている」


その言葉に、俺の胸に確信が芽生える。先ほどの気配は俺たちを狙った集団か。


「……ようやく動き出したか」

これまでゴブリンジェネラルを中心としたゴブリンたちや、エレメントスライムを筆頭とするスライムたちが森の魔物を狩り尽くした結果、人間の領域に危機感を抱かせてしまったのだろう。彼らにとって、我々の存在は“異常”であり、“排除すべき脅威”と見なされたに違いない。


ゴブリンジェネラルは鋭い目で俺を見つめた。

「どうする、主? 奴らを迎え撃つ準備を進めるか?」


その声に応えるように、洞窟の奥からエレメントスライムが悠々と姿を現した。貴族然とした態度で、いつもの尊大な口調を崩さない。

「なかなかこの森でお目にかかることのない実力者たち、といったところでしょうか」


「討伐隊か。ちょうど二つだな」

俺は二人を交互に見た。

「それぞれお前たちに任せる。だが、一つだけ約束だ。人間は誰も殺すな」


ゴブリンジェネラルの目が鋭さを増す。

「主、向こうは俺たちを殺すつもりだぞ」


「ああ、だがこちらは殺すな。それが条件だ」


エレメントスライムが優雅に頷いた。

「主よ、その意図、私は分かりました」


その瞬間、ゴブリンジェネラルが声を荒げる。

「何っ!?俺も分かってるぞ! けど、いつもお前が先に言いやがる!」


エレメントスライムはゴブリンジェネラルの怒りをさらりと流し、軽く振り返りながら言った。

「では、私は人数の多い方を担当させていただきますよ」


そう言い残すと、スライムたちを率いて悠然と洞窟の外へ向かう。


「おい!卑怯だぞ!」

ゴブリンジェネラルは慌てて叫びながらエレメントスライムの後を追う。


洞窟の入り口から彼らの姿が消えた後、俺は静かに外の気配を探った。二つの討伐隊、それぞれが確実にこちらへ向かってくる。


「今までにない手練れの冒険者が集まった討伐隊か…大丈夫だろうか…」

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