雪の空
空を見上げる
あまりにも白い
真っ白な雪原広がる眼前は
どこまでも澄み渡る薄氷張りゆく冷たさに
肌を震わせながら
踏み出す足の運びとなる
空は何故こんなにも
無垢な描写に彩られているんだろう
心があまりにも純粋なばかりに
鮮やかなる太陽の世界とは対照的に
森の奥まで広がりを魅せている
木々の枝を踏みしきる音は
無音の世界のスタジオに
ひとついの音となってこだまする
水の動きが緩かな氷となっているため
懐かしいあの時あの光景の
あの時のままの姿が
今の自分の姿の中に投影される
ああ なんで世界はこんなにも
自然という息吹の中で息づいているのに
争いの心を表に出しているのだろうか
ふと涙のような雪となりて
降り注ぐこの世界は
やがて核兵器の投下となりて
世界に降り注ぐのであろうか